1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………… 2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………… 2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………… 3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………… 3
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………… 4
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………… 4
2.経営方針 …………………………………………………………………………………………………… 4
(1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………… 4
(2)中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題 …………………………………………………… 5
(3)目標とする経営指標 ………………………………………………………………………………… 7
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………… 7
4.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………… 8
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………… 8
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………… 10
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………… 12
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………… 14
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………… 16
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………… 16
(表示方法の変更) ………………………………………………………………………………………… 16
(会計上の見積りに関する注記) ………………………………………………………………………… 16
(連結損益計算書関係) …………………………………………………………………………………… 17
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………… 18
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………… 24
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………… 24
5.その他 ……………………………………………………………………………………………………… 25
(1)生産、受注及び販売の状況 ………………………………………………………………………… 25
(2)海外売上高 …………………………………………………………………………………………… 27
当連結会計年度における世界経済は、全体としては底堅く推移したものの、米国における保護主義的な通商政策の動向、ウクライナ情勢の長期化に加え、中東地域における地政学的リスクの高まりを背景とした資源価格及び原材料価格の上昇、サプライチェーンの不安定化などにより、先行きに対する不透明感が継続しました。当社グループの受注環境は、産業用ロボット向けは自動化投資や、電子部品・半導体関連分野を中心とする生産設備の増強投資が進んだことにより、受注高が増加しました。また、生成AI関連を中心とした先端半導体分野への設備投資需要が年明け以降拡大し、半導体製造装置向けの受注高も増加しました。加えて、今後の市場拡大が期待されるAI技術を活用したロボット(以下、AIロボット)向けのお客様の量産移行に伴う受注を獲得いたしました。結果として、連結受注高は前期比16.2%増加の616億13百万円となりました。
用途別の売上高の動向は、産業用ロボット向けは、中国向けの売上高が減少したものの、国内向けの売上高がそれを上回って増加したことから、産業用ロボット向け全体の売上高は増加しました。半導体製造装置向けは、前期まで調整局面が続いていたものの、当年度はデータセンター用途や生成AI関連用途向けの需要が拡大したことから、売上高は増加しました。なお、車載用途につきましては、お客様における生産調整の影響を受け、売上高は減少しました。
これらの結果、連結売上高は、前期比7.0%増加の595億57百万円となりました。
損益面につきましては、資材価格及び労務費の上昇が続く厳しい事業環境のもと、当社グループでは、製品価格改定による採算性の改善に取り組むとともに、全社横断のコスト革新プロジェクトを前年度から立ち上げ、製造工法の見直しや業務効率の改善など、収益性向上に向けた取り組みを進めました。また、日本セグメントの工場稼働率の上昇を背景に製造原価率が改善したことにより、営業利益は前年度の6百万円から25億67百万円となり、会社想定を上回る水準で着地いたしました。一方、営業利益は増加したものの、投資有価証券の売却益が57億79百万円減少したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比53.7%減少の16億8百万円となりました。
