1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………6
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………7
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………8
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………8
2.企業集団の状況 …………………………………………………………………………………………………9
3.経営方針 …………………………………………………………………………………………………………11
(1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………………11
(2)目標とする経営指標 ………………………………………………………………………………………11
(3)中長期的な会社の経営戦略 ………………………………………………………………………………12
4.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………13
5.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………14
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………14
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………16
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………16
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………17
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………18
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………20
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………22
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………22
(表示方法の変更) ………………………………………………………………………………………………22
(セグメント情報等の注記) ……………………………………………………………………………………22
(1株当たり情報の注記) ………………………………………………………………………………………26
(重要な後発事象の注記) ………………………………………………………………………………………26
当連結会計年度においては、米国政権の政策動向の不確実性など、複合的な要因による外国為替相場の変動、電力・エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価高が引き続き進展しております。また、政策的な賃金上昇に加えて、いわゆる「2024年問題」に代表される「働き手不足」が進展し、様々なコストが上昇する一方で、価格転嫁が十分に見通せないこと、期末に顕在化した中東情勢の緊迫化に伴う原油価格や製品調達への影響が見通せないことなど、国内景気や企業収益については先行き不透明な状況が続いております。
そのようななか、当社グループは、当期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、本中計の実践を通じて、グループが「One Team」となって健康創造事業体への変革を進め、変化するヘルスケアエコシステムに新たな「解」と「希望」を送り続ける存在として新たな価値を創出し、さらなる企業価値の向上と社会課題の解決に貢献することを目指し、2032年の当社創立100周年に向け、本中計期間は「既存事業の変革」と「新たな成長事業の準備」を主なテーマと位置づけて取り組んでまいりました。
当連結会計年度における「既存事業の変革」については、多様な企業との協業を通じ、希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品の流通モデルの強化やMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に取り組んでまいりました。
具体的には、医療流通プラットフォームの構築に向けて、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステムである「キュービックス」を全国の地域中核病院などへ導入し、医薬品の流通品質向上に取り組んでおり、スペシャリティ医薬品流通において、国内への新規参入や新製品の上市を目指す製薬企業のご要望にお応えするとともに、新薬を待ち望む患者さまに確実に医薬品をお届けできる流通基盤の強化に努めた結果、期末時点で全国597軒のお得意さまにおいて、合計710台が稼働しており、がん拠点病院の半数以上、国立大学病院の8割程度に導入が進んでおります。今後、「キュービックス」の更なる導入を進めることに加えて、周辺サービスとの連携など機能拡充により、より精度の高いデータの取得や、流通在庫の可視化、在庫、消費データを用いた需要予測などにも取り組んでまいります。
