1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………5
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………6
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………9
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………10
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………10
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………12
(3)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………14
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………16
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………17
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………17
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………17
(企業結合) ………………………………………………………………………………………………………19
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………22
(追加情報) ………………………………………………………………………………………………………23
(非金融資産の減損) ……………………………………………………………………………………………23
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………24
4.個別財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………25
(1)貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………25
(2)損益計算書 …………………………………………………………………………………………………27
(3)株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………………………28
5.補足情報 …………………………………………………………………………………………………………30
受注及びストック比率に関する補足情報 ……………………………………………………………………30
前連結会計年度において、企業結合による暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度において、会計処理の確定を行ったため、前連結会計年度との比較分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境が改善する中で、緩やかな回復基調を維持しています。一方で、世界経済は、地政学的リスクの長期化、インフレの進行、そして主要国における金融引き締め政策の継続により、減速懸念が一段と高まっています。特に、ウクライナ情勢や中東地域における不安定化、さらには米中間の戦略的競争の激化といった地政学的緊張は、サプライチェーンの混乱やエネルギー価格の高騰を通じて、世界経済に広範な影響を与えています。このような状況下で、企業活動を取り巻く不透明感は依然として払拭されていません。原材料価格の高騰は企業のコスト負担を増大させ、収益を圧迫しています。同時に、各国における急速な物価上昇は、消費者の購買意欲を減退させ、個人消費の下振れリスクも顕在化しています。
情報基盤事業においては、サイバー攻撃の脅威は一段と深刻化しました。特にランサムウェア攻撃による大規模な被害が相次ぎ、事業継続に多大な影響が及んだことで、セキュリティ対策の重要性に対する認知度が高まりました。更に、データ保護に関する法的規制や企業ガバナンスの強化に伴い、セキュリティ対策は企業経営の最重要課題として位置付けられています。このような状況下で、サイバーセキュリティ対策製品やサービスへの需要は依然として高く、当社のコア事業である情報基盤事業においては、クラウド型セキュリティ対策製品を中心に、引き続き需要が拡大しています。
アプリケーション・サービス事業においては、CRM分野において、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの協業により、堅調にビジネスを展開しています。加えて、サブスクリプション化の進展により、収益が着実に積み上がっています。また、資本業務提携したモビルス株式会社と協働で、生成AI技術を活用した自社製品の提供を開始しています。ソフトウェア品質保証分野では、企業向けシステムや組込ソフトウェアの品質を担保するためのテストツールには、引き続き強い需要があり、特に、自動車のIT化に伴う車載ソフトウェアなど組込みソフトウェアの品質向上のニーズは底堅く、好調な受注環境を維持しています。また、ソフトウェア開発プロセスにおける「進捗」「品質」「リスク」をリアルタイムで可視化する、自社開発のダッシュボードツール「Quomiru」の提供を開始し、市場から多くの引き合いを得ています。ビジネスソリューション分野においては、第3四半期まで受注が鈍化しておりましたが、第4四半期にて独立行政法人向けの入札案件等を受注し、受注実績を積み上げることができました。教育分野においては、フルクラウド型校務支援システム「ツムギノ」の引き合いが依然として堅調で、公立校・私立校それぞれにおいて新規採用が進みました。さらに、株式会社ベネッセコーポレーションの校務支援システム「ベネッセ校務クラウド」への「ツムギノ」の採用による同社との連携強化による案件創出が進んでいます。
