1.経営成績等の概況…………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況………………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況………………………………………………………………………………………9
(3)当期のキャッシュ・フローの概況…………………………………………………………………………11
(4)今後の見通し…………………………………………………………………………………………………12
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方………………………………………………………………………15
3.連結財務諸表及び主な注記………………………………………………………………………………………16
(1)連結財政状態計算書…………………………………………………………………………………………16
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書…………………………………………………………………18
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………18
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………19
(3)連結持分変動計算書…………………………………………………………………………………………20
(4)連結キャッシュ・フロー計算書……………………………………………………………………………21
(5)連結財務諸表に関する注記事項……………………………………………………………………………22
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………22
(会計方針の変更) ………………………………………………………………………………………………22
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………22
(1株当たり情報)…………………………………………………………………………………………………25
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………25
再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流であり、加えて地政学リスクの増大を背景としたエネルギー安全保障への意識の高まりにより、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが進展しています。近年のCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)においても、世界全体の再生可能エネルギー及び蓄電池の大幅な拡大が継続して誓約されるなど、脱炭素化に向けた動きが活発化しています。一方で、米国においては、2025年1月の政権交代に伴い、自国内のエネルギー安全保障を最優先した化石燃料の増産や、前政権が進めたクリーンエネルギー補助金の見直しを行うなどの動向も見られています。
日本国内においても、日本政府が2025年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」において、2040年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率を40~50%程度まで高める目標を設定するなど、再生可能エネルギーの導入に向けた動きが加速しています。また、近年のAIの急速な普及に伴うデータセンターや半導体工場の新増設を背景に電力需要の増加が見込まれており、膨大な電力を消費するデータセンター等の稼働にあたっては、CO2を排出しない電源の確保が不可欠となっています。一方で、日本国内においては、一部の不適切な開発事例を背景とした大規模太陽光発電に対する規制強化の動きが進められています。また、系統用蓄電池の領域においても、事業実現確度の高い案件を優先的に導入するための新制度の適用や、重要インフラの安全性を担保するサイバーセキュリティ認証(JC-STAR等)の確保が新たに求められるなど、規制強化が進んでいます。ただし、これら一連の動きは、国内インフラとしてより適切で安全な開発を促進するものであり、今後、事業者に対しては、より一層適切な開発が求められるようになります。また、市場の健全化が進むことにより、中長期的には市場のより一層の成長に寄与する見通しです。
加えて、日本国内のエネルギー自給率は、15.3%と極めて低い水準にあり、一次エネルギーの約8割を海外からの化石燃料に依存することによる国富の流出が大きな課題となっています。現在、この自給率の約7割(11.3%)を支えているのが再生可能エネルギーです。昨今の緊迫する中東情勢等の地政学リスクや原油価格の高騰等を背景に、エネルギー安全保障及び国富流出の観点からも、有事に左右されず純国産エネルギーとして機能する再生可能エネルギーの導入拡大はますます重要性を増しています。
国内の市場・制度環境としては、固定価格買取制度(FIT制度)(*1)や2022年度から導入されたFeed in Premium制度(FIP制度)(*2)による買い取りが継続する中、RE100(*3)に賛同する企業等を中心に、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPA(*4)の実例も増加しています。さらに、長期脱炭素電源オークション(*5)の開始や需給調整市場(*7)での取引開始、GX実行会議の下で改定された「分野別投資戦略」において、2030年の系統用蓄電池の導入目標(累計14.1~23.8GWh)が設定されるなど、政府による各種支援制度の整備が進められています。加えて、国際的な温室効果ガス排出量算定基準であるGHGプロトコルの改定議論が進んでいます。足元では詳細ルールの確定を待つ姿勢があるものの、発電と消費の時間的・物理的な一致等が厳格化される方向にあることから、中長期的にはベースロード電源であるバイオマス発電や蓄電池併設型の再生可能エネルギーの重要性が一層高まると予想されます。これらの政府の支援姿勢の継続及び電力需要家のニーズの高まりにより、国内再生可能エネルギー及び系統用蓄電池市場はより一層拡大していく見通しです。
