1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績・財政状態の概況 ………………………………………………………………………2
(2)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………4
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………4
2.経営方針 …………………………………………………………………………………………………………5
(1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………………5
(2)経営環境 ……………………………………………………………………………………………………5
(3)経営目標 ……………………………………………………………………………………………………6
(4)中長期的な会社の経営戦略 ………………………………………………………………………………6
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 …………………………………………………………6
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………8
4.財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………9
(1)貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………9
(2)損益計算書 …………………………………………………………………………………………………12
(3)株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………………………13
(4)キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………15
(5)財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………16
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………16
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………16
(持分法損益等) …………………………………………………………………………………………………16
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………16
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………16
1.経営成績等の概況
①経営成績の概況及び分析
当事業年度の国内株式市場は、期首に35,900円台で取引を開始した日経平均株価が、米関税政策による世界的な景気後退リスクから、4月7日に31,100円台まで急落しました。その後は、貿易摩擦による世界景気悪化懸念の後退、イスラエル・イランの軍事衝突終結による中東情勢の鎮静化や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待などを受け、株価は堅調に推移しました。9月以降は、石破首相辞任に伴う次期政権への期待感や高市首相就任を受けたより積極的な財政・金融政策への期待の高まりから株価は上昇し、10月末には史上初の50,000円を突破しました。
その後は急騰の反動や日中関係の緊張化などから50,000円を割り込む場面もありましたが、1月以降は衆院解散観測を受けた積極財政への期待感、衆院選での自民党の歴史的な圧勝や、日銀の早期の利上げ観測が後退したことなどから、2月末に株価は史上最高値となる58,583円を付けました。3月は、米国・イスラエルのイラン攻撃による中東情勢の緊迫化、原油価格の高騰、停戦に向けた思惑から値動きの激しい相場となりました。月間の下げ幅としては過去最大を記録し、3月末の日経平均株価は51,063円で取引を終えました。
このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前事業年度と比較して32%増加しました。当社の主たる顧客層である個人投資家については、堅調な株価推移を背景に日本株に対する期待感が盛り上がった局面と、大きく株価が動いた局面で取引が拡大し、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は同37%増加となりました。なお、二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は前事業年度と同様の25%となりました。当社の株式等委託売買代金については同35%の増加となりました。
以上を背景に、営業収益は52,660百万円(同34.3%増)、純営業収益は49,087百万円(同32.2%増)と大幅な増加となりました。また、営業利益は23,462百万円(同50.1%増)、経常利益は23,813百万円(同55.7%増)、当期純利益は15,480百万円(同47.4%増)と大幅な増加となりました。
収益・費用の主な項目については以下の通りです。
受入手数料は25,963百万円(同30.0%増)となりました。そのうち、委託手数料は24,805百万円(同31.3%増)となりました。これは主として、株式等委託売買代金の増加によるものです。
トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により、5,819百万円(同55.1%増)の利益となりました。