医療システム事業においては、2022年4月1日に新たにスタートした新生PSP株式会社において、顧客基盤の統合、サービス・製品の集約と統合を進めるとともに、医用画像管理システム(PACS)のストック型ビジネスへの転換を推進しています。統合前の旧PSP株式会社が提供しているオンプレミス型の医用画像管理システム(PACS)を、更新のタイミングにおいてクラウド型の医用画像管理システム(PACS)に切り替える提案(クラウドシフト)を積極的に進めています。このクラウドシフトの取り組みは着実に進んでおり、今後は、大規模医療機関に向けたクラウドシフトを強化していきます。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、717億33百万円と前期比68億51百万円(10.6%)の増加となり、過去最高となりました。売上総利益は225億75百万円と前期比20億26百万円(9.9%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、主に人件費が増加したことにより、148億29百万円と前期比12億68百万円(9.4%)の増加となりました。この結果、営業利益は77億60百万円と前期比10億97百万円(16.5%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は78億61百万円と前期比14億42百万円(22.5%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は51億78百万円と前期比11億21百万円(27.7%)の増加となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、サブスクリプション型のクラウド型セキュリティ対策製品を中心に、新規案件の受注が好調に推移しました。加えて、更新受注も着実に積み上げることができました。また、クラウド型セキュリティ対策製品に加えて、AIを活用してSOC※1(Security Operation Center)業務の自動化を行うソリューションのクロスセルが進んでいます。売上収益は、前期までの受注残高に加え、新規案件の獲得により、順調に積み上げることができました。営業利益については、販管費の増加をビジネスの伸長で吸収し、前期実績を上回る結果となりました。製品別では、クラウド型セキュリティ対策製品に加え、ランサムウェア攻撃の入り口となるメールを使った攻撃に対応するメールセキュリティ対策製品や、企業に内在する脆弱性を管理するソリューションなどの実績も増加しています。
クロス・ヘッド株式会社は、受注高、売上収益、営業利益ともに前期のストレージ製品の大型案件の反動により、前年実績を下回る結果となりましたが、概ね期初計画通りに推移しました。
OCH株式会社は、受注高、売上収益、営業利益ともに前期実績を下回る結果となりました。中小企業向けのセキュリティ対策製品 (UTM:Unified Threat Management※2)の主要取引代理店の販売実績の減少が主な要因です。現在、新規代理店への販売強化に取り組んでいます。
以上により、同事業の売上収益は516億20百万円と前期比60億34百万円(13.2%)の増加、営業利益は65億79百万円と前期比13億11百万円(24.9%)の増加となり、売上収益、営業利益ともに過去最高となりました。
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、受注高、売上収益が前期実績を上回りましたが、営業利益は前年実績を下回りました。
CRM分野では、受注高、売上収益、いずれも前期実績を上回りました。売上収益は、サブスクリプションの積み上がりにより堅調に推移していますが、営業利益は、事業拡充に向けた増員による人件費、顧客データの保管のためのパブリッククラウドの費用の増大により、前期実績を下回る結果となりました。
ソフトウェア品質保証分野では、引き続き、車載分野でのテストツールの需要が旺盛です。また、サブスクリプションの積み上がりにより、受注高、売上収益、営業利益いずれも前期実績を大きく上回りました。
ビジネスソリューション分野では、受注高は、独立行政法人向けの入札案件の受注等により、前期実績を上回りました。売上収益は前期並みで推移したものの、特定の案件の収益性が影響し、営業利益は前期実績を下回りました。
アレクシアフィンテック株式会社は、見込んでいた大型案件を受注できず、受注高は前期実績を下回りました。その結果、売上収益は前年実績と同水準を確保しましたが、営業利益は前年実績を下回りました。
株式会社カサレアルは、IT研修などの教育事業において新規案件や大型のリピート案件を受注できなかったことにより、受注高は前期実績を下回りました。売上収益は前年実績と同水準で推移したものの、オープン型の研修サービスの伸び悩みにより収益が低下し、営業利益は前期実績を下回りました。
