第2話:手数料など4つのチェックリスト

具体的にどの銘柄を買うかという選定に入ります。長期積立投資で資産形成を目的とする場合、銘柄選びにはいくつか気をつけるべきポイントがあります。ここでは、投資信託を選ぶ際に確認しておきたい4つのチェックリストを紹介します。

1. 投資信託を選ぶ「4つのチェックリスト」

【チェック1】信託報酬は0.3%以下か?

※資産形成講座でも詳しく解説している通り、運用中ずっと引かれ続ける手数料はリターンを直接削る確実なマイナス要因です。
優良なインデックスファンドの信託報酬は「年率0.1%前後」であるのに対し、特定のテーマに絞った投信などは「年率1.0%〜1.5%以上」とコストが高めに設定されている傾向がある事実を確認しておく必要があります。

【チェック2】純資産総額は十分に大きく、増え続けているか?

純資産総額とは「そのファンドにどれだけのお金が集まっているか」を示す規模の事実です。これが小さすぎる(一般的に30億円未満など)、あるいは減り続けている場合、運用会社がコストに見合わないと判断し、途中で運用を強制終了する「繰上償還(くりあげしょうかん)」のリスクが高まります。
長期にわたって安心して積み立てるためには、純資産総額が右肩上がりで増え続けている(資金が流入し続けている)ファンドを選ぶのが基本となります。

【チェック3】分配金は「受取」ではなく「再投資」か?

ファンドが得た利益を現金で配るのが「分配金」です。毎月お小遣いのように貰えるファンドは人気がありますが、資産形成期においては「分配金なし(ファンド内で自動再投資)」を選ぶのが複利効果を高めるための基本です。
分配金を現金で受け取ると、その都度約20%の税金が引かれてしまい、投資に回る元本が減ります。ファンド内で税引き前に「再投資」してくれるものを選ぶことで、資産の成長スピードを維持しやすくなります。

【チェック4】為替ヘッジは「なし」になっているか?

海外の資産を買う場合、円高による資産の目減りを防ぐ仕組みが「為替ヘッジ」です。急激な円高局面では資産を守る効果がありますが、ヘッジを行うには「日本と投資先国との金利差」というコストを毎年支払い続ける必要があります。
数年単位の投資や、円高への防衛を最優先するなら「ヘッジあり」も選択肢になりますが、10年・20年という長期積立においては、このコストの蓄積が複利の成長を大きく妨げる要因となるため、為替変動リスクをそのまま受け入れる「為替ヘッジなし」を選ぶのが一般的なセオリーとされています。


2. まとめ:チェックリストを満たしやすいファンドとは

インデックスファンドが選ばれやすい理由

上記の4つのポイント(超低コスト・安定した純資産・再投資・ヘッジなし)を照らし合わせると、長期積立の土台として適しているファンドの条件が見えてきます。
結果としてこれらの条件を自然と満たしやすいのが、コストを極限まで削り、数兆円規模の資金を安定して集めている「時価総額加重平均型のインデックスファンド(eMAXIS Slimシリーズなど)」という事実があります。

ファンドを客観的に選別するための視点が整理できました。続く第2章(第3話)からは、この条件をクリアしやすい「具体的なインデックスファンド」を地域別(全世界・米国・日本・インド・中国)に分け、それぞれの特徴を解説していきます。