1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………5
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………6
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………7
(5)継続企業の前提に関する重要事象等 ……………………………………………………………………8
(6)当社グループのパイプラインについて …………………………………………………………………9
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………9
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………10
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………10
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………12
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………12
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………13
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………14
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………16
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………17
(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………17
(セグメント情報等) …………………………………………………………………………………………17
(1株当たり情報) ……………………………………………………………………………………………18
(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………19
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
(当期の経営成績)
当連結会計年度における当社グループ事業の進捗状況は以下のとおりです。
① 当期の経営成績
当社は2019年に導入した、SyB V-1901(一般名:brincidofovir<ブリンシドホビル>「BCV」)の造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象とした開発においては、グローバル第Ⅲ相臨床試験を欧州の主要5カ国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国)と米国において2026年第1四半期の患者登録開始を予定しています。本適応症については、2028年下半期にEUでの新薬承認申請を目指しています。
また、脳神経変性疾患領域においては、米国国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)と共同研究開発契約(CRADA)を締結し、NIH主導で進行性多巣性白質脳症(PML)に対する第Ⅱ相臨床試験を開始し、最初の患者登録に向けて準備中です。複数の学術機関との共同研究による前臨床試験成績に基づいた、ポリオーマウイルス感染症の治療とアルツハイマー型認知症の治療薬開発に関する2件のライセンス契約を締結しました。
当社はグローバル第Ⅲ相臨床試験の開始に伴い、事業戦略の主軸をグローバル展開に移行し日米欧の組織の一体化を進めるため、2025年12月1日付で大幅に組織変更を行いました。エドウィン・ロックが副社長執行役員兼グローバルR&D本部長に就任し、研究開発組織を集約することで2030年に向けたBCV事業を牽引します。
また、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社との共同研究の成果として、「高感度かつ簡便なイムノアッセイ法、およびその装置」に関する共同出願特許を2025年10月に取得し、これまで技術的に困難とされてきた「迅速・簡便・超高感度」な新規検査システムの開発を行っています。
このような中、当連結会計年度の経営成績についてはトレアキシン®点滴静注液100mg/4mL[RTD (Ready-To-Dilute)製剤]の売上高は後発品浸透および薬価改定の影響により、1,307,648千円(前年同期比46.7%減、2025年6月10日に開示した修正通期業績予想比6.5%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、研究開発費が3,297,362千円(前年同期比2.4%減)となり、それを含む販売費及び一般管理費合計では5,388,027千円(前年同期比6.3%減)となりました。