教育分野では、引き続き、私立先進校に加えて、公立校への採用が進み、受注高、売上収益ともに、前期実績を上回りました。営業利益については、製品開発、マーケティング、エンジニア・営業人員の増員等の投資は計画通りに推移しております。しかしながら、第1四半期で実施したソフトウェア開発費用の全額を販売管理費(研究開発費)として計上することへの変更などにより、期初予算よりも赤字幅が拡大しています。
以上により、同事業の売上収益は98億84百万円と前期比7億6百万円(7.7%)の増加となり、過去最高となりました。営業損失は1億48百万円と前期比2億89百万円(前年同期は営業利益1億41百万円)の減少となりました。
③ 医療システム事業
当連結会計年度における医療システム事業の業績は、受注高・売上収益・営業利益すべてにおいて前年実績を上回りました。受注高は、医療情報クラウドサービス「NOBORI」の受注が堅調に推移し、累積の契約施設数が増加しています。加えて、既存ユーザの契約更新も取りこぼすことなく受注できたこと、さらに医用画像診断支援AIプラットフォーム事業において大型案件を受注したことが主な要因です。売上収益は、医用画像管理システム(PACS)のクラウドシフトの影響を受けたものの、新規契約施設の増加によるものです。営業利益は、期初計画に織り込んでいた医用画像管理システム(PACS)のクラウドシフトの影響や、事業拡大に向けた人員の増員、積極的な開発投資などの影響を、売上収益の増加やクラウド型製品の販売拡大による収益性の向上により吸収しました。一般の患者をターゲットとしたPHR※3(Personal Health Record)サービスの開発や、医療機関、AIベンチャー・外部企業との連携による共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果を上げています。
医療関連の連結対象子会社である合同会社医知悟は、受注高、売上収益は前期実績を上回り、営業利益は前期実績と同水準となりました。
同じく医療関連の連結対象子会社である株式会社A-Lineは、医療機関の診療用放射線の安全管理体制に対する投資意欲の向上により、線量管理システム「MINCADI」の受注高は前期実績を上回っています。その結果、売上収益、営業利益ともに順調に増加しています。
以上により、同事業の売上収益は102億29百万円と前期比1億10百万円(1.1%)の増加となりました。営業利益は13億29百万円と前期比75百万円(6.1%)の増加となりました。
(当期の財政状態の概況)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末(以下「前年度末」という。)から159億58百万円(18.7%)増加し、1,014億5百万円となりました。前渡金が64億79百万円増加したことが主な要因であります。非流動資産の残高は、前年度末から74百万円(0.4%)増加し、201億26百万円となりました。のれんが6億13百万円増加したことが主な要因であります。以上により、総資産は前年度末から160億33百万円(15.2%)増加し、1,215億31百万円となりました。
流動負債の残高は、前年度末から153億31百万円(22.7%)増加し、827億80百万円となりました。契約負債が127億69百万円増加したことが主な要因であります。非流動負債の残高は、前年度末から19億85百万円(24.7%)減少し、60億70百万円となりました。リース負債が9億14百万円減少したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、前年度末から133億45百万円(17.7%)増加し、888億50百万円となりました。
資本合計の残高は、前年度末から26億88百万円(9.0%)増加し、326億80百万円となりました。利益剰余金が29億93百万円増加したことが主な要因であります。以上により、親会社所有者帰属持分比率は21.7%となりました。
(利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当)
当社は、株主価値の向上の一環として株主に対する利益還元を重要課題と位置付けております。株主への利益還元と内部留保充実のバランスを総合的に判断して決定することを、利益配分に関する基本方針としております。配当政策は、2026年3月期上期まで、期末業績における配当性向30%以上を基本方針としておりました。しかしながら、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、株主還元の強化および安定配当を行う方針を明確にするため、配当性向に加えて、DOE(株主資本配当率)を新たな指標とすることを2025年10月31日開催の取締役会で決議しました。具体的には、配当性向40%またはDOE(株主資本配当率)7%のいずれか高い方を目安に、継続的かつ安定的な配当を実施することを掲げております。この方針に基づき、2026年3月期の配当は、2025年10月31日開催の取締役会において中間配当を1株につき21円、期末配当につきましては1株につき28円とする(年間配当を1株につき49円とする)ことを決議致しました。当連結会計年度においては、中間配当を1株につき21円、期末配当につきましては2026年5月8日の取締役会決議に基づき1株につき31円とし、年間配当金は1株につき52円となります。
