1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………9
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………11
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………12
(5)資本配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………14
2.経営方針 …………………………………………………………………………………………………………15
(1)経営の基本方針 ……………………………………………………………………………………………15
(2)経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題等 ………………………………………………15
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………17
4.連結財務諸表[IFRS]及び主な注記 ……………………………………………………………………………18
(1)連結損益計算書 ……………………………………………………………………………………………18
(2)連結包括利益計算書 ………………………………………………………………………………………19
(3)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………20
(4)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………22
(5)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………24
(6)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………26
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………26
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) ………………………………………………………26
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………27
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………27
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………27
【財務補足資料】
① 事業の概況
当社は、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業として、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの重点疾患領域において、革新的な医薬品を創出し続けることを追求するとともに、血漿分画製剤およびワクチンをお届けすることにも注力しています。当社はパートナーとともに、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)からなるパイプラインを通じて、患者さんの治療体験の向上を図り、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても治療選択肢の拡大に取り組んでいます。また、バリューチェーン全体にわたり先進技術や人工知能(AI)の統合を進めることで、事業運営の有効性と効率性を高め、イノベーションを促進し、ステークホルダーへの提供価値の向上につなげています。当社は、約80の国と地域で医薬品を販売しており、世界中に製造拠点を有するとともに、日本および米国に主要な研究拠点を有しています。販売においては、米国、日本および欧州において非常に高いプレゼンスを有しており、中国においても成長している事業を展開しています。当社の従業員は、私たちの存在意義のもとに結束し、2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に根ざして行動しています。
② 当年度における業績の概要
当年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。
本項において、国際会計基準(IFRS)に準拠した実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減額および増減率は「AER」の表記で示し、国際会計基準(IFRS)に準拠しない恒常為替レート(Constant Exchange Rate)ベースの増減率は「CER」の表記で示しています。「CERベースの増減率」の追加的な情報については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
〔売上収益〕
売上収益は、4兆5,057億円(△758億円および△1.7% AER、△2.7% CER)となりました。この減収は、主に当社の6つの主要なビジネスエリアの一つであるニューロサイエンス(神経精神疾患)における減収によるものです。ニューロサイエンスにおける減収は、主に米国における注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療剤VYVANSEの後発品の市場浸透による減収影響を引き続き受けたことによるものです。当社の他の主要なビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、およびワクチンにおける売上収益は増収となりました。一部の製品は米国におけるメディケア・パートⅮの再設計および340Bプログラムの拡大による影響を受けたものの、米国以外の地域におけるその他の製品の需要は堅調に推移しました。当社の6つの主要なビジネスエリア以外の売上収益は、2,240億円(△334億円および△13.0% AER、△15.9% CER)となりました。
地域別売上収益
各地域の売上収益は以下のとおりです。