なお、製品群別の売上高は、減速装置が463億33百万円(前期比9.5%増)、メカトロニクス製品が132億24百万円(前期比0.9%減)で、売上高比率はそれぞれ77.8%、22.2%となりました。
報告セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(日本)
売上高は、車載向けは減少したものの、産業用ロボット向け、半導体製造装置向けなどのお客様からの受注高が増加し、前期比22.5%増加の266億26百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、増収の影響に加え、工場稼働率の上昇により製造原価率が改善し、前期比66.1%増加の36億93百万円となりました。
(中国)
産業用ロボット向けが減少したことにより、売上高は前期比28.0%減少の40億46百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、セールスミックスの変化により、前期比26.5%増加の3億82百万円となりました。
(北米)
防衛用途向けの受注高が減少したものの、AIロボット向けの受注高が増加し、売上高は前期比4.1%増加の121億7百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、基幹システム更新に伴う一過性の費用増加などにより、前期比5.0%減少の5億28百万円となりました。
(欧州)
大口顧客からの受注高は増加したものの、欧州経済の低迷により小口顧客からの受注高が高まらず、売上高は前年同期比微増の167億76百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、ハーモニック・ドライブ・エスイー株式取得時に計上した無形資産に係る償却費10億8百万円の負担はあるものの、セールスミックスの変化による売上総利益率の上昇により、6億44百万円(前年同期はセグメント損失52百万円)となりました。
(資産)
総資産は、前期比で22億21百万円減少(前期比2.0%減)し、1,114億円となりました。これは、売掛金が20億22百万円増加(前期比21.2%増)した一方で、借入金の返済等により現金及び預金が33億35百万円減少(前期比13.4%減)したこと、その他流動資産が9億33百万円減少(前期比35.8%減)したことが主な要因です。
(負債)
負債は、前期比で36億69百万円減少(前期比10.6%減)し、310億9百万円となりました。これは、借入金の約定返済を進めたことにより、長期借入金が18億90百万円減少(前期比17.2%減)したことに加え、未払法人税等が9億30百万円減少(前期比72.4%減)したこと、支払手形及び買掛金が7億90百万円減少(前期比24.8%減)したことが主な要因です。
(純資産)
純資産は、前期比で14億47百万円増加(前期比1.8%増)し、803億90百万円となりました。これは、為替変動の影響により為替換算調整勘定が25億32百万円増加(前期比16.3%増)した一方で、自己株式の取得と配当の実施により株主資本合計が10億21百万円減少(前期比1.6%減)したことが主な要因です。
これらの結果、自己資本比率は、前期末の69.5%から72.2%になりました。
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて38億31百万円減少し、190億91百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は64億25百万円となりました。(前連結会計年度は75億16百万円の収入)
これは、法人税等の支払による支出を21億9百万円計上し、売上債権が17億92百万円増加した一方で、減価償却費を73億61百万円、税金等調整前当期純利益を22億93百万円計上したことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は49億41百万円となりました。(前連結会計年度は14億80百万円の収入)
これは、有形固定資産の売却による収入が8億6百万円、投資有価証券の売却による収入が3億27百万円あった一方で、有形固定資産の取得による支出を56億90百万円計上したことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は58億74百万円となりました。(前連結会計年度は58億74百万円の支出)
これは、配当金の支払いを18億95百万円、長期借入金の返済による支出を18億90百万円計上したことが主な要因です。
2026年度の当社グループの事業環境は、労働人口減少を背景とした自動化投資の拡大や、データセンター投資の拡大及び生成AIの普及に伴う先端半導体需要の増加により関連する設備投資が引き続き底堅く推移することから、当社グループの受注高についても回復の動きが継続すると見込んでいます。一方で、ウクライナ情勢に加え中東地域における地政学的リスクの高まりを受け原油をはじめとする資源価格・原材料価格の上昇や、為替相場の変動などにより、世界経済は一層不透明感が増し、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況が続くものと予想されます。
このような見通しのもと2027年3月期の連結業績につきましては、売上高680億円、営業利益62億円、経常利益62億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円を予想しております。
