1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………5
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………5
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………5
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………6
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………6
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………8
(3)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………10
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………12
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………14
(継続企業の前提に関する注記)………………………………………………………………………………14
(セグメント情報) ……………………………………………………………………………………………14
(売却目的で保有する資産) …………………………………………………………………………………16
(1株当たり情報) ……………………………………………………………………………………………16
(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………17
4.2027年3月期の連結業績見通し補足情報 ……………………………………………………………………19
世界経済は、中東情勢を発端とする原油価格高騰と供給制約により各国において景気減速やインフレなどのリスクが顕在化しています。さらに、長期化する中国経済の停滞や米中関係の緊張、米国関税の影響も重なり、先行きは不透明さを増しています。
国内においては、好調な雇用・所得環境や個人消費の回復、設備投資の拡大など内需主導で緩やかな景気回復が続いているものの、今後の中東情勢や各国の政策、金融資本市場の動向などの経済への影響には引き続き注視が必要です。特に中東情勢の動向については、原油の供給制約により一部の事業で操業に影響が出始めており、当社グループとしても慎重に見極めて対応していきます。
このような経営環境の中で、当連結会計年度における当社グループの連結受注高は、航空宇宙システム事業で減少となったものの、車両事業、精密機械・ロボット事業などでの増加により、前期比で増加となりました。連結売上収益については、パワースポーツ&エンジン事業を中心とした各事業での増収により、前期比で増収となりました。利益面に関しては、事業利益は、パワースポーツ&エンジン事業での減益はあったものの、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業での増益などにより、前期比で増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、事業利益の増加や為替差損益の改善などにより、前期比で増益となりました。
この結果、当社グループの連結受注高は前期比1,084億円増加の2兆7,391億円、連結売上収益は前期比1,819億円増収の2兆3,112億円、事業利益は前期比19億円増益の1,451億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比201億円増益の1,081億円となりました。また、事業利益率は6.3%、税後ROIC※は9.0%、ROEは13.7%となりました。資本コスト(WACC)は10%台と算出しています。
2024年に判明した当社グループの潜水艦修繕事業及び舶用エンジン事業における不正事案については、特別調査委員会による中間報告を同年12月及び2025年1月に公表しました。また、両事案に関する類似案件の有無に係る追加調査についても、その調査結果を2025年12月に公表しました。
同追加調査をもって特別調査委員会による調査は完了しましたが、当社グループでは度重なるコンプライアンス事案の判明並びに両事案の特別調査委員会からの報告を重く受け止めるとともに、提言された再発防止策も踏まえて、引き続き社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会主導のもと、グループ全体のコンプライアンス・ガバナンス体制の強化に向けた実効性の高い再発防止策に徹底して取り組み、皆様からの信頼回復に全力で努めてまいります。
本件の影響額は当連結会計年度の期末日時点の見積もりに基づいて反映しておりますが、今後開示すべき事項が発生した場合は速やかに公表いたします。
※ 税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本
(純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均)
当連結会計年度の連結セグメント別業績の概要は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注) 1 売上収益は、外部顧客からの売上収益です。
2 パワースポーツ&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上収益と同額としていましたが、前連結会計年度に個別受注案件を獲得したため、その実績を含めて表示しています。
3 調整額のうち新規事業投資(本社案件)関連は、2025年3月期では△106億円、2026年3月期では△122億です。
航空宇宙システム事業
抜本的な防衛力強化や航空旅客需要の回復による需要の増加が期待される中で、連結受注高は、民間航空機向け分担製造品や民間航空エンジン分担製造品などが増加したものの、防衛省向けの大口案件の受注があった前期に比べ719億円減少の8,109億円となりました。
連結売上収益は、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品などが増加したことにより、前期に比べ458億円増収の6,136億円となりました。
事業利益は、増収などにより、前期に比べ66億円増益の624億円となりました。
車両事業
国内市場はインバウンドの復調等により鉄道車両への投資が継続しており、海外市場は大都市の混雑緩和対策のための都市交通整備などに伴う需要が見込まれる中で、連結受注高は、前期に引き続きニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車を受注したことなどにより、前期に比べ675億円増加の3,191億円となりました。
連結売上収益は、国内・米国向けが増加したことなどにより、前期に比べ138億円増収の2,362億円となりました。
事業利益は、増収などにより、前期に比べ2億円増益の86億円となりました。