(注) その他の地域は中東、オセアニアおよびアフリカを含みます。
ビジネスエリア別売上収益
各ビジネスエリアの売上収益は以下のとおりです。
各ビジネスエリアにおける売上収益の前年度からの増減は、主に以下の製品によるものです。
・消化器系疾患
消化器系疾患の売上収益は、1兆4,075億円(+504億円および+3.7% AER、+3.1% CER)となりました。
潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)の売上は、9,580億円(+439億円および+4.8% AER、+4.2% CER)となりました。米国における売上は、6,237億円(+45億円および+0.7% AER)となりました。この増収は、皮下注射製剤の売上が伸長したことによるものですが、対米ドルでの円高による減収影響により相殺されました。欧州およびカナダにおける売上は、2,567億円(+293億円および+12.9% AER)となりました。この増収は、主に皮下注射製剤の継続的な使用拡大に伴い患者が増加したことに加え、対ユーロでの円安による増収影響によるものです。
酸関連疾患治療剤タケキャブ/VOCINTIの売上は、1,437億円(+129億円および+9.9% AER、+9.6% CER)となりました。この増収は、中国および日本における堅調な需要によるものです。
好酸球性食道炎治療剤EOHILIAの売上は、88億円(+33億円および+61.0% AER, +63.2% CER)となりました。この増収は、米国における堅調な需要によるものです。
慢性特発性便秘症治療剤RESOLOR/MOTEGRITYの売上は、73億円(△122億円および△62.7% AER、△62.8% CER)となりました。この減収は、主に米国において2025年1月から複数の後発品が参入したことによるものです。
・希少疾患
希少疾患の売上収益は、7,627億円(+99億円および+1.3% AER、△0.3% CER)となりました。
移植後のサイトメガロウイルス感染/感染症治療剤リブテンシティの売上は、469億円(+139億円および+42.2% AER、+41.0% CER)となりました。この増収は、主に米国において市場浸透が継続して好調に進んだことに加え、欧州および成長新興国において引き続き販売エリアが拡大したことによるものです。
先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療剤アジンマの売上は、120億円(+49億円および+68.8% AER、+65.1% CER)となりました。この増収は、欧州において上市以降、売上が着実に増加したことによるもので、超希少疾患患者さんのアンメット・ニーズを反映しています。
フォン・ヴィレブランド病治療剤ボンベンディの売上は、253億円(+43億円および+20.8% AER、+18.6% CER)となりました。この増収は、ボンベンディの適応拡大(成人患者に対する出血傾向の抑制のための定期補充療法)によるものです。
血友病A治療剤アディノベイト/ADYNOVIの売上は567億円(△79億円および△12.3% AER、△13.1% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化によるものです。
血友病A治療剤アドベイトの売上は1,055億円(△62億円および△5.6% AER、△6.8% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化によるものです。
・血漿分画製剤
血漿分画製剤の売上収益は、1兆575億円(+249億円および+2.4% AER、+1.9% CER)となりました。
主に原発性免疫不全症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎および多巣性運動ニューロパチーの治療に用いられる免疫グロブリン製剤の売上合計は、7,906億円(+328億円および+4.3% AER、+4.1% CER)となりました。この増収は、皮下注射製剤のキュービトルとハイキュービアの売上が伸長したことによるものです。静脈注射製剤のGAMMAGARD LIQUID/KIOVIGの売上は、米国におけるメディケア・パートⅮの再設計および対米ドルでの円高による減収影響を受けたものの、わずかに増収となりました。
血友病Aおよび血友病B治療剤ファイバの売上は、329億円(△66億円および△16.6% AER、△17.7% CER)となりました。この減収は、全ての地域において、遺伝子組換え製剤との競争が激化したことによるものです。
・オンコロジー
オンコロジーの売上収益は、5,801億円(+197億円および+3.5% AER、+2.0% CER)となりました。
悪性リンパ腫治療剤アドセトリスの売上は、1,402億円(+112億円および+8.7% AER、+5.3% CER)となりました。この増収は、欧州および成長新興国における堅調な需要に加え、対ユーロでの円安による増収影響によるものです。
大腸がん治療剤FRUZAQLA(国内製品名:フリュザクラ)の売上は、551億円(+72億円および+14.9% AER、+14.6% CER)となりました。この増収は、本剤が転移性大腸がんにおける新たな治療選択肢として、欧州、日本および成長新興国において上市後、着実に市場浸透したことによるものです。この増収は、米国における売上がメディケア・パートⅮの再設計による影響を受けて減少したことで一部相殺されました。
白血病治療剤アイクルシグの売上は、750億円(+43億円および+6.1% AER、+5.6% CER)となりました。この増収は、主にカナダにおける売上が増加したことによるものです。
子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳がん・前立腺がん等の治療に用いられるリュープリン/ENANTONEの売上は、1,208億円(+15億円および+1.3% AER、△0.4% CER)となりました。この増収は、主に対ユーロでの円安による増収影響によるものです。