流通基盤の強化に向けた取り組みとしては、2024年4月より、埼玉県草加市に、最新のロボット技術を駆使した自動化・省人化を実現する卸物流拠点に、製造業務受託・メーカー物流エリアを併設した、業界初のコンセプトを持つ「首都圏物流センター」を構築し、本稼働しております。加えて、2025年5月に中部圏をカバーする新たな物流拠点「中部圏物流センター(仮称)」の構築に向け、愛知県春日井市との間で売買契約を締結し、物流センター用地(2027年10月着工予定)を取得いたしました。今後、「首都圏」「中部圏」両センターをはじめとする当社グループの物流網を最大活用し、自動化による効率化をはじめ、輸配送コストの低減、GDP基準(※2)に準拠した品質面、CO2排出量の削減などの環境面、災害時におけるBCP対応のより一層の強化など、さまざまな効果の実現を目指してまいります。
今後もスズケングループは、「既存事業の変革」を実現する新たな取り組みを順次導入・具体化してまいります。
「新たな成長事業の準備」については、既に提携している企業とともに、新たな流通チャネル構築や、協業によるデジタルヘルス事業の構築を加速させ、革新的なサービスや情報ビジネスを推進し、製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さまへの新たな価値の提供に取り組んでおります。
具体的には、医療・介護従事者向けのポータルサイトである「コラボポータル」(※3)のサービス提供を開始し、当社グループが保有するさまざまなサービスや情報の発信に加え、お得意さまと当社グループ、製薬企業、さらには多職種・専門スタッフをつなぐ機能、協業企業のデジタルヘルスサービスを統合的にお届けする機能などを搭載し、医療・介護現場へデジタルヘルスサービスを安心・安全にご利用いただける環境づくりに取り組んでまいりました。
加えて、「コラボポータル」を展開する「㈱コラボスクエア」と医療・介護に特化したソーシャル医療・介護連携プラットフォーム「メディカルケアステーション(MCS)」(※4)を展開する「エンブレース㈱」の統合 (2026年4月1日付)を決定・実施いたしました。本中計期間の取り組みを通じて、当社と44万人(ID)以上の医療・介護従事者との「新たなつながり」が生まれており、今後、医薬品卸としてお取引いただいている全国の約16万軒のお得意さまとの「つながり」と、新たに構築した44万人以上の医療・介護従事者「個」との「つながり」とを組み合わせたマーケティング支援など、情報による新たな収益事業にスピードを上げて取り組んでまいります。
更に、2026年2月には、「最先端テクノロジーで医療現場を持続可能に」をミッションに、2022年4月に創業したヘルステックスタートアップである「㈱medimo」を完全子会社化いたしました。深刻化する医療従事者不足という構造的課題を背景に、生成AIをコア技術とした音声入力・自動要約による医療文書作成SaaS「medimo」(※5)を提供・展開し、2024年4月の提供開始以降、全国累計で1,000軒以上の医療機関において導入・活用がなされております。今後、日本の医療の持続可能性を支えるインフラとなることを目指し、更なる中長期的な成長を見据えております。
急速な少子高齢化の進行により、医療需要が増大する一方で医療従事者の確保がますます困難となり、医療提供体制そのものの持続可能性が深刻な危機に直面しております。こうした構造的課題の中、2024年4月から医師への時間外労働規制が適用され、医療現場では限られた人的資源で医療の質と量を維持するための抜本的な生産性向上が求められております。
今後も、スズケングループは協業するさまざまな企業と共に、社会課題の解決に向け、生成AIなどの新たな技術とリアルのインフラを高度に融合させた取り組みを加速させ、安心・安全なヘルスケアプラットフォームを構築し、「健康創造事業体」の実現を目指してまいります。
リスクマネジメントに関しては、ランサムウェア被害の多発など、高度化・重大化する情報セキュリティリスクへの対応に向け、2025年4月1日付で、取締役会の下部機構である「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」傘下の実務委員会として「情報セキュリティ実務委員会」を新設いたしました。今後、当社グループにおける一元的なセキュリティ水準の把握・統制と強化を一層推進してまいります。
株主還元方針については、2023年5月に開示した株主還元方針を2023年11月10日に改定・強化し、安定的な配当の継続を基本とし、中期経営計画の最終年度である2026年3月期までの3年間平均において、総還元性向100%以上の株主還元を実施することにより株主還元の充実を図るとともに、既存事業の強化や新規事業の創出に向けた投資を行うことで企業価値と資本効率の向上を目指してまいりました。
上記方針を踏まえ、2025年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づき自己株式の取得を決議し、取得総数:4,458,800株、取得総額:259億99百万円の自己株式を取得した結果、配当金(総額:68億77百万円)と合わせて、2026年3月期の単年度総還元性向は86.2%、また、2024年3月期からの3年間平均総還元性向は98.1%となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与し、増収となりました。利益面では、引き続き適正利益の獲得と、販管費の見直しと抑制に取り組んでまいりましたが、医薬品等の仕入価格の上昇に加え、外部委託費などインフレ傾向に起因する営業費が増加したことなどにより、営業利益においては減益となりました。