(*1)固定価格買取制度(FIT制度):
「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(再エネ特措法)に基づき、買取義務者が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で一定期間買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その買取価格及び買取期間等は経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会や関係省庁の意見に基づき経済産業大臣が決定します。
2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、一般送配電事業者は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。
(*2)Feed in Premium制度(FIP制度):
再エネ特措法に基づき、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で自ら売電し、市場価格を踏まえて算定される一定のプレミアムを受け取る制度です。電力市場への統合を促しながら、投資インセンティブの確保と国民負担の抑制を両立していくことを狙いとしています。
(*3)RE100:
「Renewable Electricity 100%」の略称で、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことを指しています。
(*4)コーポレートPPA:
企業などの電力需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約のことを指しています。PPAは電力購入契約(Power Purchase Agreement)の略称です。
(*5)長期脱炭素電源オークション
国全体で必要となる脱炭素電源の容量確保のため、再エネや蓄電池などの新規電源投資(リプレース、改修も含む)の促進を目的に、2023年度より容量市場(*6)の一部として開設された入札制度です。容量提供事業者の長期的な収入予見性を確保するため、電力広域的運営推進機関より、原則20年間、設備容量に落札金額を乗じた容量確保契約金額が長期固定収入(但し、物価変動分が制度適用期間の年度ごとに毎年補正される)として保証されます。
(*6)容量市場
4年後に必要な電力供給力をあらかじめ確保するため、電気の「量」ではなく「発電できる能力(容量確保価値)」を取引する市場です。将来の供給不足を防ぐとともに、多額の投資を要する発電所の維持・新設に向けた投資回収の予見性を高める役割を担っています。
(*7)需給調整市場
一般送配電事業者が電力系統の周波数調整や需給バランスの維持に必要な「調整力」を調達するための市場です。これまで電力会社が個別に確保していた調整力を広域的かつ市場原理に基づいて取引することで、再生可能エネルギーの導入拡大への対応とコスト効率化の両立を目的とし、2021年4月より三次調整力の取引が開始され、2024年4月からは一次調整力を含むすべての商品区分での取引が開始されました。
当連結会計年度における当社グループの「再生可能エネルギー発電等事業」においては、運転開始済みの太陽光発電所、バイオマス発電所、陸上風力発電所、地熱発電所及び蓄電所(合計設備容量約1,228.7MW)において、全体としての発電量は概ね順調に推移しました。2025年9月27日に唐津バイオマス発電所(出力49.9MW。発電端出力ベースの発電容量)が営業運転を開始し、同発電所を運営する合同会社唐津バイオマスエナジーが当社の連結子会社となりました。さらに法人間のコーポレートPPAを前提とした小規模・分散型太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加しました。当社の連結子会社である合同会社御前崎港バイオマスエナジーが保有する御前崎港バイオマス発電所は、2025年6月末から進めていた点検及び補修工事が完了し、2025年10月10日に通常操業を再開しました。また、2025年10月10日に、合同会社姫路蓄電所(持分法適用会社)を通じて開発をしていた姫路蓄電所が当社グループ初の系統用蓄電事業として運転を開始しました。本蓄電事業は、送配電ネットワークへ直接接続する蓄電池システムを設置し、電力需給に応じて電力を充放電することで電力需給バランスの調整に寄与しています。
なお、当連結年度において、各電力会社より出力制御指示が発令され、当社が運営する一部の発電所は出力の制御を実施しました。2026年3月の出力制御に伴う逸失発電量の合計が、当社が運営する全ての発電所の年間計画売電量に占める比率は0.270%であり、当社の連結業績に対する影響は軽微です。
「開発・運営事業」においては、引き続き、国内外の新たな発電所・蓄電所の建設及び開発が進捗しています。2025年6月30日に、東京瓦斯株式会社(東京ガス)とのオフテイク契約(2025年6月23日締結)に基づき、北海道石狩市で30MWの蓄電事業の開発を進めるアールスリー蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2027年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、当社グループが蓄電所の開発、所有及び維持管理を行い、20年間にわたり固定価格による施設使用権の付与を行うオフテイク契約を通じて、安定的に収益を得られる事業となっています。2027年度の運転開始を予定している本事業では、共同スポンサーであるSMFLみらいパートナーズ株式会社及びほか1社と「アールスリー蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しており、この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計36%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は75.0%となります。