多発性骨髄腫治療剤ニンラーロの売上は、821億円(△91億円および△10.0% AER、△10.5% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化と需要の減少によるものです。この減収は、成長新興国における売上が増加したことにより一部相殺されました。
・ワクチン
ワクチンの売上収益は、596億円(+42億円および+7.6% AER、+5.1% CER)となりました。
デング熱ワクチンQDENGAの売上は、408億円(+52億円および+14.6% AER、+10.7% CER)となりました。この増収は、成長新興国における高い需要により上市以降、売上が増加したことによるものです。
その他のワクチンの売上合計は、減収となりました。この減収は、主に日本における麻しん風しん混合ワクチンであるMRワクチンの一時的な出荷停止が継続したことによるものです。
・ニューロサイエンス
ニューロサイエンスの売上収益は、4,143億円(△1,515億円および△26.8% AER、△27.2% CER)となりました。
ADHD治療剤VYVANSE/ELVANSE(国内製品名:ビバンセ)の売上は、2,032億円(△1,474億円および△42.0% AER、△43.0% CER)となりました。この減収は、主に米国において後発品の市場浸透が引き続き進んだことによるものです。
〔売上原価〕
売上原価は、1兆5,716億円(△86億円および△0.5% AER、△1.9% CER)となりました。この減少は、売上収益の減少に加え、在庫に積み上がった為替影響を認識するプロセスの導入に伴い前年度に売上原価の調整を計上したことによるものです。一方で、これらの減少は、特に米国におけるVYVANSE後発品の市場浸透により製品構成が変化したことによる原価率の上昇や、対ユーロでの円安による為替影響により、大部分が相殺されました。
〔販売費及び一般管理費〕
販売費及び一般管理費は、1兆842億円(△206億円および△1.9% AER、△2.5% CER)となりました。この減少は、主に全社的な効率化プログラムのコスト節減効果により費用が削減されたことによるものです。
〔研究開発費〕
研究開発費は、6,759億円(△543億円および△7.4% AER、△7.0% CER)となりました。この減少は、ザソシチニブやelriterceptをはじめとする一部の後期開発パイプラインに係る費用が増加したものの、その他の開発プログラムにおいて開発の中止や臨床試験の進捗に伴い費用が減少したこと、メザギタマブに関しては共同開発資金を研究開発費の減額として認識したこと、および全社的な効率化プログラムのコスト節減効果による費用の減少があったことによるものです。
〔製品に係る無形資産償却費及び減損損失〕
製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、6,335億円(△97億円および△1.5% AER、△1.7% CER)となりました。この減少は、無形資産減損損失が増加(+342億円)したものの、VYVANSE/ELVANSEに係る無形資産の償却終了などに伴い、無形資産償却費が減少(△439億円)したことによるものです。当年度の減損損失には、細胞療法研究の中止の決定に伴い計上したガンマ・デルタT細胞療法プラットフォームおよび関連するオンコロジーのプログラムに係る減損損失582億円、および将来の売上予測の低下により計上した非小細胞肺がん治療剤アルンブリグに係る減損損失319億円が含まれます。前年度の減損損失には、Maverick Therapeutics Inc.の買収により獲得したTAK-186およびTAK-280の開発中止の決定に伴い計上した減損損失278億円、およびソチクレスタット(TAK-935)の臨床第3相試験において主要評価項目を達成できなかったことにより計上した減損損失215億円が含まれます。
〔その他の営業収益〕
その他の営業収益は、247億円(△15億円および△5.6% AER、△4.4% CER)となりました。この減少は、主に前年度において条件付対価契約に関する金融負債の公正価値変動に伴う収益を計上したこと、および当年度におけるその他の収益の減少によるものの、当年度に計上した事業売却益の増加により大部分が相殺されたものです。
〔その他の営業費用〕
その他の営業費用は、1,564億円(△503億円および△24.3% AER、△25.8% CER)となりました。この減少は、当年度において、主として全社的な効率化プログラムに関連する費用を含む事業構造再編費用が573億円減少したことによるものです。加えて、前年度に計上した、開発を中止した治験に係る患者さんの将来アクセス対応のための一時的な費用が当年度は発生しなかったこと、および資産に係る減損損失が減少したことも、減少要因となりました。これらの減少要因は、承認前在庫に係る費用計上額が増加したことにより、一部が相殺されました。
〔営業利益〕
営業利益は、上記の要因を反映し、4,088億円(+662億円および+19.3% AER、+14.5% CER)となりました。
〔金融損益〕
金融収益と金融費用をあわせた金融損益は1,464億円の損失(△171億円および△10.5% AER、△7.5% CER)となりました。この減少は、主に武田テバファーマ株式会社の株式の売却に係る減損損失189億円を前年度に計上したことによるものです。
〔持分法による投資損益〕
持分法による投資損益は、22億円の損失(△18億円および△45.4% AER、△52.9% CER)となりました。
〔法人所得税費用〕
法人所得税費用は、682億円(+12億円および+1.8% AER、△10.4% CER)となりました。この増加は主に、税引前当期利益の増加や税額控除の減少による税金費用の増加があったことによるもので、当年度における繰延税金資産の回収可能性の見直しによる税金費用の減少により、大部分が相殺されております。
〔当期利益〕
当期利益は、上記の要因を反映し、1,920億円 (+839億円および+77.6% AER、+65.7% CER)、当期利益(親会社の所有者帰属分)は、1,918億円(+838億円および+77.7% AER、+65.8% CER)となりました。
③ 当年度におけるCore業績の概要
Core財務指標とCERベースの増減の定義および説明