これらの結果、営業損失は4,440,687千円(前年同期は営業損失3,876,971千円)、外貨建資産の為替評価差損64,964千円もあり、経常損失は4,647,882千円(前年同期は経常損失3,689,435千円)、減損損失等として109,273千円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は4,776,194千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3,833,480千円)と赤字が増加しましたが、2025年6月10日に開示しました修正通期業績予想と大きな乖離はありませんでした。
また、2026年2月時点において当社製品トレアキシン®RTD製剤を先発医薬品とする後発医薬品を3社が販売しております。
当社グループの事業は医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
② 研究開発活動
当連結会計年度においては、開発パイプラインにおいて、以下のとおり研究開発を推進しました。
SyB V-1901(一般名:brincidofovir<ブリンシドホビル>「BCV」)
BCVは、2019年にキメリックス社(Chimerix Inc.、本社:米国ノースカロライナ州)から導入し、そのポテンシャルを最大限に引き出すことを目的に、世界最高水準の研究機関とともに3つの治療領域で共同研究を進めてきました。①造血幹細胞移植後のウイルス感染症、②血液がん・固形がん、③脳神経変性疾患の3領域を事業の柱として、経営資源を重点配分し開発を加速しています。
なお、2025年10月に、厚生労働省より医薬品一般的名称(JAN:Japanese Accepted Names for Pharmaceuticals)の決定通知があり、それに従い、今後、brincidofovirの日本語名を「ブリンシドフォビル」より「ブリンシドホビル」に改めています。
移植後ウイルス感染症領域
・アデノウイルス感染症:米国で実施した免疫不全患者のアデノウイルス感染症を対象とした第Ⅱ相臨床試験において、2023年にIV BCVの抗ウイルス活性に関するPOCを確立しました。この結果に基づき、造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象としたIV BCVのグローバル第Ⅲ相臨床試験について、欧州連合(EU)の主要4カ国と英国および米国において2026年第1四半期の患者登録開始を期して準備を進めており、着実に試験を進めてまいります。本試験は、欧米を中心に80施設で180例の患者登録を予定しており、2028年下半期にEUでの新薬承認申請を計画しています。なお、アデノウイルス感染に対する本開発プログラムは、2016年7月に欧州委員会(European Commission)よりオーファンドラッグ指定、2021年4月に米国FDAからファストトラック指定、および2025年9月に厚生労働省から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。また、欧州医薬品庁および英国医薬品医療製品規制庁からグローバル第Ⅲ相試験開始の要件である小児医薬品開発計画の承認を受けています。
・サイトメガロウイルス感染症:免疫不全患者のサイトメガロウイルス感染症患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験を2024年5月に米国で開始し、累計19例の患者が登録され、本試験の結果については今後学会等での発表を行う予定です。なお、2016年4月に欧州委員会よりサイトメガロウイルス感染症の予防についてオーファンドラッグ指定を受けています。
・BKウイルス感染症:腎移植後のBKウイルス(BKV)感染症に対する開発については、現在プロトコルの修正の検討を行っております。
血液がん・固形がん領域
BCVは高い抗ウイルス作用に加え、抗腫瘍効果も確認されており、がん領域における臨床試験を実施しています。また、各国の研究機関との共同研究等を通じて、血液がん・固形がん領域における新規適応症の探索も行っています。
・悪性リンパ腫:悪性リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅰb相臨床試験(NL01試験)を2024年8月に日本で開始しましたが、2025年11月に、現在進行中のアデノウイルス感染症を対象とするグローバル第Ⅲ相臨床試験を最優先とし、経営資源を集中することで事業価値の最大化を図ることから、NL01試験を一時停止することにしました。なお、今回登録された4症例の再発難治性悪性リンパ腫患者のうち1例において部分奏効(PR、腫瘍の縮小を表す一指標)が確認され、動物試験で確認された本剤が持つ抗がん活性がヒトでも示唆される結果となりました。本試験の見直しを含め、今後のIV BCVのオンコロジーにおける開発にとり有益な材料となるものと考えます。
EBウイルス陽性リンパ腫に対するBCVの抗腫瘍効果とそのメカニズムの探索について、シンガポール国立がんセンターとの共同研究を実施しています。NK/T細胞リンパ腫・B細胞リンパ腫・末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)等に対するBCVの抗腫瘍効果や、BCVの抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーに関する共同研究成果は、欧米の国際学会で発表されました。