加えて、2025年11月28日には、島根県安来市において市場販売型蓄電事業で安来蓄電所(出力2MW/容量6.5MWh)の建設を開始し、2026年4月17日に運転を開始いたしました。本事業を通じて、当社自らが蓄電池の市場運用を直接担うことで蓄電池の最適運用知見を確立し、運営戦略の立案・実施機能を内製化及び高度化することで、今後運転・開発を予定している大規模な系統用蓄電事業における競争力を高め、長期的な収益の最大化を実現してまいります。さらに、2026年3月31日には、静岡県菊川市において菊川西村蓄電所(出力90MW/容量270MWh)の開発を進めるアールワン蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2028年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、国内最大規模の市場販売型蓄電事業であり、主に、「需給調整市場」及び「容量市場」での活用を予定しています。大規模化による事業費低減を通じたコスト競争力と、当社が内製化した最適運用知見を組み合わせることで、将来、蓄電所間の競争が激化する環境下においても持続的な収益確保と収益の最大化を実現いたします。2028年度の運転開始を予定している同事業では、共同スポンサーであるNCSアールイーキャピタル株式会社及びSMFLみらいパートナーズ株式会社と「アールワン蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しています。この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計40.0%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は80.0%となります。これにより、2026年3月現在、運転中及び建設着手済みの蓄電事業の設備容量は352MWに達しています。
また、RE100に取り組む企業や小売り電気事業者等との間でコーポレートPPA需要は拡大傾向にあり、当社の太陽光発電によるコーポレートPPAの契約設備容量は合計で206MWとなっています。2025年12月に、コーポレートPPA向けの小規模・分散型太陽光発電事業の更なる規模拡大を目指し、連結子会社である第一太陽光発電合同会社を通じて、PPA締結済み契約設備容量の206MWのうち約170MWを対象としたプロジェクト・ファイナンスを組成いたしました。本件を通じて、全国に分散する多数の発電所を複数のパートナーとともに開発・管理する仕組みの標準化やAIを活用した効率化、高品質な発電所と長期保有への信頼を背景としたPPAの獲得体制を構築したことにより、中期経営計画に掲げる2030年度の小規模・分散型太陽光事業0.9GW(運転中・建設中)の目標に向けた事業モデルが確立されました。今後は確立した事業モデルに基づき、完工・運営の体制を一段と強化し、事業成長を加速させてまいります。
さらに、電力需要の増加や企業の脱炭素化需要を背景に、昼夜問わず安定的な電力供給が可能なバイオマス発電所の重要性が増しています。当社が開発・保有するバイオマス発電所においても、FIT制度に基づく売電からコーポレートPPAへの切り替えを推進しています。コーポレートPPAにおいては、FIT価格に環境プレミアムを上乗せした価格での売電を実現しており、長期にわたり安定的な売上への貢献が見込まれます。2026年3月現在、バイオマス発電事業におけるコーポレートPPAの契約設備容量は、145.4MW(3発電所)となっています。
収益面においては、建設着工済み又は運転開始済みの発電所SPC(*8)からの定常的な運営管理報酬(*9)及び配当・匿名組合分配益(*10)を享受しています。
(*8)SPC:
特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、また、プロジェクト・ファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。
(*9)運営管理報酬:
発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等の業務に代表され、発電所の建設期間及び売電期間にわたり支払われる報酬です。なお子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。
(*10)配当・匿名組合分配益:
「再生可能エネルギー発電等事業」に属するSPCが株式会社ないし合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、また、これはセグメント間取引として「開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。
また、「再生可能エネルギー発電等事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「開発・運営事業」の収益に反映されます。なお、これら「開発・運営事業」の収益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。
これらの結果を受けた、当連結会計年度における経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.EBITDA=売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益+その他の収益・費用
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響
2.EBITDAマージン=EBITDA/売上収益
3.EBITDAはNon-GAAP指標です。
4.前第4四半期連結会計期間より、合同会社御前崎港バイオマスエナジーが運転を開始しました。
5.当第2四半期連結会計期間より、合同会社唐津バイオマスエナジーが運転を開始しました。
セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高等を含めて表示しています。また、セグメント利益は、EBITDAにて表示しています。再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の償却費の割合が大きい傾向にあります。当社グループでは、一過性の償却費負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指すべく、株式価値の向上に努めています。そのため、業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
(報告セグメントごとの売上収益)
(単位:百万円)
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(報告セグメントごとの利益又は損失)
(単位:百万円)
(注)セグメント利益は、売上収益から燃料費、外注費、人件費を差し引き、持分法による投資損益、並びにその他の収益・費用を加算したEBITDA(Non-GAAP指標)にて表示しています。
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額
が消去された影響
当社グループでは、資本効率を向上させながら再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期の借入れを活用しています。また、財務健全性を適切にモニタリングする観点から、保有する資産の実態的な価値を把握するほか、資本比率や親会社所有者帰属持分比率、純有利子負債とEBITDAの倍率(純有利子負債/EBITDA倍率)等の指標を重視しています。
連結子会社及び関連会社が保有する為替予約の公正価値変動を主要因とするその他の資本の構成要素の増加等により当連結会計年度末の資本比率は30.4%(前連結会計年度末は25.2%)、親会社所有者帰属持分比率は20.1%(前連結会計年度末は16.8%)となりました。また、純有利子負債/EBITDA倍率(純有利子負債と直近の12ヶ月間に計上したEBITDAの倍率。なお、純有利子負債は、借入金及び社債、リース負債、並びにその他の金融負債に含まれる金融負債の合計から、現金及び現金同等物並びに引出制限付預金を差し引いた金額と定義)は、当連結会計年度末において8.4倍(前連結会計年度末は10.5倍)となりました。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ81,413百万円増加し、611,464百万円となりました。
主な増減要因は、連結子会社が保有する為替予約の公正価値変動等によるその他の金融資産(非流動)の増加(+79,862百万円)、及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による有形固定資産の増加(+7,243百万円)です。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ28,957百万円増加し、425,584百万円となりました。
主な増減要因は、主に連結子会社における繰延税金負債の増加(+22,692百万円)及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による社債及び借入金(非流動)の増加(+14,260百万円)です。
(資本の部)
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ52,455百万円増加し、185,879百万円となりました。
主な増減要因は、連結子会社及び関連会社が保有する金利スワップ及び為替予約の公正価値変動によるその他の資本の構成要素の増加(+30,263百万円)、唐津バイオマス発電所の新規連結及び連結子会社保有の為替予約の公正価値変動等による非支配持分の増加(+18,711百万円)です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して846百万円減少し、23,081百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、28,273百万円の収入(前年同期は31,499百万円の収入)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における売電先からの売電収入です。主なキャッシュ・アウト・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における発電設備の維持管理費用、事業用地の賃借料、各種税金、バイオマス燃料の仕入及び「開発・運営事業」における開発支出(人件費等を含む)です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、11,715百万円の支出(前年同期は16,498百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、建設立替金の回収による収入1,589百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、主にバイオマス発電所及び第一太陽光発電合同会社における有形固定資産の取得による支出5,416百万円、契約履行コストの取得による支出4,037百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、17,438百万円の支出(前年同期は8,285百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、主に当社及び第一太陽光合同会社における長期借入れの実行による収入33,129百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、長期借入金の返済による支出43,939百万円及び社債の償還による支出6,997百万円です。