次期(2027年3月期)の配当予定につきましては、中間配当を1株につき22円、期末配当を1株につき32円とし、年間配当額は1株につき54円とする予定です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、358億1百万円と前期比84億76百万円(31.0%)の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、前渡金の増加等により、収入は131億44百万円と前期比63億8百万円(92.3%)の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、子会社株式の取得による支出の反動減等により、支出は11億29百万円と前期比48億25百万円(81.0%)の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、配当金の支払額等により、支出が36億26百万円と前期比28億27百万円(353.8%)の増加となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
(次期の見通し)
当社は2024年5月9日に新中期経営計画「Creating Customer Value in the New Era」を発表しました。日々進化を続けるAIなどの新たなテクノロジーの出現、少子高齢化に伴う国内労働人口の減少、企業が担うべき社会的責任の変化といった新たな時代が到来する中でも、テクマトリックスグループは「目利き力」と「業務ノウハウ」を詰め込んだソリューションで社会課題を解決し、より良い未来を創造する会社であり続け、「顧客価値」を向上させていくことを掲げ、新中期経営計画を策定しました。
「目利き力」とは、最先端のテクノロジーと解決すべき社会課題を発見することであり、発見した社会課題を「業務ノウハウ」で解決していきます。専門性を要する特定の業界・業務に対しては、数百・数千のお客様にご利用いただいた結果としての深い業務の知見を有していることが、当社グループの強みであると認識しています。
「顧客価値」とは、提供するソリューションやサービスだけではなく、それを提供する当社のブランディングイメージ、当社従業員のお客様への対応、当社とのお取引における手続きややり取りなど、お客様が感じる価値です。この顧客価値を提供するための基盤(具体的には事業を支える社内のインフラ)を強化すること、また、顧客価値の提供を通じて、社員一人一人が挑戦し成長できる環境を作り上げることに注力します。新たなテクノロジーの取扱い、社会貢献度の高い業種への参入、AI・自動化などによるお客様の運用支援などにより、新たな価値を創造することを顧客価値の源泉ととらえるとともに、顧客への手厚い支援に向けた粘り強い対応や、常に学び続ける姿勢などの信条・心ざし(企業文化)の両輪により取り組んでおります。
中期経営計画の2年目にあたる当連結会計年度(2026年3月期)は、受注高、売上収益、営業利益ともに過去最高を更新することができました。引き続き、中期経営計画の最終年度にあたる来期においても、中期経営計画の基本戦略に沿って、各事業部門において更なる成長に向けた取り組みを進めていきます。
情報基盤事業部門では、サイバー攻撃が常に高度化・巧妙化する中で、従来のセキュリティ対策製品だけでは必ずしも対処できるとは限らないため、引き続き、最先端のセキュリティ関連技術の動向を先取りし、積極的に新規商材を発掘・展開していきます。特に近年は、攻撃側がAIを活用して攻撃手法を自動化・高度化させる動きが加速しており、防御側にもAIを活用した脅威検知や異常行動分析など、より高度なセキュリティ対策製品導入が不可欠となっています。また、セキュリティ対策製品は導入して完了ではなく、継続的に検知及び監視する運用が必要であることから、当社は、最先端のセキュリティ対策製品の提供に加えて、マネージドサービス等付加価値の高いサービスの開発に積極的に投資していきます。
これらの結果、同セグメントの業績予想につきましては売上収益595.0億円、営業利益72.4億円を見込んでおります。当期において、新規案件、更新案件の受注高が計画を大きく上回ったことにより、順調に受注残高を積み上げています。また、売上収益は、ストック型ビジネスの伸長により、安定的かつ継続的な伸長を見込んでいます。営業利益は、サポート体制の強化に向けた積極的な投資を勘案した計画となっています。
アプリケーション・サービス事業部門では、CRM分野、ビジネスソリューション分野、ソフトウェア品質保証分野それぞれにおいて、自社製品・ソリューションによる顧客価値の更なる向上を目指します。
CRM分野においては、前期に引き続き、生成AIを活用したコンタクトセンター業務の効率化を図る自社ソリューションの拡充に向けた投資の継続と、戦略的に進めてきたASEAN地域での事業展開を一層加速していきます。
ソフトウェア品質保証分野においては、各分野で機能安全の国際規格への対応が必要とされていることを背景に、組込みソフトウェアの品質向上は社会的にも非常に重要な課題と考えています。また、開発支援ツールをより効果的に利用してもらうための自動化・効率化を目的とした開発基盤の構築や導入支援サービスの提供を強化するとともに、自社開発のダッシュボードツールの販売強化を行うなど、独自の付加価値向上に取り組んでいきます。
ビジネスソリューション分野においては、従来の特定顧客向け受託開発ビジネスで積み上げてきた技術力を活かし、公共分野のDX化とCX向上ソリューションの開発と提供に取り組んでいきます。
教育分野においては、引き続き、私立校に加えて公立校への導入とあわせて、株式会社ベネッセコーポレーションとの連携強化を図りつつ、高等学校向けのビジネスの拡大も進めていきます。
