1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………4
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………4
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………5
(6)経営方針 ……………………………………………………………………………………………………5
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………8
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………9
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………9
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………10
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………11
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………12
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………13
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………15
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………16
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………16
(会計上の見積りの変更) ………………………………………………………………………………………16
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………16
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………16
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………16
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における日本経済は、雇用・所得環境の改善や個人消費の持ち直しを背景に緩やかな回復基調で推移し、富裕層・インバウンドを中心とする高付加価値消費の拡大が当社の事業領域にも追い風となりました。一方、円安による物価上昇の長期化、食材・エネルギーコストの高止まりに加え、中東情勢の緊迫化等に伴うエネルギー価格の変動リスク、人手不足を背景とした人件費の上昇等により、飲食業界全体では依然として先行き不透明な経営環境が続きました。このような環境の中、当社グループは「中期経営計画2030」の初年度として、事業基盤の強化・拡大および生産性向上に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。各事業において、付加価値提案の強化、価格適正化、オペレーション改善に取り組み、客単価の改善を実現するとともに、人件費の適正化およびコストコントロールに継続して取り組んでまいりました。
これらの取り組みの結果、初年度の業績が当初想定を上回って推移したことから、2026年3月期の通期業績予想を2025年11月6日および2026年2月12日の2回にわたり上方修正するとともに、2026年2月26日には「中期経営計画2030」の2年目以降の3ヵ年計画(2026年度~2028年度)の数値目標を上方修正いたしました。
なお、当社は2024年7月1日付でホテル資産を譲渡し、MC契約(マネジメント契約)へ移行しております。譲渡日以降は対象ホテルの売上総額に代えて運営受託報酬のみが当社の売上として計上されることとなり、前連結会計年度は当該取扱いが9ヵ月間の適用にとどまったのに対し、当連結会計年度は通期で適用されました。これにより、会計上の売上高は前年同期を下回っております。一方、当該影響を除いた管理会計上の総売上高ベースでは、既存事業の伸長により前年同期を上回る水準を確保しております。
レストラン事業におきましては、最大の商戦期であるクリスマスおよび年末に向けた各種企画を早期に市場へ投入し計画的な集客を推進したほか、提携する海外ブランドのシェフを招いたガラディナーの開催など、当社ならではの施策を展開し、集客力の強化を図ってまいりました。また、「中期経営計画2030」に基づく既存店投資として実施した「メゾン ポール・ボキューズ」(代官山)のリニューアル後において、集客および客単価が想定を上回って推移するなど、これらの取り組みの効果により既存店の収益力が向上いたしました。二子玉川「代官山ASOチェレステ 二子玉川店」閉店の影響により、売上は前年同期を下回ったものの、修正後の通期業績予想を上回って着地いたしました。