(金融収支)
金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は17,306百万円(同29.0%増)となりました。これは主として、金利水準の上昇等を背景に預託金の収益分配金が増加したことによるものです。
販売費・一般管理費は、同19.2%増の25,625百万円となりました。これは主として、広告宣伝費の増加等により取引関係費が同25.1%の増加となったこと、事務委託費の増加により事務費が同19.0%の増加となったこと、人件費が同24.6%の増加となったことによるものです。
(特別利益)
フィッシング詐欺やマルウェア被害によるものとみられる顧客口座に対する不正アクセスに伴う不正取引について、対応に要した経費に対するサイバーセキュリティ保険金を、受取保険金として計上しております。
(特別損失)
不正取引による被害を受けた顧客への補償費用を、支払補償金として計上しております。
以上を背景に、当事業年度のROE(自己資本当期純利益率)は19.6%となりました。当社は、株主資本コスト(8%)を上回るROEを中長期的に達成することを経営目標としております。当事業年度のROEは、株式等委託売買代金の増加、預託金の収益分配金の増加、FX取引の拡大等を背景に、前事業年度の13.8%から上昇しました。今後も中長期的な資本効率の向上に努めてまいります。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主たる事業は、個人投資家向けの株式等委託売買業務であり、収入項目としては受入手数料、とりわけ株式等売買に関する委託手数料が当社の業績に重要な影響を及ぼします。また、主として信用取引に起因する金融収益についても当社の業績に重要な影響を及ぼす要因となります。しかしながら、その水準はともに株式市場の相場環境に大きく左右されます。
当社の主な資産は、顧客からの預り金や受入保証金等を信託銀行に預託した顧客分別金信託(預託金に含まれます)と、信用取引貸付金を中心とする信用取引資産です。一方、信用取引貸付金に充当することを目的として、短期借入金等による調達を行っております。当社の主な負債は、預り金、受入保証金及び短期借入金です。
当事業年度末の資産合計は、対前事業年度末比20.7%増の1,354,059百万円となりました。これは主として、預り金及び受入保証金等の増加に伴い預託金が同20.6%増の749,012百万円となったことや、信用取引貸付金が同27.1%増の423,617百万円となったことによるものです。
負債合計は、同21.7%増の1,271,712百万円となりました。これは主として、受入保証金が同31.9%増の369,701百万円となったこと、預り金が同17.3%増の426,780百万円となったことや、信用取引貸付金の増加に伴い信用取引借入金及び短期借入金の合計が同18.1%増の370,801百万円となったことによるものです。
純資産合計は、同7.5%増の82,347百万円となりました。当事業年度においては、2025年3月期期末配当金及び2026年3月期中間配当金計11,073百万円を計上する一方、当期純利益15,480百万円を計上しております。
④キャッシュ・フローの状況及び分析
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,468百万円のプラス(前事業年度は43,362百万円のマイナス)となりました。預り金及び受入保証金が増加したことに伴いキャッシュ・フローのプラスが生じた一方、預託金が増加したことに伴いキャッシュ・フローのマイナスが生じております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,317百万円のマイナス(前事業年度は4,373百万円のマイナス)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出が主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,880百万円のプラス(前事業年度は53,202百万円のプラス)となりました。これは、配当金の支払いがあった一方、短期借入金が純増加となったことが主な要因です。
以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、81,748百万円(前事業年度末は81,716百万円)となりました。
当社は、「ラインアップの充実」、「特色のあるサービスの提供」、「サービスクオリティの向上」を経営戦略として位置付けております。このため、各事業年度において、オンライン証券取引サービスを継続的に提供するとともに、各種新サービスの追加や取引システムの能力強化あるいは改良等に必要なシステム投資を中心とする設備投資を継続的に行っております。一方で、日々の業務運営に手元資金を必要とする他、主たる業務である信用取引貸付金の原資を必要としております。手元資金は、株式等委託売買や株券貸借取引等に伴う決済の他、顧客への出金等に対応するために十分な水準を確保しておりますが、日々の決済等の状況により、必ずしもその水準は一定しません。
当社が行う資金調達は、主として信用取引貸付金の原資に対応するものです。経常的な信用取引貸付金の増減については、銀行等金融機関からの短期借入金の増減を中心に対応しております。信用取引貸付金の水準が大きく増加する場合に備えて、社債による資金調達を機動的に行えるよう発行登録も行っておりますが、当事業年度末現在においては、信用取引貸付金と内部留保の水準を踏まえ、資金調達の大部分はコールマネーを含む短期借入金によっております。
