1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………6
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………6
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………7
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………8
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………8
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………10
(連結損益計算書) ………………………………………………………………………………………………10
(連結包括利益計算書) …………………………………………………………………………………………11
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………12
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………14
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………15
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………15
(セグメント情報等の注記) ……………………………………………………………………………………15
(1株当たり情報の注記) ………………………………………………………………………………………19
(重要な後発事象の注記) ………………………………………………………………………………………19
売上高は1,272億95百万円(前期比10.3%減)、営業利益は134億39百万円(前期比21.4%減)、経常利益は168億85百万円(前期比2.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は153億91百万円(前期比16.2%減)となりました。
各セグメント別の状況は次の通りです。
大型原油タンカー市況は、秋口以降活発であった大西洋域での荷動きの鈍化を受けて軟化した後、米国及びイスラエルによるイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡の事実上の封鎖により急騰するも、実勢を捉えにくい混乱局面となりました。当社においては、支配船腹を長期契約に継続投入し、安定収入確保に努めましたが、一部の船舶においては入渠により稼働日数が減少しました。
ケミカルタンカー市況は、中国経済の低迷をはじめとする世界経済の不透明さにより、前期と比べ軟化しましたが、期末にかけてのホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響により急騰しました。当社においては、基幹航路である中東域から欧州及びアジア向けをはじめとする数量輸送契約に加え、米国出しのスポット貨物を積極的に取り込む等、採算確保に努めましたが、市況軟化と期末にかけてのホルムズ海峡の事実上の封鎖による中東域への配船制限の影響を受けました。
大型LPG船市況は、米中関税摩擦等による不透明感から一時弱含んだものの総じて高い水準で推移し、ホルムズ海峡の事実上の封鎖後は、米国からアジア各国への長距離航海増加が船腹需給を引き締めたことにより、一段と強含みました。当社においては、既存の中長期契約を中心に安定収益を確保したことに加え、一部の船舶が好調な市況の恩恵を受けました。また、2026年1月には当社2隻目となる大型エタン船が竣工しました。
ドライバルク船市況は、期初は軟調に推移するも、穀物の順調な海上荷動きに加え、石炭及びその他ばら積み貨物の底堅い輸送需要もあり、夏場以降は総じて堅調に推移しました。当社においては、専用船は順調に稼働し安定収益確保に貢献しました。パナマックス型及びハンディ型を中心とする不定期船隊でも効率配船に努め、収益を確保しました。また、新たに基幹船隊に加わったパナマックス型及びハンディ型各1隻が収益に貢献しました。
以上の結果、外航海運業の売上高は1,024億64百万円(前期比12.8%減)、営業利益は87億86百万円(前期比33.4%減)となりました。
内航ガス輸送の市況は、慢性的な内需の低迷から荷動きは総じて低調に推移しましたが、新造船供給等が限定的であったことから船腹需給は引き締まり、前期並みの水準を維持しました。当社においては、安定収益確保に努めたものの、運航船の入渠が重なった影響を受けました。
近海ガス輸送の市況は、中国経済の減速に伴う輸送需要の低迷により低調に推移したことに加え、ホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴うアジア各国のプラントの生産停止や減産の影響を受けました。当社においては、既存の中長期契約に基づき安定して稼働し、収益を確保しました。
以上の結果、内航・近海海運業の売上高は107億64百万円(前期比5.1%減)、営業利益は3億3百万円(前期比33.3%減)となりました。
東京都心のオフィスビル賃貸市況は、新築大型ビルへの集約移転や利用面積の拡張等の需要により、空室率が低下傾向となり、堅調に推移しました。当社所有ビルにおいては、オフィスフロアは順調な稼働を継続したことに加え、堅調な賃貸市況下での契約更改が収益拡大に貢献しました。商業フロアは入居率が高まり、飲食テナントを中心に売上が回復傾向となりました。
英国ロンドンのオフィスビル賃貸市場においては、空室率の低下や高グレードな物件への需要に支えられ賃料水準は堅調に推移しました。当社所有ビルにおいては、オフィスの高グレード化に向けた長期改修工事中の物件を除いて、総じて安定的に稼働しました。