「中期経営計画2030」に基づく新規出店としては、2026年2月21日に東京・恵比寿に新店舗「HRMT STAGE(エイチアールエムティー ステージ)」を開業いたしました。同店は、当社が培ってきたフランス料理の精緻な技法を基盤に、イタリア料理・日本料理・イノベーティブ料理のエッセンスを取り入れた新業態であり、バックヤード業務の徹底した合理化により生み出した余力を、料理のクリエイティビティおよびお客様とのコミュニケーションに集中させる独自の運営モデルを構築しております。あわせて、20代を中心とする若手人財が第一線で活躍するシェフから直接学ぶ「育成のステージ」としての役割も担い、2028年に予定する表参道フラッグシップ店開業に向けた重要な布石として、当社グループ全体の成長を牽引してまいります。
ブライダル事業におきましては、「メゾン ポール・ボキューズ」(代官山)のリニューアル効果を背景に、当連結会計年度における婚礼の実施組数は前年同期を上回りました。あわせて、招待人数の増加を促す施策および飲食の単価向上施策が引き続き奏功し、組単価も前年同期を上回る水準で推移したことから、売上は前年同期および当初計画をいずれも上回って着地いたしました。
また、「中期経営計画2030」に基づくブライダル新市場創出施策として、株式会社リクルートが運営する結婚情報サービス『ゼクシィ』との協業により、当社独自の新サービス「One Table, One Story」を開発し、新たな結婚式のスタイル「Slowly Stay Wedding」の取り組みを推進しております。その展開拠点として、2025年11月、東京・代官山に「HIRAMATSU SALON」を開業し、2026年3月から本格的な市場提案を開始しております。当該取り組みは翌期以降の業績寄与を見込んでおります。
ホテル事業におきましては、国内主要都市および観光地において外資系ブランドを中心とした高価格帯ラグジュアリーホテルの新規開業が相次ぐなど、競争環境が一段と厳しさを増す状況が続きました。このような環境のもと、当社グループは価格改定および付加価値提案の強化により客単価の向上を推進し、富裕層を中心とした訪日客の取り込みが奏功した施設を中心に、客単価は前年同期を上回る水準で推移いたしました。一方、新規開業した競合施設への需要の分散、夏季の記録的な猛暑による国内宿泊需要の一部後退、ならびに下期における中国を中心とした訪日客需要の減少などの複合的な要因により、施設間で稼働率に差が生じ、一部施設で売上が伸び悩みました。
これらを踏まえ、当社グループは施設ごとのマーケット特性および需要動向に応じた価格戦略への移行を進めるとともに、季節要因や顧客ニーズを捉えた新規プランの投入、新たな販売チャネルの開拓、サービス品質の向上ならびに情報発信の強化等の施策を継続的に推進しております。
その他事業におきましては、ラグジュアリーブランドとの協業による店舗運営受託事業として、2024年12月に開始した銀座の「カフェ ディオール バイ アンヌ=ソフィー・ピック」が通期で寄与したことに加え、2026年2月から代官山にて新たなラグジュアリーブランドカフェの運営受託を開始いたしました。これらの運営受託事業は、「中期経営計画2030」に掲げる、当社が長年培ってきたブランドおよび運営ノウハウを活かした新たな収益モデルの中核施策として着実に進展しております。あわせて、プレミアムシャンパーニュセットやブルゴーニュ産ワインセットなど高価格帯商品のオンライン販売も前年同期を上回って推移し、その他事業の売上は前年同期を大幅に上回る結果となりました。
また、「中期経営計画2030」に基づく外食産業を中心としたM&Aを通じた成長戦略の推進体制として、2026年2月、M&Aの検討から実行および出資後の経営支援までを一体的に担う100%子会社「株式会社HRMI」を設立いたしました。同社を通じたM&A戦略の第1号案件として、2026年4月1日付で、イタリア・サルディーニャ料理レストラン「Tharros(タロス)」を運営する株式会社UNIVERSOの全株式を取得しております。
利益面につきましては、「中期経営計画2030」で掲げる生産性向上の取り組みが着実に進展し、人件費の適正化およびコストコントロールに継続して取り組んできたことに加え、各事業における収益性改善の効果が表れた一方、「HRMT STAGE」開業をはじめとする中期経営計画初年度の戦略投資を計画的に推進したことに伴う先行費用も発生いたしました。これらに税制上の効果も加わったことから、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高9,881百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益200百万円(同19.7%減)、経常利益204百万円(同17.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益219百万円(同85.6%減)となり、当初予算および修正後業績予想に対し、各段階利益において大幅に上回って着地いたしました。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益が前年同期を大きく下回ったのは、前期にホテル資産の譲渡に伴う特別利益を計上していた反動によるものであります。