なお、複数の金融機関と当座貸越契約やコミットメントライン契約を締結することで、資金調達の安全性を確保しております。
当社は、中長期的に株主資本コストを上回るROEを達成することを経営目標としており、株主還元は、株主資本コスト相当額以上を配当として実施する方針です。当事業年度末現在の株主資本コストは、資本資産評価モデルを参考に8%と想定していることから、経営目標として中長期的に8%を上回るROEを達成するとともに、配当政策として各期8%以上の純資産配当率(DOE)を実現することとしております。併せて、各期の配当性向については60%以上とすることとしております。株主還元の結果内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や設備投資資金等として有効に活用いたします。
なお、次期より株主利益還元策を変更しております。詳細は「(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」をご参照ください。
当社の経営戦略としましては、引き続き経営資源をオンラインベースの事業に集中し、今後も顧客満足度の向上に資する付加価値の高い商品・サービスの開発・提供に取り組み、顧客基盤の強化を図ります。また同時に、オンラインベースでの商品・サービスの拡充を積極的に進め、新たな顧客層の獲得にも注力します。
なお、当社の主たる事業である証券業の業績は、株式市場の動向に大きく左右され、業績予想を行うことが困難であるため、業績予想は開示しておりません。業績に重要な影響を及ぼす株式等委託売買代金等の主要な業務数値や、委託手数料収益等の主要な収益項目につきましては、月次で開示しております。
当社は、健全性と効率性が両立する適正な資本水準の維持、将来の成長に資する戦略的投資の実行、株主の期待に応える利益還元、の三つの財務命題の調和と、それによる企業価値拡大の追求を資本政策の主軸としております。当社の株主利益還元策については、業績に応じて毎期配当していくことを基本方針としており、その水準は、主たる業務である信用取引を支える最適な自己資本水準、戦略的な投資の環境等を総合的に勘案した上で、配当性向60%以上かつ純資産配当率(DOE)8%以上を基準に決定いたします。
当期は1株当たり25円の中間配当を実施しておりますので、1株当たり25円の期末配当(予定)を合わせた年間の予定配当金額は1株当たり50円です。その結果、配当性向は83.2%、DOEは16.3%となり、基本方針に沿った水準となる予定です。次期の配当は未定です。
なお、次期より株主利益還元策を変更しております。配当性向が基準である60%を大きく上回る状況が継続していることを踏まえ、株主還元を重視する当社の姿勢を明確にする観点から、基準を70%に引き上げることといたしました。あわせて、純資産配当率(DOE)については廃止し、基準を配当性向に集約することといたしました。
当社は、「お客様の豊かな人生をサポートする。」ことを企業理念(MISSION)とし、「個人投資家にとって価値のある金融商品・サービスを提供する。」ことを企業目標(VISION)としています。企業理念、企業目標を実現するうえでは、優位性のある顧客体験価値を提供することが何より重要だと考えています。
そこで、強固な財務基盤や安定した取引システムの提供、お客様に寄り添ったサポート体制など、金融機関としてお客様からの信頼に応えること、堅実な企業活動を維持し、発展させていくことが、「投資そのもの、および証券会社選びの安心感」につながると考え、当社の1つ目の提供価値であると定めています。加えて、投資自体が楽しくより身近で魅力的なものに、そしてお客様の人生における発見と成長につながる知的好奇心がわくような体験にしたいという思いから、投資についての多様な「アイデアの提供」を2つ目の提供価値としています。このような考えをコーポレートスローガン「投資をまじめに、おもしろく。」において示しています。
そして、コーポレートスローガンを体現するため、お客様からの信頼に応える「安定した取引環境」の提供、投資を始めるハードルを下げ、より多くのお客様へ発見と成長の機会を届ける「様々な顧客ニーズを満たす豊富な商品」、「トライアルバリアの低い商品・サービス」、「シンプルでわかりやすいサービス」の提供、さらに一歩先を行くオンライン証券を目指して、お客様それぞれのニーズに沿ったきめ細やかな対応を実現する「パーソナライズされたサービス」の提供に努めてまいります。
なお、当社は、経営資源をオンラインベースの事業に集中することで、効率的なオペレーション体制を維持してきました。オンライン中心のコミュニケーションの広がりを背景に、オンラインベースの事業の優位性は一層高まるものと考え、オンラインベースのビジネスモデルに集中する方針を堅持していきます。
日本国内における株式のオンライン取引サービスは、1998年に始まりました。それ以降、個人の株式等委託売買代金に占めるオンライン証券会社顧客の比率は年々上昇を続け、現在では9割を超えています。一方、個人の株式保有額に占めるオンライン証券会社顧客の割合は、未だ3割程度に留まっていますが、その比率は年々拡大しています。対面型の証券会社からオンライン証券会社への株式資産の流入は継続しており、今後も、オンライン証券会社を通じた個人株式等委託売買代金の拡大余地があるものと考えます。加えて、日本国内のインフレ定着を背景とした資産防衛を目的として、個人による株式、投資信託、不動産、金、外貨建て資産に対する投資への関心が高まっております。2024年に開始した新NISA制度を契機に、株式や投資信託への投資を新たに始める動きも広がっており、証券市場における個人投資家のすそ野はさらに拡大するものと見込まれます。この動きは、オンライン証券業界にとって追い風であると捉えております。