当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所を開発し、所有・運営しています。当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電、地熱発電等の複数種別電源(マルチ電源)の発電事業と蓄電所を開発及び運営する経営方針です。当社グループは、2026年3月末時点において、大規模太陽光発電に関しては連結子会社12社及びその他の出資先1社、小規模・分散型太陽光発電に関しては連結子会社2社、バイオマス発電に関しては連結子会社7社、陸上風力発電に関しては持分法適用会社3社及びその他の出資先1社、地熱発電に関しては持分法適用会社1社、蓄電所に関しては持分法適用会社1社にて発電・売電及び環境価値の販売を行っています。また、運転開始に向け建設工事を行っている発電所は、陸上風力に関しては1社、小規模・分散型太陽光発電による太陽光発電に関しては2社、蓄電所に関しては3社(5蓄電所及び、当社が直接保有する1蓄電所)、水力発電に関しては1社です。小規模・分散型太陽光発電による太陽光発電においては、一部の発電所で順次運転を開始しており、事業の拡大に向けて、引き続き発電所の建設を行っています。
当社グループにおける業績予想の立案に際しては、関連政策、FIT等に基づく買取価格、売電契約、法規制等を含む再生可能エネルギー及び蓄電池市場全般の動向を総合的に勘案しています。また、運転開始済みの再生可能エネルギー発電所における売電見通し、既存の発電所における運営管理報酬及び発電所を所有することに伴う収益、開発事業の進捗に伴う開発報酬が見込まれる場合にはその収益も勘案しています。
これらを踏まえ、2027年3月期における当社グループ連結ベースの売上収益は95,700百万円、EBITDAは33,800百万円、営業利益は11,300百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,400百万円を見込んでいます。
以下、セグメント別の2027年3月期業績予想の前提です。
【再生可能エネルギー発電等事業】
一般投資、及び持分法も含めた当社グループにおける運転中の太陽光発電所、陸上風力発電所、バイオマス発電所、地熱発電所及び蓄電所の出力は、順調に増加しています。2026年3月期末における運転中の発電所及び蓄電所合計出力は約1,228.7MWですが、2027年3月期末には約1,289.7MWとなる見通しです。これは、小規模・分散型太陽光発電所(小規模分散の発電所合計出力約59MW)の運転開始が見込まれるためです。安来蓄電所(出力2MW)は2026年4月に運転を開始いたしました。
(太陽光発電)
太陽光発電事業については、小規模・分散型太陽光発電所が順次運転を開始し連結業績に寄与する見込みです。この結果、2027年3月期末における運転中の太陽光発電所は、合計約534.6MWを見込んでいます。各発電所の事業計画作成にあたっては、第三者機関の作成した発電量レポート及び実績に基づいた発電量予測値に加え、第三者機関の予測、及び一般送配電事業者の停電計画等に基づく出力抑制による影響も見込んでいます。太陽光発電所における主な運転費用は、保守・運営費用、土地賃料、固定資産税及び電力費等です。これらの大部分は金額が各種契約において規定されており、変動費も設備の仕様と過去実績により高い確度での予測が可能です。また、再生可能エネルギー発電所は多額の設備投資を要するため、長期にわたり減価償却費を計上します。このように、個別の太陽光発電所の収益、運転費用及び減価償却費は予見性が高いものです。2027年3月期業績予想の立案に際しても、各発電所における個別の事業計画を積み上げて策定しています。
(バイオマス発電)
2026年3月末における当社の運転中バイオマス発電所は全7ヵ所、合計設備容量は約445.1MWの体制となりました。2027年3月期においても、これら全7ヵ所の発電所が継続して安定稼働することで、当社の連結業績に大きく寄与していく見込みです。
なお、バイオマス発電事業における主な運転費用は燃料費です。ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」)は、主燃料である国内未利用材について、長期契約を締結しています。URE以外のバイオマス発電所においては、輸入木質ペレット及びPKS材を主燃料としています。当該燃料については、供給会社との間で複数年にわたる供給契約を締結する等により、収益の安定化・平準化を図っていますが、一部の燃料はスポットでの調達を計画しています。そのため、燃料の市場価格の変動が当社連結業績に影響を与える可能性があります。また、運転を開始しているいずれの発電所も定期的な設備のメンテナンスを行いながら運転を続けており、通常は定期修繕を毎年1回もしくは2回行う予定です。
(陸上風力発電)
風力発電事業については、ベトナム社会主義共和国クアンチ省のクアンチ風力事業(3事業合計の出力144.0MW)が当社連結グループの業績に通期で寄与する見込みです。クアンチ風力事業に対する当社の持分比率は40%であるため、持分法による投資損益として当社グループの連結業績に寄与することが見込まれます。なお、事業計画を策定する上で重要な風況等の主要な前提条件については、第三者機関作成のレポート又は実績等に基づき検証を行っていますが、実際の収益は変動する可能性があります。
(地熱発電)
地熱発電事業については、株式会社南阿蘇湯の谷地熱(出力2.0MW)が通期で当社グループの業績に寄与する見込みです。同社に対する当社の持分比率は30%であるため、持分法による投資損益として当社グループの連結業績に寄与することが見込まれます。
(蓄電池)
蓄電事業については、姫路蓄電池匿名組合事業(出力15.0MW)が通期で当社グループの業績に寄与する見込みです。同社に対する当社の持分比率は22%であるため、持分法による投資損益として当社グループの連結業績に寄与することが見込まれます。また、安来蓄電所(出力2.0MW)は2026年4月に運転開始しており、当社グループの連結業績に寄与することが見込まれます。
これらの結果、合同会社唐津バイオマスエナジー、姫路蓄電池匿名組合事業の通年寄与に加え、安来蓄電所(出力2MW)の運転開始、さらに小規模・分散型太陽光発電所の順次運転開始に伴う連結業績寄与を主因として、2027年3月期の「再生可能エネルギー発電等事業」における売上収益は94,700百万円、EBITDAは37,600百万円、営業利益は14,900百万円を見込んでいます。
【開発・運営事業及び連結消去】
当社及び当社の連結子会社である株式会社レノバ・アセット・マネジメント(以下、「RAM」という)は、当社グループの再生可能エネルギー発電所及び蓄電所に係る運営管理業務を行っており、運営管理報酬を各SPCから受領しています。当該運営管理報酬の金額は各SPCとの契約により規定されています。2027年3月期の業績予想の立案に際しては、当社及びRAMが計上する予定の運営管理報酬を積み上げています。また、当社の事業開発部門における開発事業の進捗に伴い開発報酬等が見込まれる場合には、その収益も業績予想に織り込んでいます。
