1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況…………………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況…………………………………………………………………………………………3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況……………………………………………………………………………3
(4)今後の見通し……………………………………………………………………………………………………3
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………………………………4
3.財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………………5
(1)貸借対照表………………………………………………………………………………………………………5
(2)損益計算書………………………………………………………………………………………………………7
(3)株主資本等変動計算書…………………………………………………………………………………………8
(4)キャッシュ・フロー計算書……………………………………………………………………………………10
(5)財務諸表に関する注記事項……………………………………………………………………………………11
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………11
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………11
(持分法損益等) …………………………………………………………………………………………………11
(1株当たり情報)…………………………………………………………………………………………………11
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………12
1.経営成績等の概況
当事業年度における国内外の経済環境は、米国の通商政策変更に伴う関税リスクや地政学的な緊張の高まり、持続的な物価上昇、ならびに為替相場の不安定な推移など、先行き不透明感が一段と強まる一年となりました。
こうした環境下において、当社はミッションとして「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を掲げ、日本発のエンターテインメント・カルチャーを創出し、世界中のユーザーに届けることで、日本が持つアニメやゲームといったユニークな文化に関わるクリエイターの活躍の場を広げることを目指してまいりました。
当事業年度においては、ライブ/イベントやマーチャンダイジング、ライセンス/タイアップ各分野において事業規模の拡大が継続した一方で、タレント構成やコミュニティ環境の変化を背景に、配信収益ならびに自社EC売上においては短期的な調整局面が見られました。
こうした中、持続的な成長に向けた早期の資産適正化を図るべく、2023年から2024年のSKU拡大期に生産した商品を中心とする低回転在庫の除却および評価減を実施いたしました。あわせて「ホロアース」関連資産についても、開発方針の転換に伴い減損損失を計上しております。後者は、当該プロジェクトで得られた技術的成果を既存事業へ集約し、経営資源をタレント活動支援や表現技術の深化といったコア領域へ再配分するための戦略的決定であり、これら一連の構造改革に伴い当期において一時的な費用が発生いたしました。
当社はこうした足許の事業環境を、次の成長サイクルに向けた事業構造を再整備するための重要な局面と位置づけております。商品ポートフォリオの回転・供給・販売計画の整合性精査や、開発投資の規模・進め方・スケジュールの再整理を着実に進めながら、物流インフラの整備や表現技術に係る研究開発、海外事業の一層の強化など、中長期的な成長基盤の確立に向けた先行投資を推進しました。
サービス分野別の業績は、以下のとおりです。
配信/コンテンツ分野においては、前事業年度にデビューした新ユニット「FLOW GLOW」が1周年を迎え、2025年11月のオンライン3Dライブ「MAKE IT, BREAK IT」を通じて着実に成長軌道を描きました。また「ReGLOSS」においても楽曲の再生数拡大やファンコミュニティの成熟が進み、コンテンツ面での基盤強化が継続しました。一方、前述のタレント構成の変化に伴う配信トラフィックの短期的な変動が同分野の売上推移に影響しました。その結果、同分野の売上高は9,137百万円(前期比2.0%減)となりました。
ライブ/イベント分野においては、国内における大型会場でのソロライブやユニット・ライブが多数成功を収めるとともに、海外展開においても着実に実績を積み上げました。特に、前年に引き続き「hololive STAGE World Tour '25 -Synchronize!-」と題した第2回ワールドツアーを実施し、シドニー、香港、バンクーバー、ニューヨーク、ソウル、クアラルンプール、台北の7都市での公演を通じて、各地域のファンとの接点を拡大しました。国内においても、「ReGLOSS」が2025年12月に有明アリーナにて初の単独ライブ「Flashpoint」を開催するなど、新世代タレントによるリアルイベントを通じたファンエンゲージメントの強化が進展しました。年度末には、幕張メッセにて「hololive SUPER EXPO 2026」および「hololive 7th fes. Ridin' on Dreams」をシリーズ初となる3日間開催として実施し、過去最大規模のイベントを成功させました。その結果、同分野の売上高は9,247百万円(前期比18.7%増)となりました。
マーチャンダイジング分野においては、前事業年度より販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が引き続き人気を拡大し、売上の主要な牽引役となりました。また、物流体制の最適化や自社ECの機能拡充、海外向け配送の改善(送料固定化・配送地域の拡充)を通じたユーザー利便性の向上に加え、小売店販路の拡充により、幅広いユーザー層へのリーチを強化しました。その結果、同分野の売上高は23,747百万円(前期比15.6%増)となりました。
ライセンス/タイアップ分野においては、国内外の取引代理店との連携強化や営業体制のさらなる整備を通じて、案件数および取引企業数が引き続き拡大しました。ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が深化したほか、ブランドの認知度向上を背景に大型案件の獲得も進み、法人取引における事業規模の拡大が継続しました。その結果、同分野の売上高は7,198百万円(前期比25.3%増)となりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は49,330百万円(前期比13.7%増)、営業利益は7,056百万円(前期比11.8%減)、経常利益は7,068百万円(前期比11.2%減)、当期純利益は3,016百万円(前期比45.7%減)となりました。