オンライン証券業界においては、個人の株式等委託売買代金は当社を含む大手オンライン証券会社5社(当社、SBI証券、楽天証券、三菱UFJ eスマート証券、マネックス証券)によって占められている他、各社シェアの順位にも大きな変動はなく、一定の均衡状態が続いていました。ところが、2023年にSBI証券、楽天証券の2社が株式売買委託手数料の無料化に踏みきったことにより、各社は、信用取引、FX(外国為替証拠金取引)、投資信託、ホールセール事業、資産運用業、暗号資産関連事業等への事業拡大に注力するなど、収益源の多様化を進めています。そのような中で、当社以外のオンライン証券会社は、いずれも1,000万人以上の顧客基盤を持つコングロマリットの傘下企業であり、グループ各社の顧客基盤と経営資源を相互に活用して事業の拡大、規模の拡大を目指していると推測されます。これは、顧客一人ひとりの資産規模や取引規模は小さいながらも、数多くの顧客にアプローチすることで収益をあげるという、ロングテールのビジネスモデルを目指すものと考えられます。一方で、当社は大手オンライン証券5社では唯一の独立系企業であり、投資を楽しみ、投資に能動的に取り組んでいるお客様をコアのターゲット顧客として事業を推進しております。コアのターゲット顧客を効率的に獲得すること、そしてそのようなお客様のニーズを充足する商品やサービスに注力することが、競合他社との差別化を図り、業界における独自のポジショニングを確立し、プレゼンスを高めていくための唯一の方法だと考えています。このように、一部競合他社の手数料無料化を契機に、収益構造の見直し、収益源の多様化が業界共通のテーマとして顕在化し、その結果として、オンライン証券会社各社のビジネスモデル、および重点的に取り組む分野の違いも鮮明化してきたものと考えます。
当社は、企業目標を達成するために以下の経営目標を定めております。
① 付加価値の高いサービスを提供し、価値に見合う適正な対価を得る。
② 経営資源を有効活用し、利益及び株主価値の向上を目指す。
③ 株主資本コスト(現状8%)を上回るROEを達成する。
当事業年度のROEは19.6%となり、株式等委託売買代金の増加、預託金の収益分配金の増加、FX取引の拡大等を背景に、前事業年度の13.8%から上昇しました。引き続き、上記の目標値を達成しており、今後も中長期的な資本効率の向上に努めます。
当社は、経営目標を達成するための経営戦略として以下5点を定め、その実現に向けて取り組んでおります。
① 大手オンライン証券会社として認知される「強いブランドの構築」
② オンライン証券会社として備えるべき金融商品・サービスの「ラインアップの充実」、独自性を意識した 「特色のあるサービスの提供」
③ 優位性のある顧客体験価値を提供し続ける「サービスクオリティの向上」
④ 中長期的な成長機会の創出に向けた「新規事業の探索・事業の多角化」
⑤ これらの事業・サービスの提供を支えるための基盤となる「多様性のある自律的な組織の実現」
以上に記載の経営の基本方針および経営目標を踏まえて中長期的経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
(a)強いブランドの構築
当社は、「金融機関としての信頼性」と「知的エンターテインメント性」を両立した事業展開を推進することが、強いブランドの構築に資するものと考えています。「金融機関としての信頼性」を向上する点については、お客様から安心して取引できる金融機関として認知されるため、強固な財務基盤や安定した取引システムの提供、金融機関としての信頼性の維持・向上に資するコンプライアンス体制の強化、お客様に寄り添ったサポート体制など、堅実な企業活動の維持・発展に努めております。なお、「金融機関としての信頼性」は、認知度によって確立される面があり、長期的な顧客基盤の維持・拡大のために、継続的に認知度の強化に取り組んでまいります。
当事業年度においては、俳優の広瀬アリスさんを起用した新CMを全国で放映したほか、プロeスポーツチーム「FENNEL」とスポンサー契約を締結するなど、認知度向上に向けた取り組みを強化しました。また、当社のYouTube公式チャンネルの登録者数は79万人を突破し、総再生回数は1.8億回を超え、金融機関が運営するメディアでNo.1のブランドを確立し、認知度向上にも大いに貢献しております。
一方の「知的エンターテインメント性」を推進する点については、商品・サービスの開発、マーケティング活動、投資情報の提供、コールセンターにおけるサポートなどを通じて取り組んでまいります。
当事業年度においては、引き続き投資の「おもしろさ」を伝える動画コンテンツを多数公開しております。人気の「資産運用!学べるラブリー」においてはシリーズ初のLIVE配信を実施したほか、様々な分野の有識者同士の対話を通じて投資のヒントを提供する「MATSUI DIALOG」など、継続して新たなコンテンツを提供しました。また、投資情報メディア「マネーサテライト」をリニューアルし、従来の動画によるマーケット情報の解説に加え、テキスト形式による解説記事の配信を開始するなど、投資家のニーズに合わせた情報発信の拡充を行い、顧客にとって発見や成長につながる多様なアイデアの提供に努めました。これらの動画をきっかけに、松井証券を知り、投資に興味を持つ方が増えており、強いブランドの構築に寄与しています。
その他、個人投資家に人気のあるIPO銘柄においては、ベンチャーキャピタルとの連携を強化して引受件数の向上に努めた結果、引受参入率は69%となり、IPO銘柄の取り扱い数において、業界2位となりました。
(b)ラインアップの充実、特色のあるサービスの提供