当社は業績に応じた利益配分を行うことを基本的な方針とし、連結配当性向は35%を目処としております。また、短期的に大きな業績変動が生じた場合には、一定の安定配当の実施にも配慮する方針です。
内部留保につきましては、将来の事業展開のため、主に新製品の研究開発、生産設備の充実、情報管理システムの整備等に投資するとともに機動的な資本政策の遂行に備えてまいります。
2026年3月期の期末配当は、1株当たり10円を予定しております。
次期(2027年3月期)の1株当たり配当につきましては、前掲の「今後の見通し」に記載の業績を前提として、中間配当10円、期末配当10円、年間配当20円を予想しております。
当社は、以下の経営理念のもと、経営を遂行しております。
■経営理念
① 個人の尊重
当社は、社員一人一人の権利を尊重し、個人が意義のある文化的な人生と、生き甲斐を追求できる企業でありたい。一人一人の向上心を信じ、自立的な活動を援助し、仕事を通して能力が最大限に発揮できる環境を作り、能力や業績に報う企業とする。
② 存在意義のある企業
当社は、存在意義のある、優れた企業として認められることを望む。独創性を発揮し、個性と特徴をもち、経営の基盤を絶えることのない研究開発活動と品質優先に置く経営を貫く。全ての組織が、全力を尽くすことに生き甲斐を感ずる企業とする。
③ 共存共栄
当社は、社員、顧客、株主、材料部品の購入先、協力会社、取引先などの多くの人々に支えられている。当社は、これら関係者の全てに満足してもらえるように魅力ある製品、サービス、報酬、環境、取引関係を作り上げるよう最善の努力を払う。
④ 社会への貢献
当社は、社会の良き一員として企業活動を通じ、広く社会や産業界に貢献していく。我々が提供する製品やサービスが、直接的間接的に広く社会の向上に役立ち、属する地域社会の環境や質の向上に役立つ企業を目指す。
(中長期の対処すべき課題)
当社グループは、「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」というミッションのもと、事業活動を推進しております。当社グループが手掛けるメカトロニクス製品及び減速装置は、産業用機械のみならず、先進医療機器やモビリティ分野など、「社会の技術革新」に大きく貢献しており、今後もその需要は拡大していくことが予想されます。また、世界的な人手不足を背景に、生産現場を中心に、各種分野において自動化・省人化の動きが加速しており、協働ロボットに加え、新たな成長領域としてAIロボットへの期待が高まっております。しかしながら、AIロボット市場については中長期的な成長期待に変わりはないものの、現時点においては創成期にあることから、2024年5月13日に公表した中期経営計画(2024年度~2026年度)策定時に想定していた前提条件と比べ、社会実装の進展ベースについて想定との差異が生じつつある状況となっております。当社グループといたしましては、こうした環境変化を踏まえ、より実効性と柔軟性の高い成長戦略を構築すべく、現行中期経営計画を発展的に見直し、2026年度を起点とする新たな中期経営計画を策定することといたしました。新中期経営計画においては、「AIロボット」「航空・宇宙・防衛」「eモビリティ」を重点開拓分野に位置付け、各分野における成長機会に果敢に挑戦する方針です。また、将来の成長機会を確実に取り込むため、マーケティング機能の強化、並びに新製品創出力及びモノづくり力の一層の向上に取り組んでまいります。あわせて、成長戦略を着実に推進するための経営基盤の強化を図り、グループ一体となった経営を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。当社グループは、ミッション及びビジョンの達成に向け、環境変化に柔軟に対応しつつ、攻めと守りのバランスを意識した経営戦略を遂行することにより、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
■サステナビリティ基本方針
私たちは、「個人の尊重」「存在意義のある企業」「共存共栄」「社会への貢献」という4つの柱で構成された経営理念に基づき、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、社会をより良くするための技術革新に貢献することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。
■当社グループのミッション
モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する
■ビジョン
未来と調和するトータル・モーション・コントロールのベストプロバイダー
■マテリアリティ
・人的資本の価値最大化
・お客様の期待値に応えるQCDSの実現
・環境の変化に適合した新技術・新技能への挑戦と創出
・企業活動を通じて持続可能な社会に貢献する
・時代に調和した経営基盤の構築
■中期経営計画(2026年度〜2030年度)
~「価値創出と変革」への挑戦~
(基本方針)
① 収益性を重視した全事業の持続的な成長
・新たな成長ドライバーの開拓
・顧客期待値に応えるQCDS+Speedの徹底
② 環境変化に適合できる経営資源(ひと、もの、かね、情報)の強化
・個の成長と多様な脳力が発揮され、尊重される組織の実現
・資本効率を意識した成長投資
・財務基盤およびガバナンス強化
③ 未来に続く企業価値向上への取り組み
・ネットゼロの推進
・多様な人財の登用、採用
・お客様の環境負荷低減を促進する製品の開発
上記の中長期の対処すべき課題を踏まえ、当社は2026年度において、以下の項目を重点課題として位置付け、取り組んでまいります。
① 収益性を重視した全事業の持続的な成長
・競争力の再定義(高品質、スピード、適正価格)
・開発スピードと新製品創出力の向上