また、ホテル事業のMC契約への移行に伴い、譲渡日以降の収益は運営受託報酬として「その他」セグメントに計上しておりましたが、当連結会計年度より報告セグメントの区分を見直し、単一セグメントとして開示しております。このため、セグメント別の経営成績の記載を省略しております。
(連結業績ハイライト)
(注)「修正計画」は2026年2月12日公表の修正後業績予想であります。
(事業別売上高(参考・各店の売上を集計したベース))
各店の売上を集計したベースの事業別売上の概況は、参考値として以下のとおりであります。
なお、当社グループは当連結会計年度より単一セグメントとして開示しているため、セグメント情報の開示は省略しておりますが、より一層ご理解いただくことを目的として補足情報として記載しております。また、ブライダル事業は経営管理上レストラン事業に含めて管理しておりますが、本資料では区分掲記しております。
(注)ホテル事業はMC契約のもと従来と同様に各店の売上を集計したベースで記載しております。
本表は監査法人による監査の対象外であります。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ227百万円減少し、11,914百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,678百万円減少した一方、原材料及び貯蔵品、未収消費税等、有形固定資産がそれぞれ、385百万円、491百万円、530百万円増加したことによるものであります。
負債合計は前連結会計年度末に比べ448百万円減少し、5,798百万円となりました。これは主に、未払消費税等が500百万円減少したことによるものであります。
純資産は前連結会計年度末に比べ221百万円増加し、6,116百万円となりました。これは主に、利益剰余金が219百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から1,678百万円減少し4,966百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、支出した資金は653百万円(前連結会計年度は346百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益163百万円(前連結会計年度は1,521百万円)、減価償却費205百万円(前連結会計年度は350百万円)による収入があったものの、未払消費税等の減少500百万円(前連結会計年度は136百万円の減少)、未収消費税等の増加491百万円(前連結会計年度は発生しておりません)による支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は793百万円(前連結会計年度は12,144百万円の獲得)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が627百万円(前連結会計年度162百万円の支出)、敷金及び保証金の差入による支出が91百万円(前連結会計年度は54百万円の支出)となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は233百万円(前連結会計年度は10,785百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が230百万円(前連結会計年度は14,596百万円の支出)となったことによるものであります。
次期(2027年3月期)の連結業績予想につきましては、2026年2月26日に公表いたしました「中期経営計画2030 数値目標更新(上方修正)に関するお知らせ」における2026年度(中期経営計画2年目)の修正計画と同水準の業績を見込んでおり、売上高10,591百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益341百万円(同70.4%増)、経常利益321百万円(同57.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益288百万円(同31.1%増)を予想しております。
レストラン事業におきましては、2026年2月開業の「HRMT STAGE」の通期寄与、既存店リニューアル効果の通期寄与、客単価向上施策の継続的推進に加え、新規出店の推進により、増収を見込んでおります。あわせて、将来のフラッグシップ店開業に向けたブランド構築および人財育成の取り組みを継続してまいります。
ブライダル事業におきましては、2025年11月開業の「HIRAMATSU SALON」を起点とする「One Table, One Story」「Slowly Stay Wedding」の本格的な市場提案により、少人数高価格帯領域における新たな市場創造を加速し、組単価および施行組数の双方の引き上げを目指してまいります。