・悪性脳腫瘍(膠芽腫):2021年からカリフォルニア大学サンフランシスコ校脳腫瘍センターと、BCVの脳腫瘍に対する抗腫瘍効果に関する共同研究を実施しています。2025年4月、米国シカゴで開催された米国がん学会年次総会で、悪性脳腫瘍におけるBCVの有効性と、その効果を予測するバイオマーカーとなる遺伝子に関する研究成果を発表しました。2025年11月には、米国神経腫瘍学会で、さまざまな患者の脳から摘出された悪性脳腫瘍がそのままマウスで維持・継代されたマウスモデル(PDX)を主に用いた試験成績を発表しました。現在、臨床試験について、この領域におけるKey Opinion Leadersと検討中です。
・頭頸部がん:BCVの頭頸部がんに対する治療効果について、免疫チェックポイント阻害剤(抗ヒトPD-1抗体)との顕著な併用効果を含む前臨床試験の結果を、2025年10月20日、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025、ドイツ・ベルリン)で発表しました。
・EBウイルス関連リンパ増殖性疾患:米国国立衛生研究所に所属する国立アレルギー・感染症研究所(NIAID:National Institute of Allergy and Infectious Diseases)との間で、EBウイルス関連リンパ増殖性疾患に対するBCVの有効性を評価するCRADAを2023年4月に締結しました。
脳神経変性疾患領域
2026年には、NIH主導で進行性多巣性白質脳症(PML)に対する第Ⅱ相臨床試験をNIH臨床センターで開始しました。また、アカデミアとの共同研究による前臨床試験から得られた研究成果を基に特許出願を行い、ライセンス契約を締結することで、本疾患領域における今後の開発および事業化を独占的に進めてまいります。
・ポリオーマウイルス感染症:ポリオーマウイルス、特にJCウイルス(JCV)は、二本鎖DNAウイルス(dsDNAウイルス)の中でも、感染により脳に重篤な疾患を引き起こすことが知られています。既存の抗ウイルス薬では効果がほとんど見られないため、有効な治療薬の開発が待望されています。2026年2月に、米国国立衛生研究所(NIH)内の米国国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)との間でCRADAを締結しました。IV BCVを用いてJCウイルスが活性化して起こる希少疾患であるPMLを対象としたNIH主導の臨床試験をNIH臨床センターで2026年に開始しました。
前臨床試験においては、2022年11月、米国ペンシルベニア州立大学とポリオーマウイルス感染マウスモデルにおけるBCVの抗ウイルス活性を検証する非臨床試験を実施し、2024年7月にはその研究成果として新たな知見がmBio誌に掲載されました。本共同研究を基に特許協力条約(PCT)による国際出願を完了しておりましたが、2025年12月にグローバルの独占的事業化を目的としてペンシルベニア州立大学とライセンス契約を締結しました。
・アルツハイマー型認知症:dsDNAウイルスの中には単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)をはじめ水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)など、脳神経組織への指向性を有するウイルスが存在します。これらのウイルスが潜伏感染からの再活性化を通じて、アルツハイマー型認知症を含む様々な脳神経疾患の発症に関与している可能性が近年示唆され、研究が進展しています。2022年12月、米国タフツ大学により確立されたヒト神経幹細胞を用いて脳組織を3次元に模倣したHSV感染・再活性化モデルにおいて、単純ヘルペスウイルス感染による認知症関連指標に対するBCVの効果を検証するための委託研究契約(Sponsored Research Agreement)を締結し、共同研究を実施しています。IV BCVを用いたアルツハイマー型認知症を含む脳神経変性疾患の治療薬開発に関し、本研究成果を基に特許出願を実施しており、2025年12月、本件のグローバルにおける独占的な事業化を目的としてタフツ大学とのライセンス契約を締結しました。これにより、シンバイオは当該特許出願に基づく開発および商業化に関するグローバルな独占的権利を有することになります。本特許は、特許協力条約(PCT)に基づく国際出願を完了済みです。
・多発性硬化症:難病である多発性硬化症は、近年、EBウイルスの関連が証明されました。BCVは他の抗ウイルス剤に比べ、EBウイルスに対して高い抗ウイルス活性を有することから、2023年3月にNINDSとCRADAを締結し、EBウイルスを標的とした新規治療法の開発に向けた共同研究を開始しました。同年10月、この共同研究チームは、 欧州多発性硬化症学会(ECTRIMS 2023、イタリア)において、多発性硬化症患者由来の細胞を用いた実験で、BCVがEBウイルス活性を選択的に阻害するという結果を発表しました。この結果は、BCVが多発性硬化症の治療薬となる可能性を強く示唆するものです。なお、BCVが、EBウイルスが潜伏するリンパ球のみを標的とすることにより、従来のB細胞リンパ球の除去を目的とした治療方法とは異なる画期的な治療法の開発につながる可能性を示唆する研究成果が有力科学ジャーナルであるJournal of Clinical Investigation誌に掲載されました。