当社は、国際会計基準(IFRS)に準拠した財務諸表に加え、業績評価において「Core財務指標」の概念を採用しています。本指標は、IFRSに準拠したものではありません。追加的な情報については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
Core業績
〔Core売上収益〕
Core売上収益は、4兆5,057億円(△741億円および△1.6% AER、△2.6% CER)となりました。この減収は、主に米国においてVYVANSEの後発品の市場浸透が引き続き進んだ影響を受けたことにより、ニューロサイエンスの売上収益が減少したことによるものです。
タケダの成長製品・新製品(注)の売上収益は2兆3,133億円(+1,114億円および+5.1% AER、+4.5% CER)となりました。
(注)当年度のタケダの成長製品・新製品
消化器系疾患:ENTYVIO、EOHILIA
希少疾患:タクザイロ、リブテンシティ、アジンマ
血漿分画製剤(免疫疾患):GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤、
HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含むアルブミン製剤
オンコロジー:アルンブリグ、FRUZAQLA
ワクチン:QDENGA
〔Core営業利益〕
Core営業利益は、1兆1,725億円(+98億円および+0.8% AER、△0.9% CER)となりました。Core営業利益の内訳は以下のとおりです。
報告期間における上記項目の増減は以下のとおりです。
〔Core売上原価〕
Core売上原価は、1兆5,726億円(△92億円および△0.6% AER、△1.9% CER)となりました。この減少は、売上収益の減少に加え、在庫に積み上がった為替影響を認識するプロセスの導入に伴い前年度に売上原価の調整を計上したことによるものです。一方で、これらの減少は、特に米国におけるVYVANSE後発品の市場浸透により製品構成が変化したことによる原価率の上昇や、対ユーロでの円安による為替影響により、大部分が相殺されました。
〔Core販売費及び一般管理費〕
Core販売費及び一般管理費は、1兆847億円(△204億円および△1.8% AER、△2.5% CER)となりました。この減少は、主に全社的な効率化プログラムのコスト節減効果により費用が削減されたことによるものです。
〔Core研究開発費〕
Core研究開発費は、6,760億円(△544億円および△7.4% AER、△7.0% CER)となりました。この減少は、ザソシチニブやelriterceptをはじめとする一部の後期開発パイプラインに係る費用が増加したものの、その他の開発プログラムにおいて開発の中止や臨床試験の進捗に伴い費用が減少したこと、メザギタマブに関しては共同開発資金を研究開発費の減額として認識したこと、および全社的な効率化プログラムのコスト節減効果による費用の減少があったことによるものです。
〔Core当期利益〕
Core当期利益は、8,144億円(+386億円および+5.0% AER、+2.9% CER)、Core当期利益(親会社の所有者帰属分)は、8,141億円(+385億円および+5.0% AER、+2.9% CER)となりました。Core当期利益は、Core営業利益に基づき、以下のとおり算出されます。
報告期間における上記項目の増減は以下のとおりです。
〔Core金融損益〕
Core金融収益とCore金融費用をあわせた金融損益は、1,332億円の損失(△75億円および△5.3% AER、△1.9% CER)となりました。
〔Core持分法による投資損益〕
Core持分法による投資損益は、1億円の損失(△13億円)となりました。
〔Core税引前当期利益〕
Core税引前当期利益は、1兆392億円(+161億円および+1.6% AER、△0.9% CER)となりました。
〔Core法人所得税費用〕
Core法人所得税費用は、2,248億円(△225億円および△9.1% AER、△12.8% CER)となりました。この減少は主に、当年度における繰延税金資産の回収可能性の見直しにより、Core法人所得税費用が減少したことによるものです。
〔Core EPS〕
Core EPSは、517円(+26円および+5.2% AER、+3.1% CER)となりました。
〔資産〕
当年度末における資産合計は、15兆4,531億円(+1兆2,048億円)となりました。主に為替換算の影響により、のれん、棚卸資産および有形固定資産が増加(+4,846億円、+1,793億円および+1,524億円)しております。米国における売上債権の売却プログラムを減額したことなどによる売上債権残高の増加、ならびに為替換算の影響により、売上債権及びその他の債権が増加(+1,348億円)しております。主に無形資産の償却や、繰延税金資産の回収可能性の見直しにより、繰延税金資産が増加(+1,171億円)しております。主に日本における金利通貨スワップに係る公正価値変動により、その他の金融資産合計が増加(+1,102億円)しております。加えて、現金及び現金同等物が増加(+2,099億円)しております。これらの増加は、主に償却および減損による無形資産の減少(△2,122億円)により一部相殺されております。
〔負債〕
当年度末における負債合計は、7兆6,783億円(+3,659億円)となりました。社債及び借入金合計は4兆8,818億円(注)(+3,666億円)となり、償還および返済により一部相殺されたものの、主に為替の影響に加え、円貨建無担保普通社債および米ドル建保証付無担保普通社債の発行、ならびに新たなバイラテラルローンの借入により増加しております。
(注)当年度末における社債及び借入金の帳簿価額はそれぞれ4兆6,568億円および2,250億円です。なお、社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。
社債:
借入金:
当社グループは、2025年4月25日に、バイラテラルローン100億円を満期返済しました。2025年6月12日には、発行総額1,840億円、償還期日2030年6月12日から2035年6月12日の円貨建無担保社債(「本円建社債」)を発行しました。本円建社債の発行により調達した資金は、コマーシャル・ペーパーの償還に充当されました。その後、2025年6月23日には、米ドル建無担保普通社債800百万米ドルを満期償還しました。また、2025年3月31日に借入れた500百万米ドルのバイラテラルローンについては、2025年7月3日まで月次で借換をしています。
2025年7月2日には、発行総額2,400百万米ドル、償還期日2035年7月7日および2055年7月7日の米ドル建保証付無担保普通社債(「本米ドル建社債」)を、当社の間接的な完全子会社である武田U.S.ファイナンシング Inc.により発行しました。本米ドル建社債の発行により調達した資金は、2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの返済と2025年7月のコマーシャル・ペーパーの償還に主に充当されました。
当社グループは、2026年3月31日に、満期を迎えたバイラテラルローン750億円を返済するとともに、同日に、返済期日2034年3月31日の新たなバイラテラルローン600億円の借入を実行しました。また、同日、円建3,500億円および米ドル建2,100百万米ドルのコミットメントファシリティー契約をそれぞれ締結しました。本コミットメントファシリティーはどちらも2026年3月31日から最低5年間有効です。なお、本コミットメントファシリティーの契約締結にあたり、2026年9月に期間満了を迎える予定であった既存の円建7,000億円のコミットメントファシリティー契約は、同日付で解約しました。新たに設定した本コミットメントファシリティーの使途は一般事業資金です。
(注)上記の社債及び借入金に関する説明に記載している金額は、元本金額で表示しております。
〔資本〕
当年度末における資本合計は、7兆7,748億円(+8,388億円)となりました。この増加は、主に円安の影響による為替換算調整勘定の変動により、その他の資本の構成要素が増加(+9,455億円)したことによるものです。この増加は、当期利益1,920億円の計上があったものの、配当金の支払いに伴う3,125億円の減少により、利益剰余金が減少(△1,311億円)したことにより一部相殺されております。
(単位:億円)
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、1兆414億円(△158億円)となりました。この減少は主に、その他の金融負債の減少などにより、資産及び負債の増減額が減少したことによるものです。この減少は、先物為替予約の決済(純額)による正味キャッシュ・フローが増加したこと、および非資金項目およびその他の調整項目を調整した後の当期利益の増加などにより相殺されております。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、△3,691億円(△21億円)となりました。無形資産の取得による支出の増加や、投資の取得による支出の減少など、個々の投資活動における変動が相殺されたことにより、前年度と比べ微減となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、△4,968億円(+2,546億円)となりました。この増加は主に、社債および借入金の発行および償還・返済に伴う正味キャッシュ・フローの増加によるものです。
翌年度(2026年度)の連結業績予想は以下のとおりです。
2026年度の業績予想
(注)定義については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
[売上収益]
売上収益は、当年度(2025年度)から1,343億円増収(+3.0%)の4兆6,400億円を見込んでいます。新製品(注)1および既存主力製品(注)2の伸長と、前提為替レートを当年度の実勢レートに対して円安に設定していることによる為替の増収影響が、その他の製品の減収影響を上回る見込みです。
Core売上収益は、調整を必要とする重要性のある非中核の事象を見込んでいないことから財務ベースの売上収益と同額になります。
[営業利益]
営業利益は、主に売上収益の増加およびVYVANSE/ELVANSEに係る無形資産の償却が当年度に終了したことによる無形資産償却費の減少により、当年度から112億円増益(+2.7%)の4,200億円を見込んでいます。競争力の強化と将来の成長加速に向けて実施するトランスフォーメーション・プログラムによるコスト節減効果は、新製品の上市に係る投資や、後期開発段階のパイプラインプログラムに対する投資を中心としたさらなる研究開発投資に充当する予定です。なお、本トランスフォーメーション・プログラムの取り組みに伴い事業構造再編費用が増加することにより、その他の営業費用が増加する見込みです。
Core営業利益は、当年度から125億円減益(△1.1%)の1兆1,600億円を見込んでいます。
[当期利益(親会社の所有者帰属分)]
当期利益(親会社の所有者帰属分)は、当年度から258億円減益(△13.4%)の1,660億円を見込んでいます。税引前当期利益は、金融収益と金融費用をあわせた損失が営業利益の増益を相殺し、82億円減益(△3.1%)の、2,520億円となることを見込んでいます。実効税率は、当年度においては繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性の見直しにより26%となったことに対し、翌年度(2026年度)は約34%を見込んでいます。
財務ベースのEPSは、17円49銭減少(△14.4%)の104円26銭、Core EPSは、45円減少(△8.7%)の472円を見込んでいます。
(注)1 新製品は、過去5年以内に上市した特定の製品(EOHILIA、リブテンシティ、アジンマ、FRUZAQLA、QDENGA)に加え、今後上市が見込まれているrusfertide、oveporexton、ザソシチニブを指します。今後上市が見込まれている製品の売上高は規制当局からの承認取得を前提としています。
2 既存主力製品は、上市後6年以上経過し、年間売上高が1,000億円以上の、積極的に情報活動を行っている特定の製品(ENTYVIO、GATTEX/レベスティブ、タケキャブ/VOCINTI、タクザイロ、免疫グロブリン製剤、アルブミン製剤、アドセトリス)を指します。