・成長市場・期待用途への参入に向けた新製品企画力の強化
・質と量を両立できるモノづくり力の強化
② 環境変化に適合できる経営資源(ひと、もの、かね、情報)の強化
・人財・組織構造の抜本的な見直し
当社グループでは、持続的な成長と長期的な企業価値向上の実現に向けて、中期経営計画(2026年度〜2030年度)における当社グループの重要な経営管理指標として、2030年度目標連結売上高1,000億円以上、売上高営業利益率を15%以上を経営目標にしております。また、比較すべき資本コスト(WACC)の水準を9%程度と想定し、自己資本当期純利益率(ROE)及びROICの目標を10%以上と定め、投下資本の運用効率を意識した経営を実践し、資本収益性の向上を図ってまいります。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
国内でのIFRSの採用動向を検討した結果、当面は日本基準に基づき連結財務諸表を作成する方針です。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
連結損益計算書
前連結会計年度において、独立掲記しておりました「営業外収益」の「補助金収入」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「営業外収益」の「その他」に含めて表示しております。また、前連結会計年度において、「営業外収益」の「その他」に含めていた「仕入割引」及び「有価証券評価益」は、営業外収益の総額の100分の10を超えたため、当連結会計年度より独立掲記することとしております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「営業外収益」の「補助金収入」に表示していた78,421千円、「その他」に表示していた210,078千円は、「仕入割引」47,704千円、「有価証券評価益」13,707千円、「その他」227,087千円として組み替えております。
ハーモニック・ドライブ・エスイーグループの固定資産の評価
① 当年度の連結計算書類に計上した金額 ・帳簿価額 18,179,313千円
② その他の情報
・算出方法
当社は、ハーモニック・ドライブ・エスイー社及びその子会社8社(以下、「エイチ・ディ・エスイーグループ」)に関連する固定資産を、キャッシュ・フローを生み出す最小の単位としております。
当連結会計年度末において、エイチ・ディ・エスイーグループの主な固定資産は顧客関係資産(残高9,187,037千円)及び技術資産(残高2,453,723千円)であります。
前連結会計年度におけるエイチ・ディ・エスイーグループの状況は、拡大する産業用ロボット市場等における需要の獲得により、収益や利益率の拡大を見込んでいましたが、前連結会計年度の業績が事業計画における予想を下回ったことから、前連結会計年度において顧客関係資産等の償却費がエイチ・ディ・エスイーグループの営業利益を上回る結果となりました。
このため、前連結会計年度末において、エイチ・ディ・エスイーグループの固定資産に減損の兆候があると判定し、減損損失の認識の判定のため、エイチ・ディ・エスイーグループが獲得する割引前将来キャッシュ・フローの総額がエイチ・ディ・エスイーグループの固定資産の帳簿価額を下回るか否かを検討した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回ったため、前連結会計年度において減損損失は認識しておりません。
なお、当連結会計年度においては、エイチ・ディ・エスイーグループの営業利益が顧客関係資産等の償却費を上回ったため、減損の兆候はないと判断し、減損損失を認識しておりません。
・主要な仮定
減損損失の認識の判定及び測定において用いられる将来キャッシュ・フローについては、当社の取締役会が承認した事業計画を基礎とし、産業用ロボット市場の需要動向等の外部環境や販売戦略を考慮した将来の売上予測、製造コスト及び販売費及び一般管理費の見積りが含まれております。
・翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
将来において経営・市場環境の変化等により将来キャッシュ・フローの見積り額の前提とした事業計画に重要な未達の発生、又は将来の不確実性が増した場合、回収可能価額が減少し、翌年度における減損損失の発生により重要な影響を与える可能性があります。
(1) 固定資産売却益
固定資産売却益は、当社連結子会社の固定資産売却に伴い発生した売却益を計上したものであります。
(2) 投資有価証券売却益
投資有価証券売却益は、当社保有の投資有価証券売却に関する売却益であります。
(3) 減損損失
当社グループは、事業用資産については連結会社ごとに1つの資産グループとし、賃貸用資産及び遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行っております。
当社の連結子会社である株式会社ハーモニック・エイディ(以下、「HAD社」)は、2021年度をピークとして、中国および米国における製造業の設備投資の鈍化や最先端半導体分野の新規設備投資の停滞、さらには当社グループ製品全般に係る在庫調整等の影響を受け、顧客による将来需要に対する慎重な姿勢が強まりました。その結果、HAD社の主要製品である精密遊星減速機の需要が減少し、2024年3月期および2025年3月期の連結会計年度において、2期連続して営業損失を計上する状況となりました。
当連結会計年度におきましては、中国および米国市場が引き続き軟調に推移する一方で、国内市場においては市況が緩やかな回復基調に転じ、国内主要顧客からの受注に支えられ、精密遊星減速機の需要にも回復の動きが見られました。これに伴い、HAD社の収益性にも一定の改善が認められ、当連結会計年度末においては若干の営業利益を計上するに至りました。