当該セグメントにおける連結子会社は、単体事業との事業シナジーを追求しつつ、それぞれが専門分野で事業の拡大を推進していきます。
これらの結果、同セグメントの業績予想につきましては売上収益111.3億円、営業利益2.0億円を見込んでおります。売上収益については、サブスクリプション型ビジネスへの移行が進展しサブスクリプション売上が順調に積み上がっていることから、安定かつ継続的な伸長を見込んでいます。営業利益については、事業拡充に向けた増員による人件費の増加や、積極的な投資を計画しておりますが、いずれも将来を見据えた経営判断として実施するものであり、これらを踏まえた業績見通しとなっています。
医療システム事業部門においては、2022年4月1日に新たにスタートした新生PSP株式会社が、顧客基盤の統合、サービス・製品の集約と統合を進めるとともに、旧PSP株式会社によって導入された医用画像管理システム(PACS)のクラウド化によりストック型ビジネスへの転換を推進しております。
また、医療画像データの利活用を進展させるAIプラットフォーム事業の推進や、コンシューマ(患者)をターゲットとしたPHRサービスのサービスおよび利用者拡大に取り組んでいきます。
さらに、新たな成長領域として病理分野の事業展開を加速するため、2026年4月にメドメイン株式会社の株式を取得し、子会社化しました。病理診断領域では、デジタル化の遅れにより、業務のオンライン化やAIソリューションの実用化が十分に進んでいない状況にあります。今回の子会社化により一体的な組織体制を構築し、AI技術を高度に統合したデジタル病理診断プラットフォームの開発・サービス化を推進し、デジタル病理の普及に取り組んでいきます。
これらの結果、同セグメントの業績予想につきましては売上収益111.7億円、営業利益7.6億円を見込んでおります。医用画像管理システム(PACS)のクラウドシフトは、短期的な売上収益・営業利益の減少要因となりますが、売上収益については、新規顧客の獲得と、AIプラットフォーム事業の着実な進展などにより、伸長を見込んでいます。営業利益については、事業拡大に向けた人員強化や積極的な開発投資に加え、新たにメドメイン株式会社を子会社化した影響を織り込んだ見通しとなっております。メドメイン株式会社は、病理領域におけるデジタル化・AI化を推進するスタートアップ企業であり、現在は先行投資フェーズにあることから、短期的には連結営業利益の押し下げ要因となりますが、将来を見据えた経営判断として子会社化を断行しました。
以上により、当社グループ連結での売上収益は818.0億円、営業利益は82.0億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は53.8億円を見込んでおります。
最終年度における目標に対する結果は、以下のとおりです。
(中期経営計画「Creating Customer Value in the New Era」の数値目標と進捗)
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(用語解説)
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を高めること等を目的として、2021年3月期より国際財務報告基準(IFRS)を適用しております。
該当事項はありません。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、各社に製品・サービス別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品・サービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは事業部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「情報基盤事業」、「アプリケーション・サービス事業」、「医療システム事業」の3つを報告セグメントとしております。
「情報基盤事業」は、当社及びクロス・ヘッド株式会社、OCH株式会社、Firmus Sdn.Bhd.、Firmus Consulting Sdn.Bhd.、Firmus Pte.Ltd.から構成されており、ネットワーク、セキュリティ、ストレージ等の製品販売、インテグレーション、保守・運用・監視等のサービスを提供しております。「アプリケーション・サービス事業」は、当社及び株式会社カサレアル、アレクシアフィンテック株式会社、TechMatrix Asia Holdings Co., Ltd.、TechMatrix Asia Co., Ltd.から構成されており、ビジネスソリューション、ソフトウエア品質保証、CRMの対面市場向けに、システム開発、アプリケーション・パッケージ、クラウド(SaaS)サービス、テスト等の付加価値の高いアプリケーション・サービスを提供しております。「医療システム事業」は、PSP株式会社、合同会社医知悟、株式会社A-Lineから構成されており、医療市場向けに医療関連のソフトウェア開発・インテグレーション及びクラウドサービス等を提供しております。
報告セグメントの会計処理の方法は、当社グループの連結財務諸表作成の会計方針と同一であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上収益は市場実勢価格に基づいております。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.セグメント間の売上収益の調整額は、セグメント間取引消去によるものであります。