一方で、経常利益においては、持分法による投資利益(10億30百万円)が寄与(前期は6億36百万円の持分法による投資損失)したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益においては、政策保有株式(投資有価証券)の縮減(連結11銘柄)を実施し、特別利益として投資有価証券売却益(155億81百万円)を計上したことなどが寄与し、増益となりました。
その結果、売上高は2兆4,866億47百万円(前期比3.6%増)、営業利益は363億74百万円(前期比2.0%減)、経常利益は397億44百万円(前期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は381億36百万円(前期比10.6%増)となりました。
※1 MS(Marketing Specialist)
:医薬品卸売業の営業担当者のこと。
医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や収集を行います。
※2 GDP(Good Distribution Practice)
:医薬品の適正流通基準のこと。
医薬品の市場流通における流通経路の管理保証、医薬品の完全性の保持、更に偽造医薬品が正規流通経路へ流入することの防止を図ることを目的としております。
※3 コラボポータル
:当社完全子会社である「㈱コラボスクエア」が運営する、当社グループが保有するさまざまなサービスを提供する「ソリューション機能」をはじめ、当社グループの営業担当者やMRさま、専門スタッフの皆さまなどがチャットや動画などを活用して、遠隔でお得意さまと接点を持つことが可能になる「コミュニケーション機能」、さらにはAmazonビジネスとの連動による「購買機能」などをワンストップで提供するデジタルヘルスサービスの総合ポータルサイトです。SSO(Single Sign On:一度のユーザー認証によって複数のシステムの利用が可能になる仕組み)やデータ連携を採用し、アクセス性を高めることで医療・介護現場の業務効率化にも寄与します。
※4 メディカルケアステーション(MCS)
:誰でも簡単に利用できるタイムライン形式による非公開型医療介護連携SNSで、タブレット、スマートフォン、パソコンなど多様な端末に対応しています。強固なセキュリティのもとで院内や施設内はもちろん、外出先からでも必要な情報へ簡単にアクセスし、共有が可能。医師やコメディカル、介護職、患者さまとそのご家族が職種や立場を超えてつながる地域包括ケア・多職種連携を実現します。
※5 医療文書作成SaaS「medimo」
:診察時の会話から生成AIが高精度なカルテ案を自動作成。
医療用語に対応した音声認識技術により、医療現場の働き方改革と業務効率化に貢献します。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(注)セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高を含んでおります。
(医薬品卸売事業)
医療用医薬品市場は、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与したことにより、伸長したものと推測しております。
そのようななか、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬の寄与などにより2兆4,010億13百万円(前期比3.8%増)となりました。営業利益は、2024年4月に改訂された流通改善ガイドラインへの取り組み、および物流委託費をはじめ医薬品流通に係る様々なコストが高ぶれする状況下においても、引き続き販売費及び一般管理費の見直しと抑制に取り組んだものの、医薬品等の仕入価格の上昇を十分に補うに至らず、314億67百万円(前期比1.4%減)となりました。
(ヘルスケア製品開発事業)
売上高は、医薬品製造事業における二次性副甲状腺機能亢進症治療薬ウパシタ静注透析用シリンジや、持続型赤血球造血刺激因子製剤ダルベポエチンアルファBS注が伸長したものの、薬価改定の影響などにより減収となりました。営業利益は、減収に加え、経口投与可能な選択的ソマトスタチンアナログ受容体(SSTR)2作動薬であるPaltusotine(※6)の開発進展による研究開発費の増加などにより、減益となりました。
これらの結果、売上高は516億36百万円(前期比1.9%減)、営業利益は8億30百万円(前期比56.6%減)となりました。
※6 Paltusotine(パルツソチン)
:選択的SSTR2作動薬であり、外科的処置で効果が不十分な場合または外科的処置が選択肢とならない成人先端巨大症の治療において、米国で承認された世界初の1日1回経口投与可能な低分子の治療薬です。
本剤は、Crinetics社により、先端巨大症患者および神経内分泌腫瘍に伴うカルチノイド症候群患者に1日1回経口投与の治療選択肢を提供するため、探索および設計されました。先端巨大症および下垂体性巨人症を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されています。
(地域医療介護支援事業)
売上高は、保険薬局事業において、閉局により運営店舗数が減少した結果、処方箋受付枚数が減少したことによりわずかながら減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の適正化に努めた結果、増益となりました。
これらの結果、売上高は939億37百万円(前期比0.5%減)、営業利益は15億49百万円(前期比20.0%増)となりました。