お客様に選ばれるオンライン証券会社になるためには、年齢・志向・資産状況などが異なる個人投資家の多様なニーズに応える金融商品・サービスを提供していくことが欠かせません。当社の新規口座開設者の4割以上が30代以下の投資初心者層であることを考えると、金融商品・サービスの多様化によって投資への入り口をより広げるとともに、標準的な金融商品・サービスを取り揃え、お客様が証券会社を検討する際の「非選択理由」をなくす必要があります。
当事業年度においては、株式会社ジェーシービーとの協業による「クレジットカードによる投資信託積立サービス」を開始しました。また、証券取引を快適にする銀行サービス「MATSUI Bank」について、近年の金利上昇を背景に、お客様の待機資金により高い収益機会を提供すべく、「証券残高連動 円普通預金ランク別金利プログラム」を導入し、最高で年0.65%という業界最高水準の金利を実現しました。FXビジネスでは、自動売買に適した「ノルウェー/スウェーデン」を含む10通貨ペアの取り扱いを開始することで合計32通貨ペアの取引が可能となり、取引の選択肢を拡充しました。
(c)サービスクオリティの向上
オンライン証券各社が提供する金融商品には大きな差がないため、サービス水準を充実することや利便性の高い取引・情報ツールを継続的に提供していくことなど、優位性のある顧客体験価値を提供することによって、お客様にとって価値の高い証券会社と認識していただけるものと考えております。また、オンライン証券という業態ではあるものの、お客様からの問い合わせや相談事について、ヒューマンタッチなコミュニケーションの機会を提供することも、顧客体験価値の向上につながると考えています。
当事業年度においては、株式ビジネスにおいて、投資をアクティブに行うお客様から好評をいただいている「東証売買内訳データ」をもとにした分析機能をアプリだけでなくPCでも利用可能とし、利便性の向上を図りました。FXビジネスでは、コアタイム制導入による米ドル円のスプレッド縮小や人気通貨のスプレッド縮小など、取引条件の改善に加え、アプリの継続的な機能改善に取り組みました。米国株ビジネスでは、プレマーケット取引への対応と投資情報ツール「マーケットラボ米国株」の提供を開始し、より快適な取引環境を実現しました。
顧客サポートにおいては、コールセンターのキャパシティ拡大を通じて、いつでも電話が繋がる受電体制の構築に努めました。セキュリティ強化を目的とした多要素認証の必須化により、一時的に応答率が低下した際には、速やかなオペレータの増員や、休日受付・受付時間拡大により、高水準の顧客対応品質を確保しました。また、「株の取引相談窓口」では、お客様一人ひとりのご希望や投資スタイルに寄り添い、銘柄探しや取引タイミング等の意思決定をサポートし、快適にお取引いただけるサービスを提供しました。その結果、第三者評価機関であるHDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する「2025年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において、最高評価の「三つ星」を15年連続で獲得しているほか、J.D.パワージャパンが実施する「J.D.パワー 2025年カスタマーセンターサポート満足度調査SM<金融業界編>」において、ネット証券部門にて2年連続1位を受賞しています。
(d)新規事業領域の探索・事業の多角化
中長期的な企業価値向上には、新たな成長領域の探索が不可欠であると認識しています。オンラインベースのビジネスを中核としつつも、お客様起点でのニーズや課題に対応できる最適な金融サービスの提供を目指し、新規事業領域の探索・事業の多角化に取り組んでいます。
当事業年度においては、株式会社エージェントIGホールディングスとの資本業務提携契約を締結しました。保険領域において、同社グループが有する専門性の高いファイナンシャル・プランニング・サービスと連携し、お客様のライフプランに基づいた最適な保険商品を提案することで、様々な金融ニーズへの対応を可能としました。
(e)セキュリティの強化
セキュリティの確保は、オンライン証券会社の生命線です。お客様が安心して取引することができるよう、口座への不正アクセスやサイバー攻撃といった想定されるリスクへの対策に努めます。
当事業年度においては、金融庁のサイバーセキュリティセルフアセスメントへの対応や、サイバーセキュリティガイドラインに準拠するための対応を進めることで、さらなる社内体制の強化を図る上での課題を認識し、改善に取り組みました。また、様々なサイバーセキュリティ演習に参加し、結果を踏まえた社内管理体制やコンティンジェンシープランなどの見直しに取り組みました。
お客様向けのサービスでは、不正アクセスの拡大を防ぐことを目的に、ログイン時の多要素認証を全てのお客様に必須化いたしました。加えて、全ての取引チャネルにおいて、ログイン時の「パスキー」(FIDO2[ファイド2]準拠)を導入し、さらなるセキュリティの強化を図りました。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、日本国内における証券業を中心にした業務を営んでいることから、当面は日本基準を採用することとしております。
4.財務諸表及び主な注記
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(セグメント情報)
当社は、オンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、記載を省略しております。
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(注) 算定上の基礎
1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益
該当事項はありません。