③ IVD事業(新規開発事業)
当社は、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社(以下、日鉄C&M)との共同研究の成果として、ナノレベルに比べて1000倍の感度を有する高感度でウイルスを検出可能な、イムノアッセイ法(およびイムノアッセイ装置)の共願特許を2025年10月に日本において取得し、同月に公開されました。両社が開発した新しい検査システムは、これまで技術的に困難とされてきた「迅速・簡便・超高感度」という測定への求めに応えるものです。このシステムによって、患者様のベッドサイドを含めてどのような測定場所からでも検査結果を即座に医療機関と共有が可能となり、疾患の早期の検査・診断から、治療方針の決定、その後の経過観察まで、幅広い医療の過程で活用が期待されます。また、本検査システムの応用範囲は医療分野に限らず、農業における病害検査、畜産業における感染症検査、食品産業における安全性検査など、非医療分野においても様々な展開が可能です。なお、グローバル展開に向けて、2025年10月に日鉄C&Mと共同でPCT出願を完了しています。
④ 新規開発候補品の導入
当社グループは2019年に導入したBCVのグローバル開発を推進するとともに、従来からの取り組みである複数のライセンス案件の検討を進め、新規開発候補品の探索評価の実施を通じて、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業として中長期的な事業価値の創造を目指してまいります。
(2)当期の財政状態の概況
(資産、負債及び純資産)
当連結会計年度末における総資産は3,867,316千円となりました。流動資産は3,824,049千円となり、主な内訳は、現金及び預金が2,883,503千円、前渡金259,963千円、売掛金が259,676千円、商品及び製品が152,551千円であります。固定資産は43,267千円となり、主な内訳は、敷金及び保証金37,349千円であります。
負債の部については、総額2,595,276千円となりました。流動負債は1,290,365千円となり、主な内訳は、1年内償還予定の社債682,500千円、未払金が468,270千円であります。固定負債は1,304,911千円となり、主な内訳は、転換社債型新株予約権付社債が1,300,000千円であります。
純資産の部については、総額1,272,040千円となりました。主な内訳は、資本金が19,244,128千円、資本剰余金が19,218,965千円、新株予約権が347,869千円であります。
この結果、自己資本比率は23.9%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,883,503千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
税金等調整前当期純損失4,748,620千円の計上、未払金169,380千円の減少、その他の流動資産128,061千円の増加等により営業活動資金が減少した一方、売上債権163,476千円の減少等により、全体では4,575,568千円の支出(前連結会計年度は3,416,518千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
敷金及び保証金の回収による収入6,571千円、無形固定資産の取得による支出82,472千円等により、75,916千円の支出(前連結会計年度は3,955千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
新株予約権付社債の発行による収入1,689,719千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,256,210千円、社債の発行による収入1,235,000千円、社債の償還による支出552,500千円等により、全体では3,621,610千円の収入(前連結会計年度は708,472千円の収入)となりました。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
2. 営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載していません。
(4)今後の見通し
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、トレアキシン®事業において薬価改定及び後発品浸透の影響により医薬品売上高は減少傾向で推移するものと見込んでおります。
一方で、2026年12月期は、BCVの造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象としたグローバル第Ⅲ相臨床試験の開始を最重要課題と位置づけ、2025年12月に再編したグローバル組織の下で研究開発活動を推進してまいります。これに伴い、BCVに係る研究開発への投資を加速させ、将来の承認申請および商業化を見据えた本格的な開発段階へ移行していく予定です。