2.セグメント利益の合計は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.セグメント間の売上収益の調整額は、セグメント間取引消去によるものであります。
2.セグメント利益(△は損失)の合計は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
本邦の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めるため、記載を省略しております。
売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客との取引はありません。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社は、2024年10月18日開催の取締役会において、マレーシアの大手サイバーセキュリティ事業者であるFirmus Sdn. Bhd. (以下「Firmus」といいます。) の全株を取得し子会社化することを目的とした株式譲渡契約を、当社とFirmusとの間で締結することを決議し、2024年10月21日付で契約を締結しました。同年11月12日、本契約に基づき買収対象企業の株式取得の手続きを完了しました。
なお、本件株式取得に際し、Firmusの子会社である「Firmus Consulting Sdn. Bhd. (Firmusが100%保有)」および「Firmus Pte. Ltd. (Firmusが70%保有)」は当社の孫会社になります。
名 称 Firmus Sdn. Bhd.
事業内容 セキュリティ製品の販売、セキュリティサービス、セキュリティコンサルティング
当社は、本年度から開始された3年間の新中期経営計画「Creating Customer Value in the New Era」の中で、「海外での事業拡大」を重要な戦略の1つとして掲げております。ICT分野は今後も成長市場ではあるものの、日本国内のみで事業を展開する場合、国内労働人口の減少により、将来的に当社ビジネスの成長も限界に達する可能性があると考えております。当社情報基盤事業部門では、「海外での事業拡大」という全社戦略に基づき、「アジア地域での事業展開の模索」を開始し、特に経済成長が著しいASEAN市場に注目し、資本・業務提携するパートナー企業を探しておりました。
Firmusは、マレーシアの最大手サイバーセキュリティ専業事業者であり、大手金融機関をはじめ有力な顧客を有する成長企業です。Firmusは、エンタープライズ向けに、ペネトレーションテストをはじめとする自社開発のセキュリティサービスを提供すると共に、最先端のセキュリティテクノロジーとマネージドサービスを提供しており、特にセキュリティサービスに強みを持っています。一方で、当社は、長年にわたって培った目利き力を活かした最先端テクノロジーの発掘と販売のノウハウと、販売した製品の利活用を支援する独自のセキュリティサービスに強みを持っており、両社は、強固な補完関係を構築できるという判断に至りました。当社の持つ最先端のセキュリティテクノロジーに対する目利き力と、Firmusのセキュリティサービスのノウハウの強みを活かし、プロダクトおよびサービスのアラインメントを進め、マレーシアと日本の両国内におけるビジネスの拡大を目指してまいります。
Firmusの子会社化により、マレーシアと日本の両国においてビジネスを拡大しつつ、Firmusを起点として、他のASEAN市場へも「最先端のセキュリティテクノロジー+セキュリティサービス」を提供し、更なるビジネス拡大を進めてまいります。
2024年11月12日
現金を対価とする株式取得
145,000,000 MYR (5,128,650千円 1MYRを35.37円で換算)
なお取得の対価の支払いに伴い、当社は支払後の12月4日に、2,000,000千円の長期借入を実施しております。
100%
(注)・取得に直接要した費用は184,703千円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
・営業債権及びその他の債権の公正価値は534,875千円であります。契約金額の総額は534,875千円であり、回収不能と見込まれるものはありません。
・偶発負債はありません。
・取得資産及び引受負債並びにのれんについては、当連結会計期間末において取得対価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な情報に基づいて暫定的に算定しております
・非支配持分は、被取得企業に係る非支配持分であり、現時点で識別可能な純資産の公正価値に対する非支配株主の持分割合で測定しております。
・のれんの主な内容については、取得から生じることが期待される既存事業の拡大による超過収益力であります。のれんについて、税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。
当社グループの連結損益計算書には、取得日以降に、Firmusから生じた売上収益及び当期利益がそれぞれ1,030,376千円及び137,027千円含まれております。
(プロフォーマ情報)
仮に、当企業結合が期首に実施されたと仮定した場合、当社グループの連結損益計算書の売上収益及び当期利益は、それぞれ1,978,121千円及び304,414千円であったと算定されます。