(スペシャリティ医薬品流通受託事業)(※7)
売上高は、既受託医薬品の市場伸長に加えて、新規受託医薬品も増加したことにより大幅な増収となりました。営業利益は、増収効果に伴い、増益となりました。
これらの結果、売上高は4,361億円(前期比47.6%増)、営業利益は11億55百万円(前期比36.5%増)となりました。
※7 スペシャリティ医薬品流通受託事業
:希少疾患治療薬など、一般的な流通経路とは異なる、より厳格な品質管理と流通管理が必要な医薬品の流通を医薬品メーカーから受託する事業です。医療機関への販売・納入など、実際の流通機能は当社グループの「医薬品卸売事業」が担うことから、売上高はほとんどが「医薬品卸売事業」との内部取引となります。
(医療関連サービス等事業)
売上高は、外部ロジスティクス事業におけるメーカー物流の受託増などにより増収となりました。営業利益は、デジタルヘルス事業の収益性改善などにより増益となりました。
これらの結果、売上高は429億64百万円(前期比1.8%増)、営業利益は12億76百万円(前期比21.6%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ419億34百万円増加し1兆1,557億66百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動資産は前連結会計年度末に比べ320億73百万円増加いたしました。これは主に、有価証券が139億50百万円、商品及び製品が15億28百万円減少したものの、現金及び預金が140億40百万円、受取手形及び売掛金が300億55百万円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ98億60百万円増加いたしました。これは主に、投資その他の資産が2億44百万円増加したものの、有形固定資産が60億51百万円、無形固定資産が35億64百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ333億42百万円増加し7,397億53百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動負債は前連結会計年度末に比べ339億37百万円増加いたしました。これは主に、独占禁止法関連損失引当金が30億90百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が300億4百万円増加したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ5億94百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が5億1百万円増加したものの、固定負債のその他(主に預り敷金)が10億50百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ85億91百万円増加し4,160億12百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
株主資本は前連結会計年度末に比べ53億62百万円増加いたしました。これは主に、剰余金の配当の支払が70億98百万円、自己株式の取得による減少が260億3百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を381億36百万円計上したことによるものであります。
その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ32億21百万円増加いたしました。これは主に、退職給付に係る調整累計額が31億29百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ130億37百万円増加し1,316億4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は335億66百万円(前期は650億79百万円の支出)となりました。
この主な要因は、売上債権の増加300億34百万円、投資有価証券売却益155億22百万円、法人税等の支払168億21百万円があったものの、税金等調整前当期純利益542億93百万円、仕入債務の増加300億4百万円、減価償却費123億41百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は128億17百万円(前期比75億61百万円減)となりました。
この主な要因は、有価証券の取得による支出164億95百万円、有形固定資産の取得による支出150億64百万円、無形固定資産の取得による支出27億84百万円があったものの、有価証券の売却及び償還による収入310億円、投資有価証券の売却及び償還による収入210億45百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は333億36百万円(前期比21億47百万円増)となりました。
この主な要因は、自己株式の取得による支出260億3百万円、配当金の支払70億95百万円があったことによるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
我が国のヘルスケア業界を取り巻く事業環境は、継続的な薬価改定や医療費抑制政策の影響に加え、物流費や人件費の上昇、医療提供体制を支える人材不足など、厳しさが続くものと認識しております。