しかしながら、当該利益水準は依然として低く、直近の業績を踏まえ、将来の事業計画を見直した結果、当連結会計年度末時点において、「経営環境が著しく悪化する見込み」に該当すると判断し、HAD社の固定資産について減損の兆候があると判定いたしました。
これを受け、当社は、HAD社の精密遊星減速機事業における主要な資産である機械装置の経済的残存使用年数に亘って獲得する割引前将来キャッシュ・フローの総額が、当該固定資産の帳簿価額を下回るか否かの検討を行いました。その結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ったため、HAD社が保有する精密遊星減速機事業に係る固定資産の帳簿価額394,437千円を回収することが困難であると判定し、当該帳簿価額の全額を減損損失として計上しております。
使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローについては、当社の取締役会が承認した事業計画を基礎としておりますが、当該計画には産業用ロボット市場の需要動向等の外部環境を考慮した将来の売上予測や製造コストの見積りが含まれております。回収可能価額は使用価値を用いておりますが、割引前将来キャッシュ・フローをHAD社の加重平均資本コストを基礎とした割引率8.75%により現在価値に割り引いて算定しております。
これは、当社保有の有形固定資産において、解体及び廃却が翌連結会計年度に予定されている有形固定資産を遊休資産としてグルーピングし、当該製造設備の帳簿価額を減額しその減少額を減損損失として特別損失に計上しております。
(4) 棚卸資産評価損
当社が製造する一部製品において、急激な受注変動に伴い生産計画の変更を行った結果、翌連結会計年度以降の使用が見込まれない棚卸資産について、棚卸資産評価損として293,364千円を特別損失に計上しております。
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分を決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっているものであります。
当社は、主に精密減速装置とその応用製品である精密アクチュエーター及び制御装置を生産・販売しており、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおります。また、当社の製品の主な地域別市場は、「日本(中国を除くアジア地域等含む。以下同様。)」、「北米」、「欧州」、「中国」であり、「日本」は、国内の当社を含む子会社と中国を除くアジア地域の現地法人である子会社が、「北米」、「欧州」は、現地法人である子会社が、それぞれ生産・販売を担当しております。「中国」は、現地法人である子会社が販売を担当しております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、経常利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価額に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.セグメント利益の調整額△2,878,721千円は、セグメント間取引消去△386,089千円、各報告セグメントに配分していない全社費用△2,492,631千円で構成され、全社費用は、基礎的試験研究費、当社の総務・経理部門等の管理部門に係る費用であります。
2.日本には、日本国内向けのほか、中国を除くアジア地域向け等に係る売上高及び費用が含まれております。
3.セグメント資産の調整額4,454,498千円は、セグメント間消去△4,861,623千円、各報告セグメントに配分していない全社資産の金額9,316,121千円で構成され、全社資産には、当社の余資運用資金(現金預金及び有価証券)、長期投資資金(投資有価証券、投資その他の資産「その他」)及び管理部門に係る資産等が含まれております。
4.北米地域への売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める米国の売上高10,132,022千円が含まれております。
5.欧州地域への売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるドイツの売上高7,056,700千円が含まれております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.セグメント利益の調整額△2,709,988千円は、セグメント間取引消去△136,910千円、各報告セグメントに配分していない全社費用△2,573,077千円で構成され、全社費用は、基礎的試験研究費、当社の総務・経理部門等の管理部門に係る費用であります。
2.日本には、日本国内向けのほか、中国を除くアジア地域向け等に係る売上高及び費用が含まれております。
3.セグメント資産の調整額1,816,224千円は、セグメント間消去△4,093,552千円、各報告セグメントに配分していない全社資産の金額5,909,776千円で構成され、全社資産には、当社の余資運用資金(現金預金及び有価証券)、長期投資資金(投資有価証券、投資その他の資産「その他」)及び管理部門に係る資産等が含まれております。
4.当社グループの経営資源の配分の決定について、当社グループ内の会社ごとに検討を実施することとしているため、有形固定資産及び無形固定資産の増加額は記載しておりません。なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の項目によって記載しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