また、超高感度イムノクロマト技術を基盤としたIVD事業(新規開発事業)につきましては、医療分野に加え、農業分野や環境モニタリング等への応用可能性を有しており、早期の事業化推進および外部パートナーとの連携の検討に取り組んでいきます。
2026年12月期の連結業績予想につきましては、以下のとおりです。
売上高は、3,891百万円を見込んでおります。
このうち、トレアキシン®事業の医薬品売上高につきましては、前連結会計年度から416百万円減少の891百万円となる見通しです。
また、BCVおよびIVD事業については、将来的なパートナリングおよび事業提携の可能性を検討しております。これらは現時点では未確定であるものの、当社グループの成長戦略における重要な施策の一つと位置付けており、パートナリング収入3,000百万円を売上高として織り込んでおります。その結果、売上総利益については、前連結会計年度から2,692百万円増加し、3,639百万円となる見通しです。
販売費及び一般管理費では7,870百万円と2,481百万円の増加を見込んでいます。
そのうち研究開発費につきましては、研究開発部門の体制強化に伴う各種関連費用に加え、BCVの造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象としたグローバル第Ⅲ相臨床試験実施に伴い、前連結会計年度から2,780百万円増加の6,077百万円となる見込みです。
それに対して、研究開発費を除くその他の販売費及び一般管理費は、費用管理の徹底や経費削減に継続的に取り組み、前連結会計年度から298百万円減少の1,792百万円を見込んでおります。
これにより営業損失は4,231百万円、経常損失4,291百万円、親会社株主に帰属する当期純損失4,331百万円となる見通しです。
このような状況のもと、当社グループは、BCV開発を中心とした研究開発の進捗および資金支出の状況を踏まえ、経営資源の配分および費用構造の適正化を継続的に検証しながら、事業ポートフォリオ全体としての価値最大化および財務基盤の改善に努めてまいります。
なお、これらの見通しは、研究開発の進捗、事業提携の成否および資金調達環境等により変動する可能性があります。
当社グループは、医薬品業界の構造的変化とともに拡大する「空白の治療領域」に集中特化した新薬開発に取り組み、大手製薬企業が採算面で参入しにくい難度の高い「がん、血液、ウイルス感染症を中心とする希少疾患」を核とした新薬開発を実施しております。
具体的には、BCVを中核とした研究開発型事業モデルのもと、グローバル市場におけるスペシャリティ・ファーマへの転換を目指して事業を推進しております。
一方で、医薬品として製品化し、収益を得るまでに多額の研究開発費と長い時間を要する等の特性があります。
主力製品であるトレアキシン®の売上高は、薬価改定及び後発品浸透の影響により継続的に減少しており、これに加えてBCVを中心とした研究開発活動は投資の回収までには一定の期間を要する事業構造であることから、前連結会計年度まで2期連続して、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、また、前連結会計年度の損失額に重要性が認められることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しておりました。
当連結会計年度においても、引き続き営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
このような状況に対応するため、当社グループでは、以下の施策を講じてまいります。
1.事業価値の向上
BCVを当社事業の中核となるパイプラインと位置づけ、造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象としたグローバル第Ⅲ相臨床試験を軸に、将来の新薬承認申請および商業化を見据えた開発活動を推進しております。
当該領域は、治療選択肢が限られており、未充足の医療ニーズが極めて高い分野であることから、当社グループとしては、BCVの臨床開発を着実に遂行することが、当社の事業価値を質的に転換させる重要な要素になるものと評価しております。
また、BCVについては、アデノウイルス感染症に加え、PMLやがん領域等、複数の適応症を対象とした研究開発にも取り組んでおり、単一適応症に依存しないパイプライン価値の拡張を図っております。これにより、BCVを軸とした事業価値の多面的な顕在化を目指しております。
さらに、将来の成長オプションとして、診断分野等の周辺領域における技術資産についても事業化の可能性を検討しており、これらを含めた事業ポートフォリオ全体としての価値向上に取り組んでおります。
2.資金の確保
当社グループでは、研究開発型事業の特性を踏まえ、事業運営に必要な資金を確保するため、エクイティ・ファイナンス等の資金調達手段を活用しております。
これらの資金調達については、今後の研究開発の進捗や市場環境等を踏まえつつ、資金需要に応じて実行していく方針であり、引き続き資金確保に向けた取り組みを継続してまいります。
3.他社との協業による資金調達および事業提携