エネルギーソリューション&マリン事業
国内外の分散型電源需要やエネルギーインフラ整備需要は依然根強く、国内ごみ焼却設備の老朽化更新需要も継続しています。連結受注高は、前期に複数隻を受注したLPG/アンモニア運搬船などの減少はあったものの、国内向けごみ処理施設建替工事や国内向けLNG基地大型増強工事を受注したことなどにより、前期に比べ108億円増加の5,529億円となりました。
連結売上収益は、船舶海洋分野やプラント分野での増収などにより、前期に比べ354億円増収の4,335億円となりました。
事業利益は、増収や持分法による投資利益の増加などにより、前期に比べ107億円増益の550億円となりました。
精密機械・ロボット事業
中国建設機械市場は鉱山向け需要や輸出を中心に拡大傾向にあり、AI向け半導体の急成長と汎用メモリの深刻な不足により、半導体製造装置向けロボットの需要が高まる傾向にある中で、連結受注高は、中国建設機械市場向け油圧機器が増加したことなどにより、前期に比べ292億円増加の2,785億円となりました。
連結売上収益は、中国建設機械市場向け油圧機器が好調を維持していることや半導体製造装置向けロボットが増加したことなどにより、前期に比べ176億円増収の2,591億円となりました。
事業利益は、増収や持分法による投資損益の改善などにより、前期に比べ73億円増益の143億円となりました。
パワースポーツ&エンジン事業
米国における関税措置を背景とした市場環境の変化やコスト構造の変化に加えて、中東情勢の影響が懸念される中で、連結売上収益は、北米向け四輪車や先進国向け二輪車の増加などにより、前期に比べ734億円増収の6,828億円となりました。
事業利益は、増収はあったものの、関税コストの上昇に加え、米国パワースポーツ市場における競争環境激化を背景とした採算性の低下、増産投資に伴う固定費の増加などにより、前期に比べ251億円減益の227億円となりました。
連結売上収益は、前期に比べ43億円減収の858億円となりました。
事業利益は、前期に比べ18億円増益の70億円となりました。
当社グループは「グループビジョン2030」において、注力するフィールドを「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」とし、手術支援ロボットや屋内配送ロボットなどの製品・サービスとAI・遠隔技術を組み合わせた病院経営の効率化支援などや、通常の物資輸送だけでなく災害時を含めた様々なケースでの活用を想定した無人ヘリコプタなどのモビリティの開発に取り組んでいます。また、水素エネルギーは我が国のカーボンニュートラルだけでなくエネルギー安全保障の観点からも重要性を増しており、液化水素サプライチェーン商用化実証を開始するなど、CO2分離・回収・利用事業などと合わせて早期実用化を目指しています。
(資産、負債、資本の状況)
①資産
流動資産は、営業債権及びその他の債権などの増加により前期末に比べ2,321億円増加し、2兆2,560億円となりました。
非流動資産は、有形固定資産の増加などにより前期末に比べ755億円増加し、1兆685億円となりました。
この結果、総資産は前期末に比べ3,076億円増加の3兆3,246億円となりました。
②負債
有利子負債は、前期末に比べ863億円減少の6,061億円となりました。
負債全体では、営業債務及びその他の債務や契約負債の増加などにより前期末に比べ842億円増加の2兆3,761億円となりました。
③資本
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより、前期末に比べ2,234億円増加の9,484億円となりました。
当期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前期末に比べ173億円減の1,154億円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ88億円減の1,400億円となりました。収入の主な内訳は、減価償却費及び償却費1,038億円、営業債務及びその他の債務の増加額667億円であり、支出の主な内訳は、営業債権及びその他の債権の増加額864億円、前渡金の増加額332億円です。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果支出した資金は、前期に比べ168億円増の1,280億円となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果支出した資金は、前期に比べ428億円増の332億円となりました。これは主に短期借入金の純減によるものです。
2027年3月期の連結業績につきましては、売上収益は航空宇宙システム事業における防衛省向けや民間航空機製造分担品の増加、精密機械・ロボット事業の油圧機器及び半導体製造装置向けの増加に加え、パワースポーツ&エンジン事業における北米向け四輪車や欧州向け二輪車の増加により、前期比2,488億円増収の2兆5,600億円となる見通しです。
事業利益は、増収による増益に加え、エネルギーソリューション&マリン事業で採算性改善が進んでいることにより、前期比249億円増益の1,700億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,100億円、税引後ROICは8.6%、ROEは12.0%となる見通しです。
連結受注高は、航空宇宙システム事業、車両事業における前連結会計年度の大型受注の反動により前期比1,991億円減少の2兆5,400億円となる見通しです。
なお、為替レートは、1ドル=150円、1ユーロ=180円を前提としています。また、中東情勢による足元の影響についても一定程度織り込んでいます。
(業績等の予想に関する注意事項)
上記の業績見通しは、現時点で把握可能な情報に基づき当社が判断した見通しであり、リスクや不確実性を含んでいます。従いまして、これらの業績見通しのみに依拠して投資判断を下すことはお控えくださるようお願いします。実際の業績は、外部環境及び内部環境の変化によるさまざまな重要な要素により、これらの見通しとは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える重要な要素には、当社の事業領域をとりまく経済情勢、対米ドルをはじめとする円の為替レート、税制や諸制度などがあります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、グローバルな事業活動の進展を踏まえ、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性を高めるとともに、グループ内での会計処理の標準化によるグループ経営管理の向上等を目的として2023年3月期第1四半期よりIFRSを任意適用しています。
(注)当社は、2026年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の
期首に当該株式分割が行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益を算定しています。