2026年度の業績予想の主な前提条件
(注)1 定義については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
2 仕掛研究開発品を含む。
3 2025年度実績には主に全社的な効率化プログラムに係る費用を含む事業構造再編費用が708億円、2026年度業績予想には主にトランスフォーメーション・プログラムに係る費用を含む事業構造再編費用が1,700億円含まれています。
4 Innovent Biologics Inc.への1,847億円の契約一時金の支払いが2025年度実績に含まれています。
目標とする経営指標(マネジメントガイダンス)
当社は、Core売上収益、Core営業利益、Core EPSのCER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減率をマネジメントガイダンスとしております。
(注)定義については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
見通しに関する注意事項
本資料に記載の「業績予想」は、現時点で入手可能な情報と前提条件に基づく見込みであり、その実現を約束する趣旨ではございません。実際の業績は事業環境の変化や為替変動など様々な要因により変動し、異なる結果を招きうる不確実性を含んでいます。詳しくは、財務補足資料の「重要な注意事項 - 将来に関する見通し情報」およびそこに記載の関連資料をご参照ください。業績予想を修正すべき重大な要因が発生した場合には、速やかにご報告いたします。
① 資本配分に関する基本方針
当社は、革新的な医薬品を創出し続けるという「私たちが目指す未来」(ビジョン)のもと、健全な財務基盤を維持しながら(堅実な投資適格格付を維持し、調整後純有利子負債/調整後EBITDA 倍率(注)2倍を目指す)、患者さんに持続的な価値を、株主には魅力的なリターンを提供できるよう資本を配分してまいります。
当社の資本配分に関する基本方針は次のとおりです。
・ 成長ドライバーへの投資
・ 株主還元
「成長ドライバーへの投資」では、新製品の上市やパイプライン拡充のための社内外の機会、血漿分画製剤事業に対して戦略的な投資を行ってまいります。また、「株主還元」においては、毎年の1株当たり年間配当金を増額または維持する累進配当の方針を採用し、自己株式の取得については適切な場合に取り組んでまいります。
(注)定義については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
②当期・次期の配当
当社は株主還元を重視し、配当を重要な還元策として位置付けております。
〔2025年度〕1株当たり年間配当金:200円
当期の期末配当金は、1株当たり100円を予定しております。
この結果、当期の年間配当金は中間配当金 (1株当たり100円) と合わせ、200円となる予定です。
〔2026年度(予定)〕1株当たり年間配当金:204円
タケダの企業理念
当社の企業理念は、当社が誰であるか、何を行うか、どのように行うか、なぜそれが重要なのかというタケダのストーリーを伝えています。私たちは、次の時代に踏み出すにあたり、より健康な世界の実現という世代を超えて受け継がれる約束を果たすべく、引き続き取り組んでまいります。
私たちの存在意義は、世界中の人々の健康と輝かしい未来に貢献することにあります。このため私たちは、革新的な医薬品を創出し続けるというビジョンを追求しています。当社の従業員はこの存在意義のもとに結束し、245年にわたり当社の礎となってきた誠実、公正、正直、不屈の価値観に基づいて行動しています。そして、患者さん、株主、社会に対する長期的な価値を創造し、従業員、関わる地域コミュニティ、私たちが暮らす地球に対して良い影響を提供し続けることができるよう努めています。
事業環境
グローバルなバイオ医薬品企業を取り巻く外部環境は引き続き複雑であり、地政学的分断の進行や国際的な政策の不確実性が続いています。また、継続する緊張関係や同盟関係の変化、貿易政策の変容により、国境を越えた事業運営や長期的な投資計画に対する不透明さが長引いています。こうした動向は、規制の枠組みやサプライチェーンの強靭性、さらにはグローバルな医療市場全体の安定性に対する影響を強めています。
主要地域においては、薬価への圧力が引き続き大きな課題となっています。また、各国政府は予算配分を防衛分野にシフトさせており、景気減速やインフレーション、広範な財政圧力を背景に、公的医療費への制約が強まり、薬価への圧力がさらに高まっています。各国政府は患者さんの治療アクセスの拡大を目指しているものの、医療予算の制約は続いています。その結果、薬価や保険適用の条件がより厳格化され、市場導入に要する期間も世界的に長期化しています。米国では、薬価政策の変更が継続的に実施されていることにより、革新的な治療法に係る見通しの不透明性が高まり、今後の投資判断に影響を及ぼす可能性があります。欧州および日本においては、財政的な制約が構造的に存在しており、複数の治療領域における成長が抑えられています。
一方で、科学および技術の進展のペースは一段と加速しています。プラットフォームサイエンス、データ分析、オートメーション化、人工知能といった分野の進歩は、新薬の創製・開発・提供の在り方を大きく変えつつあります。このような状況において、当社は、重点疾患領域に経営資源を集中し、製造・供給・品質に係る規律を一層高め、人を軸としながらも積極的にテクノロジーを活用する変革を推進し、科学的妥当性の確保と患者さんからの信頼維持に努めていきます。
当社は、研究開発において着実な進展を遂げており、将来に向けて良好な基盤を築いています。重点疾患領域に注力した取り組みとデジタル技術の活用の拡大により、革新的な医薬品をより迅速かつ効率的に患者さんにお届けする体制を強化しています。外部環境の厳しさが増す中にあっても、患者さんを最優先に考え、責任をもって科学を前進させることは、今後も事業運営の根幹であり続けます。
私たちが描く将来ビジョン