BCV開発およびIVD事業の推進にあたり、他社との協業を通じた資金調達や事業提携の可能性についても継続的に検討し、他社との交渉を進めております。
これらの取り組みは、研究開発リスクの分散や資金負担の軽減のみならず、当社事業価値の顕在化を加速させる手段の一つとして位置づけております。
4.事業収支の改善
自社研究および国内外研究機関との共同研究から創出される研究成果について、知的財産権化を進めるとともに、ライセンスアウト等を通じた収益機会の創出を目指しております。
併せて、研究開発活動の進捗を踏まえた費用管理の徹底や経費削減に継続的に取り組み、固定費構造の最適化を通じて、事業運営の効率化および事業収支の改善を図ってまいります。
以上の施策を講じておりますが、BCVの研究開発の進捗状況、将来のパートナリングや事業提携の成否、ならびに資金調達環境等には不確実性が存在しており、現時点においては、当社グループには継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在しているものと認識しております。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
(6)当社グループのパイプラインについて
当社グループは現在開発中のパイプラインとして、SyB V-1901、SyB L-1701、SyB L-1702を有しています。今後も開発候補品を継続的に導入することにより、パイプラインのより一層の拡充及びリスク・リターンのバランスのとれたパイプライン・ポートフォリオを構築してまいります。
① [SyB V-1901(一般名:Brincidofovir<ブリンシドホビル>「BCV」)]
2019年9月にキメリックス社との間でBCVに関しての独占的グローバルライセンス契約を締結し、オルソポックスウイルスの疾患(天然痘・エムポックスを含む)を除いたすべての適応症を対象としたBCVの世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利を取得しました。2022年9月、エマージェント・バイオソリューションズ社(本社:米国メリーランド州)がキメリックス社からのBCVに関する権利の譲渡を受けた後も、当社の取得したBCVに関する、天然痘・エムポックスを含むオルソポックスウイルスの疾患を除いたすべての適応症を対象とした、全世界での独占的開発・製造・販売権に対する影響はありません。
本剤は、既に欧米における経口剤を用いた臨床試験において高活性の抗ウイルス効果を示し、また広域のスペクトラムを有することが確認されており、各種dsDNAウイルスに対する幅広い抗ウイルス活性は、IV BCVに関しても造血幹細胞移植など免疫不全状態での各種ウイルス感染症の予防および治療に対する有効性と安全性が期待されます。
開発については、「空白の治療領域」でアンメット・メディカル・ニーズの高い、造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象に、IV BCVの臨床試験を優先的に推進中です。今後は本試験により得られた有効性と安全性に関するPOCデータを活用し、抗マルチウイルス感染症へ対象領域を拡大、あるいは他の治療領域に対してもIV BCVの開発プラットフォームの構築を目指してまいります。BCVは抗がん活性をもつことが確認されており、2024年8月にIV BCVによる悪性リンパ腫を対象とした国際共同第Ⅰb相臨床試験を開始しました。また、脳神経変性疾患領域においては、2026年に、進行性多巣性白質脳症を対象とした第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
なお、キメリックス社は、2020年12月、天然痘の医学的防衛策としてBCV経口剤のNDAの提出をFDAが受理したことを発表し、2021年6月にFDAから承認を取得しました。
また、当社は疾患ごとの臨床使用実態(添付文書に記載される事項を含む)を見据えた用途特許の確保を進めることで、適応症ごとの排他的保護期間を確保・強化し、IV BCVの資産価値の最大化を図っております。なお、現在第Ⅲ相試験実施中のアデノウイルス感染症については、用途特許を日本で取得(有効期限:2043年)し、米国および欧州でも特許査定通知を受領しました。また、エマージェント社はIV BCVの製剤特許を日本、欧州、米国で取得しており、当社はライセンス契約に基づきその独占的使用権を得ております。
② [抗がん剤 SyB L-1701(RTD製剤) / SyB L-1702(RI投与))(一般名:ベンダムスチン塩酸塩水和物、製品名:トレアキシン®)]
ベンダムスチン塩酸塩(一般名)は、日本においては、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)の承認を取得しております。また、イーグル社との間でトレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI投与)の日本における独占的ライセンス契約を締結しております。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務諸表を作成する方針であります。