イイノホール&カンファレンスセンターにおいては、文化系やビジネス系を中心とした堅調な催事需要に支えられ、安定的な稼働を維持しました。
不動産関連事業のスタジオ事業を運営する㈱イイノ・メディアプロにおいては、広告系やエンターテイメント系を中心とした案件を順調に受注し、安定収益を確保しました。
以上の結果、不動産業の売上高は141億80百万円(前期比8.2%増)、営業利益は43億50百万円(前期比25.7%増)となりました。
今後の世界経済は、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの継続等により、不透明感の高い状況が続くと予想されます。
米国では、中東情勢悪化を背景とした景気の不透明感や原油価格の上昇、通商政策を巡る不確実性等が個人消費や設備投資の下振れ要因として注視が必要な状況が続くものと考えられます。
欧州では、景気の底割れは回避されるものの、エネルギー価格や通商環境を巡る不確実性等から、景気回復のペースは鈍化すると予想されます。
中国では、不動産市場の低迷や個人消費の伸び悩み等から景気回復の力強さを欠いており、今後も緩やかな成長にとどまる見通しです。
我が国の経済は、雇用・所得環境の改善等から緩やかな回復が期待されるものの、中東情勢悪化によるエネルギーや石化原料の調達を巡る不透明感が景気の下振れリスクとして懸念されます。
本開示時点において、ホルムズ海峡は事実上の封鎖が継続しており、中東地域との海上輸送に制約が生じているため、業績の見通しを算定することが困難な状況にあります。このような状況下、次期の業績予想は、2026年6月中にホルムズ海峡の往来が再開され、その後2ヶ月程度をかけて中東地域との海上輸送が概ね従来の水準に回復することを前提として策定しております。
また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、第1四半期において、大型原油タンカー1隻の譲渡に伴う固定資産売却益(特別利益)の計上を予定しております。
以上を踏まえた次期の連結業績予想は、以下の通りです。なお、今後の国際情勢の推移等により業績の見通しが大きく変動する可能性があるため、見直しが必要と判断した場合には、速やかに開示いたします。
<見通しの前提>
為替レート 150円/US$
船舶燃料油価格 上期US$670/MT、下期US$570/MT
[油種:適合燃料油(Very Low Sulfur Fuel Oil) 補油地:シンガポール]
当社グループは、2026年4月から開始する5年間のグループ中期経営計画 「Transformation for a Sustainable Future」 (計画期間:2026年4月~2031年3月、以下「本計画」という)を策定しました。
<新中期経営計画「Transformation for a Sustainable Future」における重点戦略>
本計画は、構造変化や将来環境に関する不確実性が高まる中、短期的な課題対応に加え、長期視点の成長戦略の重要性が一層増大していることを踏まえ、2050年長期ビジョン及び2035年中期ビジョンからバックキャストし、その実現に向けた最初の5年間の計画として策定しました。前計画がSustainable Futureに向けた「挑戦・冒険」であったのに対し、本計画では、Sustainable Futureを実現するために、資本効率と成長投資を両立する「変革」をテーマに掲げ、更に進化していくという意志を、「Transformation」という計画名に込めています。
本計画の重点戦略として、事業戦略、財務資本戦略及び脱炭素化戦略の3つの戦略を軸に、諸施策を実行していきます。具体的には、前計画で強化された財務基盤のもと、5年間で約2,000億円の投資を、主に成長・新規事業及び主力事業へ配分し、事業ポートフォリオのリバランスを進めます。成長投資の実行に当たっては、財務規律を守りつつ、保有不動産の価値も考慮した財務レバレッジの活用により、資本コストを上回る成長投資と資本効率の両立を目指します。加えて、この成長投資から創出される利益を原資に、配当性向40%を基準とした配当の継続を基本としつつ、新たに下限配当の導入や、機動的な自己株式の取得を実施し、株主還元をより一層充実させていきます。
また、重点戦略を支える事業基盤戦略の取組みとして、人的資本経営の推進や、適切なガバナンス体制の深度化等を進めていきます。その一環として、経営戦略の策定から実行、資本市場との対話までを一体的に強化するため、管理部門の組織体制を変更します。本組織変更により、事業戦略及び財務資本戦略と、資本市場との対話を有機的に結び付け、戦略の実効性と社内外へのメッセージの一貫性を高めていきます。
「Transformation for a Sustainable Future」の詳細については、当社グループホームページに掲載しております。
<https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00371/5f112f1f/bad6/4d3a/8a65/71fffc7cace7/20260430154936543s.pdf>
当期末の総資産残高は前期末に比べ402億53百万円増加し、3,466億84百万円となりました。これは主に船舶の竣工に伴う固定資産の増加によるものです。
負債残高は前期末に比べ276億8百万円増加し、1,883億94百万円となりました。これは主に船舶の竣工に伴う設備資金の借入によるものです。
純資産残高は前期末に比べ126億45百万円増加し、1,582億90百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加によるものです。
以上の結果、当期末の連結自己資本比率は45.6%(前期末は47.5%)となりました。