科学の急速な進展と医療を取り巻く国際的な事業環境の複雑化が進む中、当社の戦略は、革新的な新薬を連続的に上市していく取り組みを通じて、短期的に確かな成果を積み重ね、成長の加速に向けた基盤を整えるものです。2025年には、後期開発段階にあるoveporexton、rusfertideおよびザソシチニブの3つの主力パイプラインにおいて、臨床第3相試験で良好な結果を得ることができました。いずれも数十億米ドル規模の売上収益をもたらす可能性を有しています。これらの成果は、当社パイプラインの層の厚さと研究開発の質の高さを示すとともに、厳格な規制要件や製品の市場展開において求められる重要なマイルストンを達成する当社の実行力を示しています。
当社は、事業成長を段階的に実現する考え方として、短期に変革を進めるHorizon1と、中長期の成長と患者さんへのさらなる貢献を加速するHorizon2という二つの時間軸を設定し、事業を展開していきます。Horizon1では、投資と全社的な変革により、競争力と成長の基盤を短期的に強化します。Horizon2では、複数の新薬の市場浸透と規模の拡大を通じて、中長期的な成長を加速し、より多くの患者さんにさらに貢献し、株主の皆様に長期的な価値を創出します。当社は、私たちの存在意義と価値観に基づき、二つのHorizonを通じて、革新的な医薬品を一日でも早く患者さんにお届けしていきます。
Horizon1:成長に向けた変革
Horizon1では、新薬の上市、後期開発段階にある強固なパイプラインの推進、およびオペレーションの変革に取り組みます。
本年1月以降、CEO交代計画の最終段階として、当社は組織体制および業務運営の見直しを進めてきました。次期CEOのジュリー・キムは、新たな経営体制を構築し、患者さんや顧客により近いところでの事業意思決定を可能にする組織の再設計を行いました。この新しい組織体制のもと、業務の標準化・簡素化を進めながら先進技術の導入を加速し、当社の価値観をゆるぎない軸として維持しながらも、スピードと成果に対するこだわりを追求していきます。
2025年4月から現在までの主要な研究開発活動の内容および進捗の詳細については、2026年3月期の四半期フィナンシャルレポートの「パイプラインおよび研究開発活動」をご参照ください。
Horizon 1では、今後12カ月の間に予定している複数の新薬の上市を確実に遂行するため、必要な経営資源の確保を進めます。また、この期間では、5つの後期開発品をはじめとする、重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、オンコロジー)におけるパイプラインの開発を進めながら、一方で、厳しい市場環境下においても、ENTYVIOやGAMMAGARD LIQUID/KIOVIGなどの製品が競争力を維持できるよう取り組んでいきます。
Horizon 1の中核を成すのは、コスト規律の徹底と戦略的な投資の両立です。その一環として、当社は2028年度までに年換算で2,000億円以上の費用を節減し、その成果を新薬の上市、パイプラインの強化およびテクノロジーへの投資に充当していきます。こうした取り組みを通じて、財務の健全性を維持しながら、さらなる成長に向けた基盤を強化していきます。この間、調整後フリー・キャッシュ・フロー(注)を潤沢に創出し続けることが、成長に向けた投資と株主還元を両立させるための礎となります。
(注)定義については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
Horizon2:成長の加速
Horizon1で規律ある投資を進めながら新薬上市を成功させることで、Horizon 2でタケダの次なる成長期を切り拓く牽引役が、成熟化が進む既存ポートフォリオから新たな主力製品群へ移行していきます。この新たな製品群には、oveporexton、rusfertide、ザソシチニブに加え、現在の後期開発パイプラインからさらなる新薬が順次加わることを見込んでいます。これら新主力製品群の収益貢献に加え、事業運営のさらなる効率化を継続的に推進することで、既存ポートフォリオの成熟化を乗り越える持続的な成長を実現していきます。
当社は、次世代の科学とテクノロジーを駆使しながら、医薬品とそれによって実現される治療の成果において、可能性そのものを再定義することに挑んでいきます。この挑戦こそが、患者さんの生活と社会にもたらす価値を最大化することにつながると信じているからです。
変革の原動力となるテクノロジー
この新たな時代において、テクノロジーはそれ自体が目的ではなく、当社の変革を実現するための中核を成すものです。テクノロジーは、私たちが価値を創出・開発し、提供していく取り組みと不可分に結びつき、探求心や創造力、チームが持つ集合知を一層引き出す力となっています。
人工知能、デジタルプラットフォームおよび高度なデータ分析は、現在、バリューチェーンのあらゆる段階に組み込まれています。これらのテクノロジーは、意思決定や業務遂行のスピードを高め、その質を向上させるとともに、部門間の壁を取り払い、迅速な学習、部門横断的な機動性の向上および業務運営の最適化を重視する文化を育んでいます。
当社において、テクノロジーは単なるツールにとどまらず、協働しながら可能性を広げる存在となっています。高度なプラットフォームとデータに基づく知見を従業員が活用することで、患者さんの差し迫ったニーズへの対応、意義ある価値の創出、成長の推進、そしてあらゆるステークホルダーとの持続的な信頼関係の構築といった、最も重要な課題に注力できる環境を整えています。
コラボレーションと成果が切り拓く未来
医療における意義ある前進は、パートナーシップによってもたらされるものと考えています。私たちの目指す未来は、社内にとどまらず、バイオ医薬品業界全体、さらには科学コミュニティ、規制当局、患者さんコミュニティとの幅広い連携に根ざしています。官民のパートナーシップ、グローバルな連携、地域社会との対話を通じて、日々多様な声を積極的に取り入れ、解決策を共に創り上げています。
こうしたパートナーシップへのコミットメントは、次のイノベーションの創出の在り方にも表れます。オープンサイエンスや共有プラットフォームの活用、また、様々な関係者との連携は、今後ますます複雑化する医療課題に向き合う上で重要な役割を果たします。分野や地域を越えて協働することで、医療へのアクセスを拡大し、公平な治療成果の実現を後押しし、私たちの取り組みがもたらす価値を将来にわたり一層広げていきます。