本セグメントにおける営業費用は、主に当社の事業開発部門における開発投資(人件費、外注費等を含む)により構成されています。2027年3月期の見通しは、当社の事業開発部門の人員計画、外注計画及び共通費の計画等に基づき策定しています。引き続き国内外での太陽光発電、陸上風力発電等の複数種類電源(マルチ電源)の発電所開発及び蓄電所開発の推進に向け、積極的な投資を行っていきます。
これらを主因として、2027年3月期の「開発・運営事業」における売上収益は5,400百万円、EBITDAは2,000百万円、営業利益は1,900百万円を見込んでいます。また、連結消去は、売上収益△4,400百万円、EBITDA△5,800百万円、営業利益△5,500百万円を見込んでいます。
以上を踏まえ、2027年3月期のセグメント別の業績予想及び連結業績予想は下記のとおりです。
【2027年3月期 セグメント別連結業績予想(IFRS)】(単位:百万円)
ただし、事業開発における事業の初期検討段階においては、事業性が見込めないか又は事業開発が困難となる事象・状況がある場合には、当該案件の開発の撤退に係る損失を計上するリスクがあります。これは、事業開発を行う際に一定程度の確率で発生する、開発コストの一環と考えています。
また、再生可能エネルギー発電等事業においては、出力抑制、地震及び大雨、台風及び雪等の気象現象に対する一定のバッファを見込んでいます。
2027年3月期の業績見通しについては2026年4月末現在の市場環境(社会状況、経済環境及び金融市場等を含む)を前提として作成していますが、今後、市場環境が悪化する場合、業績予想を変更する可能性があります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、財務情報の国際的な比較可能性を高めること等を目的として、2021年3月期末決算より、国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しています。
該当事項はありません。
当社グループが、当連結会計年度より適用している基準書は以下のとおりです。
上記基準書の適用により、当連結会計年度における連結財政状態計算書において、非流動負債のその他の金融負債が1,528百万円増加し、繰延税金資産が58百万円増加し、その他の資本の構成要素が1,470百万円減少しています。また、当連結会計年度における連結包括利益計算書において、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分が1,470百万円減少しています。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎として決定されています。当社グループは太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電といった再生可能エネルギー発電所と蓄電所を操業することで売電事業及び蓄電事業を展開する「再生可能エネルギー発電等事業」と新たな再生可能エネルギー発電所と蓄電所の設立・開発・開業に至るまでの支援・開業後の運営支援を行う「開発・運営事業」を展開しています。
(2) 報告セグメントごとの売上収益、セグメント利益、資産その他の項目の金額に関する情報
報告セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される当社グループの会計方針と同一です。報告セグメントの利益は、売上収益から燃料費、外注費、人件費を差し引き、持分法による投資損益、並びにその他の収益・費用を加算したEBITDA(Non-GAAP指標)にて表示しています。なお、燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、当社が企業結合したバイオマス発電事業SPCが保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響額を調整しています。
当社グループでは資産管理について「再生可能エネルギー発電等事業」と「開発・運営事業」ともに同様の管理を行っているため、報告セグメント毎の分割をせず、一体で管理しています。そのため、資産の報告セグメント情報の記載を省略しています。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)1.セグメント利益の調整額△4,052百万円には、セグメント間取引消去が含まれています。
2.セグメント間の売上収益は実勢価格に基づいています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.セグメント利益の調整額△5,232百万円には、セグメント間取引消去が含まれています。
2.セグメント間の売上収益は実勢価格に基づいています。
3.「開発・運営事業」セグメントの「セグメント間の売上収益」及び「調整額」の一部取引は、セグメントへの資源配分の意思決定及びセグメントの業績評価の目的で最高経営意思決定者に報告される測定値である純額にて表示しています。
(3) 地域に関する情報
本邦以外の外部顧客への売上収益がないため、該当事項はありません。
② 非流動資産
本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の金額の大半を占めるため、記載を省略しています。
(4) 主要な顧客に関する情報
連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は次のとおりです。
(注) 役員等向け株式交付信託制度により、日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式は、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上、期中平均普通株式数の計算において控除する自己株式に含めています。控除した当該自己株式の期中平均株式数は、前連結会計年度において645千株、当連結会計年度において827千株です。
該当事項はありません。