このような環境のもと、当社グループは医薬品の安定供給という社会的使命を果たしつつ、事業基盤の強化と持続的な成長を図るため、3年間の新中期経営計画を策定し、本日発表しております。
次期連結会計年度は当該中期経営計画の初年度に当たることから、業績予想につきましては、ヘルスケア領域における事業環境を踏まえ、中期経営計画において想定している各施策の進捗を前提として策定しております。
上記を踏まえ、次期(2027年3月期)の連結業績は、売上高は2兆5,630億円(前期比3.1%増)、営業利益は312億円(前期比14.2%減)、経常利益は343億円(前期比13.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は250億円(前期比34.4%減)を見込んでおります。
※中期経営計画につきましては「3.経営方針(2)目標とする経営指標、(3)中長期的な会社の経営戦略」をご参照ください。
※上記の連結業績予想は、本資料の発表日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は、様々な要因によって変化する可能性があることをご了承ください。
当社グループは、安定的な配当の継続を基本とし、中期経営計画「For your next heartbeat~ 未来に向けた鼓動を創ろう~」の最終年度である2026年3月期までの3年間平均において、総還元性向を100%以上とし、株主還元の充実を図るとともに、既存事業の強化や新規事業の創出に向けた投資を行うことで企業価値と資本効率の向上を目指してまいりました。
剰余金の配当につきましては、中間配当及び期末配当の年2回の配当を基本的な方針としております。配当の決定は、会社法第459条第1項の規定に基づき、株主総会の決議によらず、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。
内部留保資金につきましては、当業界を取り巻く厳しい環境のなか、競争上の優位性を確保し、安定成長を維持するため、営業・物流・情報基盤の強化および新たな事業領域の拡大に配分を行ってまいります。
これらの方針に基づき、当連結会計年度の配当金につきましては、当初予想通り、期末配当金1株当たり50円、中間配当金(1株当たり50円)を含めた通期配当金は1株当たり100円といたしました。
なお、当社は新たな株主還元方針を、2026年5月14日付「株主還元方針および2027年3月期 通期配当予想(増配)に関するお知らせ」で別途開示を行っております。
次期(2027年3月期)の配当といたしましては、株主還元方針に基づき、通期配当金として1株当たり120円(中間配当金:1株当たり60円、期末配当金:1株当たり60円)、20円の増配(20%増)を予定しております。
なお、2026年10月1日を効力発生日とする株式分割(1:2)を予定しているため、株式分割後の期末配当は1株当たり30円、年間配当額は90円となりますが、配当総額に変更はありません。
当社及び当社の関係会社は、㈱スズケン(当社)、子会社38社及び関連会社10社により構成されており、医薬品等の販売、医薬品・医療機器等の製造販売、保険薬局・介護サービス、医薬品メーカー支援サービス及びこれらに付随する事業を営んでおります。
事業の内容と当社及び当社の関係会社の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
(注) ㈱エス・ディ・コラボは、2026年4月1日付で会社分割し、㈱コラボクリエイトを設立しております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
関係会社の状況
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
2 特定子会社に該当しております。
3 ㈱エス・ディ・コラボは、2026年4月1日付で会社分割し、㈱コラボクリエイトを設立しております。
4 有価証券報告書の提出会社であります。
5 持分法適用関連会社であった㈱Welbyは、持株比率が低下したため、持分法適用の範囲から除外しております。
当社グループでは、「世のため、人のため」「お得意さまに学ぶ」という創業のこころを受け継ぎ、事業領域を「健康創造」と定め、医療と健康に関わる分野で、事業を通して世の中のお役に立つことを会社経営の基本方針としております。
当社グループのお得意さまは、医療機関、保険薬局、医薬品メーカーさまだけでなく、医療・介護に従事される方々、患者さま、さらには、地域住民、地域社会にまで広がっており、これまで築き上げてきたお得意さまとの信頼関係を「伝統資産」と位置づけ、「社会課題の解決」と「社会コストの低減」に貢献する新しい価値を創造し続けることが当社グループの存在意義(パーパス)となります。
当社グループは、今を「第3の創業期」と位置づけ、各事業で培ってきた機能や協業企業のサービスを組み合わせ、新たな価値を提供する「機能総体」の発想により、様々な社会課題の解決と社会コストの低減に貢献する「健康創造事業体」を実現し、企業価値向上と持続的な成長を目指してまいります。
当社グループは、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画(以下、「本中計」)において、下記の定量目標を掲げております。
<主要財務指標>
■長期目標〔5年後(2031年3月期)〕
■上記長期目標達成に向けた本中計における主要経営指標(2027年3月期~2029年3月期)
■サステナビリティへの取組み(前中期経営計画からの取組みを継続推進)
当社グループは、下記中期経営計画を策定し推進しております。