財務展望
強固な財務基盤と明確な戦略フレームワークのもと、当社は持続的な成長と長期的な価値創造を財務面から支える取り組みを進めています。
短中期的(Horizon 1)には、成熟化が進む既存ポートフォリオの安定性と競争力を基盤としつつ、oveporexton、rusfertide、ザソシチニブなどの有望な新製品について、薬事承認および上市にむけた重要なマイルストンの達成に注力するとともに、後期開発段階にあるパイプライン全体の開発を着実に推進していきます。
収益性を維持するため、組織体制の最適化を進めるとともに、データおよびテクノロジーを活用し、意思決定と業務運営双方の効率性を改善していきます。こうした取り組みに加え、事業構造再編費用を含むその他の営業費用の削減と、有利子負債の返済を通じた金融費用の削減により、まずは、配当の持続性を確保する、ROE5%を上回る水準の財務上当期利益を達成することを目標とします。
当社の事業は強い現金創出力を持ちますが、資本配分の規律を維持し、資本効率を持続的に向上させていきます。成長に向けた継続的な投資を行いながらも潤沢な調整後フリー・キャッシュ・フロー(注)を確保し、さらなる有利子負債の削減を進めるとともに、累進配当を維持していきます。
長期的(Horizon 2)には、成熟化が進む既存ポートフォリオに代わり、新製品の収益貢献が当社の成長加速の牽引役になるものと考えています。費用管理の規律を維持しながら売上高を伸ばすことが、30%台前半から半ばのCore営業利益率(注)に向けた、収益性改善のドライバーとなっていきます。また、調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率(注)は2倍を目標水準とし、持続的な成長に向けたさらなる投資を可能にする強固な財務基盤を構築していきます。
当社は、これらの取り組みを通じて業績を持続的に改善し、その取り組みの積み重ねにより、企業価値の向上および競争力ある株主総利回りを実現していきます。
(注)定義については、財務補足資料の「国際会計基準に準拠しない財務指標、便宜的な米ドル換算の定義および説明」をご参照ください。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、グローバル製薬企業との財務情報の比較可能性の向上、資金調達の選択肢の拡大、およびグループ内での会計処理の統一等を目的とし、2014年3月期末より国際会計基準(IFRS)を適用しております。
前年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
当年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
該当事項はありません。
1.作成の基礎
(1)準拠する会計基準
当社グループの連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第1条の2第1号に規定する「特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しております。
(2)測定の基礎
連結財務諸表は、資本性金融商品、デリバティブおよび条件付対価契約に関する金融資産および金融負債等の公正価値で測定される特定の資産および負債、並びに子会社における超インフレ会計の適用を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3)機能通貨および表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。四捨五入された数値を含む表の合計は必ずしも各項目の合算値と一致しない場合があります。
(4)表示方法の変更
(連結財政状態計算書)
前連結会計年度において独立掲記しておりました「非流動負債」の「未払法人所得税」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他の非流動負債」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財政状態計算書について、同一の表示方法により組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結財政状態計算書において、「非流動負債」に表示していた「未払法人所得税」317百万円、「その他の非流動負債」82,542百万円は、「その他の非流動負債」82,859百万円として組替えております。
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他(純額)」に含めて表示しておりました先物為替予約の決済によるキャッシュ・フローは、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より「先物為替予約の決済(純額)」として独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書について、同一の表示方法により組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他(純額)」に表示していた△10,107百万円は、「先物為替予約の決済(純額)」5,945百万円、「その他(純額)」△16,052百万円として組替えております。
なお、本表示方法の変更は表示区分の変更であり、営業活動によるキャッシュ・フローの合計額に影響はありません。
2.重要性がある会計方針
当社グループが連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
当社グループは、医薬品の研究開発、製造、販売およびライセンス供与に従事しており、単一の事業セグメントから構成されております。これは、資源配分、業績評価、および将来予測において最高経営意思決定者であるCEOの財務情報に対する視点と整合しております。
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
該当事項はありません。