該当事項はありません。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高は、通常の市場価格等にて計上しています。
2 調整額は以下のとおりです。
(1) セグメント利益(事業利益)の調整額△25,609百万円には、セグメント間取引消去△777百万円、セグメントに帰属しない一般管理費等△24,832百万円を含めています。なお、調整額のうち新規事業投資(本社案件)関連は△10,651百万円です。
(2) セグメント資産の調整額△12,871百万円には、現金及び現金同等物、有形固定資産、その他の金融資産等のうち、セグメント間の債権債務消去△273,121百万円、セグメントに帰属しない全社資産260,249百万円を含めています。
3 セグメント利益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、持分法による投資損益、その他の収益及びその他の費用を控除しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高は、通常の市場価格等にて計上しています。
2 調整額は以下のとおりです。
(1) セグメント利益(事業利益)の調整額△25,308百万円には、セグメント間取引消去△1,189百万円、セグメントに帰属しない一般管理費等△24,119百万円を含めています。なお、調整額のうち新規事業投資(本社案件)関連は△12,223百万円です。
(2) セグメント資産の調整額△65,647百万円には、現金及び現金同等物、有形固定資産、その他の金融資産等のうち、セグメント間の債権債務消去△273,199百万円、セグメントに帰属しない全社資産207,551百万円を含めています。
3 セグメント利益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、持分法による投資損益、その他の収益及びその他の費用を控除しています。
(売却目的で保有する資産)
売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債の内訳は、以下のとおりです。
(1)売却目的で保有する資産
(2)売却目的で保有する資産に直接関連する負債
売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債は、主にエネルギーソリューション&マリン事業に含まれる連結子会社である株式会社アーステクニカ(以下、「アーステクニカ」)に係る事業に関連するものです。
当社は、2026年2月9日の取締役会において、当社が保有するアーステクニカの全株式を、古河機械金属株式会社に譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。当該株式譲渡契約はアーステクニカの全株式を段階的に譲渡するものであり、注記事項「(重要な後発事象)」に記載のとおり、2026年4月1日に発行済株式総数の60%を譲渡しました。発行済株式総数の40%については、2027年4月1日に譲渡する予定です。
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益及び算定上の基礎は、以下のとおりです。
(注)1 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 資本において自己株式として計上されている取締役等を受益者とする信託が保有する当社株式は、1株当たり当期利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。(前連結会計年度末:3,694,500株、当連結会計年度末:3,517,065株)
3 当社は、2026年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり情報を算定しています。
(子会社株式の売却)
1.当該事象の内容
当社は、2026年2月9日の取締役会において、当社が保有するエネルギーソリューション&マリン事業に含まれる連結子会社である株式会社アーステクニカ(以下、「アーステクニカ」)の全株式を、古河機械金属株式会社に譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。当該株式譲渡契約はアーステクニカの全株式を段階的に譲渡するものであり、2026年4月1日に発行済株式総数の60%を譲渡しました。発行済株式総数の40%については、2027年4月1日に譲渡する予定です。
なお、対象の資産及び負債は、それぞれ売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債に分類しています。
(本株式譲渡の概要)
2.当該事象の損益に与える影響額
当該事象により、連結決算においては、2027年3月期に約31億円をその他の収益として計上する予定です。
また、個別決算においては、2027年3月期に約47億円、2028年3月期に約31億円を特別利益として計上する予定です。
(株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更)
当社は、2026年2月9日開催の取締役会決議に基づき、2026年4月1日付で株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更を行いました。
1.株式分割の目的
当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、投資家の皆様により投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図るため、株式分割を行いました。
2.株式分割の概要
(1)分割の方法
2026年3月31日を基準日として、最終の株主名簿に記録された株主の所有する普通株式1株につき、5株の割合をもって分割しました。
(2)分割により増加する株式数
(3)分割の日程
(4)1株当たり情報に及ぼす影響
1株当たり情報に及ぼす影響については、注記事項「(1株当たり情報)」に記載しています。
3.株式分割に伴う定款の一部変更について
(1)変更の理由
今回の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づく取締役会決議により、2026年4月1日をもって、当社定款の一部を変更しました。
(2)変更の内容
変更の内容は以下のとおりです。
(下線が変更部分)
4.2027年3月期の連結業績見通し補足情報
(注) 1 2027年3月期見通し前提為替レート:150円/USD、180円/EUR
2 パワースポーツ&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上収益と同額としていましたが、前連結会計年度に個別受注案件を獲得したため、その実績を含めて表示しています。
3 調整額のうち新規事業投資(本社案件)関連は2027年3月期見通しでは△200億円、2026年3月期実績では△122億円です。