当期の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、298億58百万円のプラス(前期は307億29百万円のプラス)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益180億10百万円と減価償却費135億42百万円によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は421億16百万円のマイナス(前期は307億86百万円のマイナス)となりました。これは主に船舶への設備投資を中心とした固定資産の取得による支出640億5百万円によるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は143億10百万円のプラス(前期は83億25百万円のマイナス)となりました。これは主に長期借入れによる収入492億70百万円が長期借入金の返済による支出245億18百万円を上回ったことによるものです。
以上の結果、「現金及び現金同等物の当期末残高」は140億50百万円(前期末は115億93百万円)となりました。
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つと位置付けております。新中期経営計画に基づき、成長投資により創出される利益を原資に、将来の投資余力及び財務健全性を勘案しつつ、安定性・予見性・機動性を備えた株主還元の実現を基本方針としております。具体的には、通期業績に対する配当性向40%を基準とした配当の継続を基本としつつ、市況変動の大きい海運業において、配当の安定性と予見性を高めるため、新たに1株当たり30円の下限配当を導入いたします。また、自己株式の取得についても財務規律を踏まえつつ機動的に実施し、総合的な株主還元の充実を図ってまいります。
当期の配当につきましては、中間配当金は1株当たり24円としました。期末配当金は、直近の配当予想(2026年2月5日発表)では1株当たり31円としておりましたが、当期の業績が直近の業績予想(2026年2月5日発表)から上振れたことを受けて、配当性向40%に基づき1株当たり4円増額の35円とし、年間で1株当たり59円の配当を実施させていただく見込みです。
次期の配当につきましては、現時点の業績見通しと前述の基本方針に基づき、中間配当金を1株当たり23円、期末配当金を1株当たり23円とし、合計46円の年間配当金を予定しております。
なお、配当回数の変更等については、現時点では予定しておりません。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務諸表を作成する方針であります。
なお、IFRS(国際会計基準)の適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、海運業と不動産業を軸に事業活動を展開しており、更に海運業は外航海運業と内航・近海海運業の2つの事業活動を展開しております。
当社グループの事業活動は、経済的特徴を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「外航海運業」、「内航・近海海運業」及び「不動産業」の3つを報告セグメントとしております。
「外航海運業」は、全世界にわたる水域で原油、石油化学製品、液化石油ガス(LPG)、エタン、発電用石炭、肥料、木材チップ等の海上輸送を行っております。「内航・近海海運業」は、国内、近海を中心とした水域で液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、石油化学ガス、アンモニア等の海上輸送を行っております。「不動産業」は、国内外の賃貸オフィスビルの所有、運営、管理、メンテナンス及びフォトスタジオを中心とした不動産関連事業を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、前連結会計年度の有価証券報告書の連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
「外航海運業」及び「内航・近海海運業」に計上している売上高は、主に顧客との契約から生じる収益であり、その他の収益に重要性はありません。「不動産業」に計上している売上高は、主にリース取引であり、顧客との契約から生じる収益以外の収益です。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現預金)及び長期投資資金(投資有価証券)であります。
(注) 減価償却費の調整額は、営業外費用に含まれている減価償却費の計上額であります。また、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産に係る有形固定資産及び無形固定資産の取得価額であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現預金)及び長期投資資金(投資有価証券)であります。
(注) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産に係る有形固定資産及び無形固定資産の取得価額であります。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
該当事項はありません。
(注) 算定上の基礎は以下の通りであります。
1 1株当たり純資産額
2 1株当たり当期純利益金額
当社は2026年3月6日開催の取締役会において、当社の連結子会社が保有する大型原油タンカー1隻の売却を決議いたしました。
これに伴い、2027年3月期第1四半期連結会計期間におきまして約71億円を固定資産売却益(特別利益)として計上する予定です。