(注)磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は、販売先の所在地を基礎とし、国または地域に区分しております。
2.北米地域の売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める米国の売上高10,132,022千円が含まれております。
3.欧州地域の売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるドイツの売上高7,056,700千円が含まれております。
(2) 有形固定資産
(注)1.有形固定資産の所在地を基礎とし、国または地域に区分しております。
2.北米地域の有形固定資産の金額には、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の10%以上を占める米国の有形固定資産の金額7,431,144千円が含まれております。
3.欧州地域の有形固定資産の金額には、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の10%以上を占めるドイツの有形固定資産の金額5,954,452千円が含まれております。
3 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
(注)磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は、販売先の所在地を基礎とし、国または地域に区分しております。
2.北米地域の売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める米国の売上高10,694,252千円が含まれております。
3.欧州地域の売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるドイツの売上高5,999,294千円が含まれております。
(2) 有形固定資産
(注)1.有形固定資産の所在地を基礎とし、国または地域に区分しております。
2.北米地域の有形固定資産の金額には、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の10%以上を占める米国の有形固定資産の金額8,705,840千円が含まれております。
3.欧州地域の有形固定資産の金額には、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の10%以上を占めるドイツの有形固定資産の金額6,440,790千円が含まれております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める顧客が存在しないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
1株当たり純資産額並びに1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(注) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
該当事項はありません。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、中国、北米、欧州)に区分しております。
3. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
4. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの生産実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、中国、北米、欧州)に区分しております。
3. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
4. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの受注実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
5. 受注残高は、当連結会計年度において日本セグメントを中心に発生した434,546千円の受注取り消し額を差し引いております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、中国、北米、欧州)に区分しております。
3.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
4.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
5. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
当連結会計年度における日産自動車株式会社に対する販売高は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10に満たないため記載しておりません。
当連結会計年度における海外売上高は、次のとおりであります。
(注) 1.国又は地域の区分は、地理的接近度によっております。
2.各区分に属する主な国又は地域
(1) 中国……中国
(2) 北米……米国
(3) 欧州……ドイツ
(4)その他の地域……韓国、台湾、オセアニア
3.海外売上高は、当社及び連結子会社の本邦以外の国又は地域における売上高であります。