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末より1,848百万円増加し、34,908百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加4,510百万円、繰延税金資産の増加1,596百万円、商品の減少2,172百万円及びソフトウエア勘定を中心とする無形固定資産の減少2,077百万円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末より1,168百万円減少し、14,944百万円となりました。これは主に、前受金の減少1,206百万円によるものであります。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末より3,016百万円増加し、19,964百万円となりました。これは、利益剰余金が3,016百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ4,510百万円増加し、16,008百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当事業年度において営業活動により獲得した資金は7,204百万円(前事業年度は5,285百万円の獲得)となりました。増加要因として、税引前当期純利益3,817百万円の計上、棚卸資産の減少2,172百万円、減価償却費1,517百万円の計上、減損損失3,199百万円の計上があった一方で、減少要因として、法人税等の支払による支出2,581百万円があったことによるものであります。
当事業年度において投資活動により支出した資金は2,701百万円(前事業年度は2,696百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出2,128百万円、有形固定資産の取得による支出407百万円によるものであります。
当事業年度において財務活動により資金の増減はありませんでした(前事業年度は244百万円の収入)。
VTuber市場は、リアルとデジタルを融合した新時代のエンターテインメントとして、ライブ配信、音楽、イベント、マーチャンダイジング、ライセンス/タイアップ、アニメ、ゲームなど多様なビジネス領域へ拡大を続けております。現在のVTuber直接市場規模は1,260億円(注1)と推計されており、当社は今後もグローバルアニメ市場(規模3.8兆円(注2))や広範なグローバルコンテンツ市場(規模135.6兆円(注3))を潜在市場と捉え、事業機会の持続的な獲得を目指しております。
こうした市場環境を背景に、当社はこれまでの量的拡大フェーズから、収益の質と資本効率を意識した質的拡大フェーズへと経営戦略を移行いたしました。具体的な事業展開においては、魅力的なタレントを持続的に創出するため、事業利益の再投資による創作環境の高度化や、トップタレントを輩出し続けるエコシステムの構築に注力いたします。育成されたタレントのブランド力を基盤に、ライブ・イベント等を通じたファン体験の向上やメディアミックス展開を推進し、グローバルなクリエイター経済圏の確立を目指します。
2027年3月期の業績予想につきましては、売上高51,350百万円(前期比4.1%増)、営業利益7,000百万円(前期比0.8%減)、経常利益7,000百万円(前期比1.0%減)、当期純利益4,900百万円(前期比62.4%増)を見込んでおります。足許では、タレント構成やコミュニティ環境の変化を背景とした調整局面を織り込んだ慎重な見通しとしておりますが、さらなる売上成長を牽引し得る上振れ要因として、新規タレントのデビューに伴うファン層の拡大、および初の大型スマートフォンゲーム『hololive Dreams』のリリースを含むメディアミックスの進展等を想定しております。
一方で利益面につきましては、今期を次なる飛躍に向けた「成長基盤強化に向けた投資期」と位置づけ、クリエイティブ制作環境の高度化やタレントマネジメント体制の拡充などへ集中的に資本を投下してまいります。これらの先行投資に伴い、短期的な利益水準は一時的な調整局面となりますが、中長期的な成長加速と、外部環境の変化に左右されない強固な収益体質の構築に向けて不可欠なプロセスであると考えております。
中長期的には、2030年の財務目標およびビジョンに大きな変更はなく、達成プロセスについては規律に基づき柔軟に最適化する方針です。資本配分に関しましては、累計500億円程度とする成長投資・M&A枠を設定し、戦略適合性の高い領域への投資や継続的な研究開発を行ってまいります。同時に、事業から創出される強固な営業キャッシュフローを背景に、手元流動性を確保しつつ、機動的な株主還元も視野に入れて企業価値の最大化を図ります。
なお、原油価格の上昇等を背景とした商品製造原価の上昇、関税・物価・為替変動に関連した海外消費者需要の後退、タレント構成やコミュニティ環境の変化といった事業環境の不確実性が引き続き存在しております。当社では、これらのリスクに対し、サプライチェーン・マネジメントの最適化による調達・物流コストの改善などを通じて柔軟に対応してまいります。
以上を踏まえ、2027年3月期は、将来の飛躍に向けた「タレント価値を起点とする事業成長」と「規律ある資産・資本管理」の両輪を確立する、重要な年度となります。新経営体制のもと、資本効率の最適化を意識した『質の高い成長』を追求し、着実な事業進捗を通じて企業価値の持続的な向上に邁進してまいります。
上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は各事業開発分野の開発進捗等に応じて予想数値と異なる結果となる可能性があります。
(注1)株式会社矢野経済研究所『2025年 VTuber市場の徹底研究 ~市場調査編~』
(注2)一般社団法人日本動画協会『アニメ産業レポート2025』
(注3)経済産業省『エンタメ・クリエイティブ産業戦略~コンテンツ産業の海外売上高20兆円に向けた5ヵ年アクションプラン~ 』にて記載の2022年のコンテンツ産業の世界市場規模を参照
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は日本基準で財務諸表を作成する方針であります。
なお、今後につきましては、株主構成及び国内の同業他社の動向等を踏まえ、国際会計基準の適用について検討を進めていく方針であります。
3.財務諸表及び主な注記
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社は、VTuber事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
該当事項はありません。
(注)1株あたり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
当社は、2026年5月14日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得にかかる事項を決議いたしました。
資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として、自己株式の取得を行うものです。
(2)取得し得る株式の総数 3,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合4.6%)
(3)株式の取得価格の総額 3,000,000,000円(上限)
(4)取得期間 2026年5月15日から2026年7月8日まで
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付け
(ご参考)
2026年3月31日時点の自己株式の保有
発行済株式数 65,650,100株
自己株式数 84株