なお、当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。また、当該情報は、必ずしも将来起こりうるべき事象を示唆するものではありません。また、実際に出資が期首時点に行われた場合の当社グループの経営成績を示すものではありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(企業結合に係る暫定的な会計処理の確定)
2024年11月12日に行われたFirmus Sdn. Bhd.との企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しております。
この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得原価の当初配分額に重要な見直しがなされており、取得日現在における取得対価の公正価値、取得資産及び引受負債の主要な種類ごとに認識した金額は以下の通り修正されております。
この暫定的な会計処理の確定に伴い、連結財政状態計算書における前連結会計年度末の金額を遡及修正しております。その結果、遡及修正前と比べ、主として無形資産が253,578千円、非流動負債が60,858千円それぞれ増加し、利益剰余金が4,327千円、のれんが197,011千円それぞれ減少しております。
(追加情報)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社は、一部の持分法で会計処理されている投資に市場価格の下落による減損の客観的な証拠が存在すると判断したため、減損損失を認識しております。当該減損損失は、連結損益計算書において「持分法による投資損益(△は損失)」に含めて表示しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
当社グループは、減損損失を認識し、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。減損損失の内訳は、以下のとおりであります。
当社グループは、原則として、事業セグメントを基準としてグルーピングを行っております。また、遊休資産及び処分予定資産につきましては、当該資産ごとにグルーピングを行っております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度に認識した無形資産に係る減損損失は、当社のアプリケーション・サービス事業の固定資産について、想定していた収益が見込めなくなったことにより、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであり、333,128千円の減損損失を計上しました。回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
当社と当社連結子会社であるPSP株式会社(以下、PSP)は、2026年2月16日付「メドメイン株式会社の株式取得による連結子会社化に向けた基本合意に関するお知らせ」で公表しましたメドメイン株式会社(以下、メドメイン)の株式取得に関し、2026年4月24日開催の取締役会において決議し、2026年4月30日付で締結した株式取得譲渡契約に基づき、同社株式の57.51%(議決権ベース)を追加取得し、連結子会社としております。
被取得企業の名称:メドメイン株式会社
事業内容 :病理診断支援AIソフトウェア・クラウドサービスの企画・開発・運営及び販売
2022年7月26日に合意した資本業務提携を起点として、メドメインの持つAI 開発技術を含む病理診断関連技術及びシステムと、PSPが持つクラウド型PACS 、遠隔画像診断などの技術を融合させたサービス開発を進めてまいりました。両社での継続した技術開発に基づく協議の結果、これまでの開発成果を、AI技術を高度に統合したデジタル病理診断プラットフォームの開発及びサービス化へと、より一体となった組織運営にて発展させていく計画に合意するに至りました。
病理診断支援AIの臨床での実利用への大きな変化を目前に控え、継続性をもった医療機器承認プロセスへの対応体制の確保、さらに集積されるデジタル病理関連データの医学研究への還元など、さらに高次元での事業開発にワンチームとして取り組むことを目指しています。
2026年4月30日
現金を対価とする株式取得
取得日直前に所有していた議決権比率 14.54%
取得日に追加取得した議決権比率 57.51%
取得後の議決権比率 72.05%
連結財務諸表の承認日までに当該企業結合の当初の会計処理が完了していないため、当企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の公正価値並びにその主な内訳、のれん、取得関連費用、当社グループに与える影響に関する詳細な情報は開示しておりません。
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
5.補足情報
受注及びストック比率に関する補足情報
(1)受注状況
当連結会計年度における各セグメントの受注高及び受注残高の状況は以下のとおりです。
(2)ストック比率に関する補足情報
当連結会計年度における各セグメントのストック比率は以下のとおりです。なお、ストック比率につきましては、情報基盤事業及びアプリケーション・サービス事業については当社単体での数値を記載しており、医療システム事業については、連結子会社であるPSP株式会社の数値を記載しております。