なお、国際会計基準(IFRS)の適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であります。
3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
連結包括利益計算書
(3)連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
当社グループは、医薬品業界の構造的変化とともに拡大する「空白の治療領域」に集中特化した新薬開発に取り組み、大手製薬企業が採算面で参入しにくい難度の高い「がん、血液、ウイルス感染症を中心とする希少疾患」を核とした新薬開発を実施しております。
具体的には、BCVを中核とした研究開発型事業モデルのもと、グローバル市場におけるスペシャリティ・ファーマへの転換を目指して事業を推進しております。
一方で、医薬品として製品化し、収益を得るまでに多額の研究開発費と長い時間を要する等の特性があります。
主力製品であるトレアキシン®の売上高は、薬価改定及び後発品浸透の影響により継続的に減少しており、これに加えてBCVを中心とした研究開発活動は投資の回収までには一定の期間を要する事業構造であることから、前連結会計年度まで2期連続して、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、また、前連結会計年度の損失額に重要性が認められることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しておりました。
当連結会計年度においても、引き続き営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
このような状況に対応するため、当社グループでは、以下の施策を講じてまいります。
1.事業価値の向上
BCVを当社事業の中核となるパイプラインと位置づけ、造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象としたグローバル第Ⅲ相臨床試験を軸に、将来の新薬承認申請および商業化を見据えた開発活動を推進しております。
当該領域は、治療選択肢が限られており、未充足の医療ニーズが極めて高い分野であることから、当社グループとしては、BCVの臨床開発を着実に遂行することが、当社の事業価値を質的に転換させる重要な要素になるものと評価しております。
また、BCVについては、アデノウイルス感染症に加え、PMLやがん領域等、複数の適応症を対象とした研究開発にも取り組んでおり、単一適応症に依存しないパイプライン価値の拡張を図っております。これにより、BCVを軸とした事業価値の多面的な顕在化を目指しております。
さらに、将来の成長オプションとして、診断分野等の周辺領域における技術資産についても事業化の可能性を検討しており、これらを含めた事業ポートフォリオ全体としての価値向上に取り組んでおります。
2.資金の確保
当社グループでは、研究開発型事業の特性を踏まえ、事業運営に必要な資金を確保するため、エクイティ・ファイナンス等の資金調達手段を活用しております。
これらの資金調達については、今後の研究開発の進捗や市場環境等を踏まえつつ、資金需要に応じて実行していく方針であり、引き続き資金確保に向けた取り組みを継続してまいります。
3.他社との協業による資金調達および事業提携
BCV開発およびIVD事業の推進にあたり、他社との協業を通じた資金調達や事業提携の可能性についても継続的に検討し、他社との交渉を進めております。
これらの取り組みは、研究開発リスクの分散や資金負担の軽減のみならず、当社事業価値の顕在化を加速させる手段の一つとして位置づけております。
4.事業収支の改善
自社研究および国内外研究機関との共同研究から創出される研究成果について、知的財産権化を進めるとともに、ライセンスアウト等を通じた収益機会の創出を目指しております。
併せて、研究開発活動の進捗を踏まえた費用管理の徹底や経費削減に継続的に取り組み、固定費構造の最適化を通じて、事業運営の効率化および事業収支の改善を図ってまいります。
以上の施策を講じておりますが、BCVの研究開発の進捗状況、将来のパートナリングや事業提携の成否、ならびに資金調達環境等には不確実性が存在しており、現時点においては、当社グループには継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在しているものと認識しております。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
(セグメント情報等)
当社グループの事業は、医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(1株当たり情報)
(注)1. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しな
いため記載しておりません。
2. 1株当たり当期純損失の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
2. 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(重要な後発事象)
当連結会計年度において、該当事項はありません。