[本中計のテーマ]
第3の創業「健康創造事業体」を目指して
~ 既存の「卸」の概念を超えた“次世代卸”への進化 ~
[本中計のスローガン]
[本中計の重点施策]
(1)次世代卸への進化
(2)事業ポートフォリオの再設計
(3)経営基盤の強化
(1)次世代卸への進化
主力である医薬品卸売事業におきましては、従来のマージンビジネスに加え、機能によるフィービジネス(機能の事業化)に挑戦してまいります。
次世代卸へと進化すべく、安定供給を担保しつつ受注納品プロセスの更なる効率化を目指すとともに、顧客の課題解決に資するサービスについては、価値に見合った対価をいただくことで、収益構造の多様化と付加価値創出を図ります。
(2)事業ポートフォリオの再設計
当社グループは、医薬品卸売事業を中核としながら、既存事業の進化と外部企業とのアライアンスを通じた事業構造の進化に取り組みます。
環境の変化に適応できるよう従来の事業の枠組みにとらわれず、当社グループが有する機能やアセットを組み合わせ、より付加価値の高い事業モデルへの転換を図ります。
(3)経営基盤の強化
本中計を実現するためには、それを担う人材の育成が不可欠であると認識しています。
このため、次世代の経営を担う人材の計画的な育成に加え、デジタル、データ解析などDX分野における専門性を備えた人材の育成・確保を強化してまいります。
また、グループ横断での人材活用や部門間連携を強化するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境整備を通じて、持続的な成長を支える経営基盤の強化を図ります。
また、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」を重要な経営課題と認識し、その対応方針を2023年11月に開示のうえ、各種施策を推進しております。足元ではPBRは1倍の水準へ改善しているものの、資本コストや将来の成長性を十分に織り込んだ水準にあるとは認識しておらず、引き続き改善の余地があるものと考えております。
本中計は、資本コストを上回る収益性を安定的に創出し、企業価値を持続的に向上させることを最上位の経営課題として設計されています。本中計を着実に推進・達成していくことで、PBRをさらに向上させ、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」に継続的に応えてまいります。
※中期経営計画の詳細につきましては、下記当社ホームページをご参照ください。
https://www.suzuken.co.jp/ir/strategy/
4.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、国内の同業他社との比較可能性を確保するため、会計基準につきましては日本基準を適用しております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「投資有価証券評価損益」は、重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」に表示していた「その他」784百万円は、「投資有価証券評価損益」1,125百万円、「その他」△341百万円として組み替えております。
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社及び子会社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、医薬品・医療機器等の製造販売、保険薬局・介護サービス、医薬品メーカー支援サービス及びこれらに付随する事業活動を行っております。
「医薬品卸売事業」は、医療用医薬品・診断薬、医療機器・医療材料等の販売を行っております。
「ヘルスケア製品開発事業」は、医療用医薬品、診断薬、医療機器・材料の研究開発・製造・販売を行っております。
「地域医療介護支援事業」は、保険薬局・介護サービスの提供を行っております。
「スペシャリティ医薬品流通受託事業」は、スペシャリティ医薬品のメーカー支援業務を行っております。
「医療関連サービス等事業」は、医薬品メーカー物流受託などのメーカー支援サービス、デジタルヘルスサービス等の提供を行っております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告セグメントの会計処理方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計処理の原則及び手続に準拠した方法であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
4 報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
(注) 全社資産は、主に余資運用資産としての有価証券及び長期投資資産としての投資有価証券であります。
(関連情報)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
(報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)及び当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
重要な負ののれん発生益がないため、該当事項はありません。
(株式の分割)
当社は、2026年5月14日開催の取締役会において、株式分割を行うことについて決議いたしました。詳細については、本日公表の「株式分割に関するお知らせ」をご覧ください。