ホテル事業におきましては、当連結会計年度に取り組んだ施設ごとのマーケット特性および需要動向に応じた価格戦略の運用、季節要因や顧客ニーズを捉えた新規プランの投入、新たな販売チャネルの開拓、サービス品質の向上ならびに情報発信の強化等の施策を継続的に推進してまいります。これらの施策の効果は直近の業績にも現れ、本書類提出日現在において堅調に推移しております。富裕層を中心とした需要の取り込みを引き続き強化することで、ADRおよびOCC(客室稼働率)の引き上げを目指すとともに、地方を中心としたオーベルジュスタイルでの新規出店検討を継続的に進めてまいります。
その他事業におきましては、ラグジュアリーブランドとの協業による店舗運営受託事業の銀座および代官山の2拠点運営による通期寄与に加え、ラグジュアリーブランドとの新たな協業案件の推進および店舗開業支援コンサルティング事業の拡大により、リアル店舗に依存しない収益モデルの構築を継続してまいります。海外展開につきましては、東アジアを中心とした出店検討を継続的に進めてまいります。M&Aにつきましては、株式会社HRMIを通じた第1号案件の実行に続き、今後も外食産業を中心とした事業投資を本格的に推進してまいります。
これらの取り組みを通じて、当社グループは「中期経営計画2030」に掲げる中期的な収益拡大に向けた戦略を着実に実行し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループは、株主の皆様への利益還元を重要な経営方針の一つと位置づけており、持続的な企業価値の向上と財務基盤の強化との両立を図りながら、安定的かつ継続的な配当の実現を目指しております。配当につきましては、健全な財務運営を前提として、連結配当性向30%程度を目安とした利益還元を行うことを基本方針としております。
当連結会計年度(2026年3月期)につきましては、「中期経営計画2030」に掲げる「人財戦略」および「事業戦略」の推進に伴う成長投資の継続局面にあることを踏まえ、誠に遺憾ながら、当連結会計年度の剰余金の配当は見送らせていただくことといたしました。
次期(2027年3月期)の配当予想につきましては、本日付公表の「2027年3月期 配当予想(復配)に関するお知らせ」のとおり、次期業績見通しを勘案し、当初2028年度を想定していた復配を2026年度へ前倒しすることとし、連結配当性向30%を目安として1株当たり期末配当金を1円22銭とする予想を開示いたしました。これは、2018年3月期以来、9期ぶりの復配となります。なお、業績動向により計算上の配当額が1株当たり1円を下回った場合においても、次期につきましては1株当たり1円を下限として配当を行う方針であります。
株主の皆様におかれましては、引き続きのご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
(6)経営方針
当社グループは1982年の創業以来、料理を文化として捉え、フランス料理・イタリア料理をはじめとするヨーロッパ食文化の日本における普及の一翼を担い、業界最高水準の料理人およびサービススタッフの育成、世界の名シェフとの協業によるブランド展開、ホテル・ブライダル領域への事業展開を通じて、ホスピタリティ業界における独自のポジションを確立してまいりました。コロナ禍を乗り越え、2024年7月のホテル資産譲渡による財務基盤の正常化を経て、当社は守りの経営から成長投資への転換段階に入っております。
パーパス「美しい味を、未来へ。」のもと、当社グループは人財戦略と事業戦略を中期経営計画の2本柱に据え、ガバナンスおよびサステナビリティ経営をその基盤として、人・ブランド・海外への投資を本格化してまいります。当社の成長投資は、店舗数の拡大のみを目指すものではありません。長年にわたり培ってきたレストラン運営に関する深い知見と経験、ならびにそれらを体現する料理人およびサービススタッフを最大の経営資源として、創業以来育んできたレストランの伝統と価値を次世代へと継承するとともに、高い収益性とブランド価値を両立する日本発のホスピタリティ企業として、持続的な企業価値の向上を実現してまいります。こうした方針のもと、当社は以下の重点課題に取り組んでまいります。
1.持続的成長を支える人財基盤の強化
当社グループの提供価値の源泉は、業界最高レベルの料理人およびサービススタッフをはじめとするプロフェッショナル人財であり、レストラン・ブライダル・ホテルの各事業を通じて、その確保・定着が事業の持続的成長を支える根幹であると認識しております。一方、外食業界における人材流出の加速、採用市場の競争激化、ならびに業界全体での人手不足の深刻化等、人財をめぐる環境は一層厳しさを増しており、業界の未来を担う人財の確保・定着および育成が、当社グループの持続的成長に向けた最重要課題であると認識しております。
こうした認識のもと、当社グループは人財戦略を抜本的に見直し、報酬および働く環境の両面におけるプロフェッショナルへの投資を充実してまいります。具体的には、マネジメント職への画一的な昇進にとらわれず、料理・サービス等の卓越した専門性を独立した評価軸とする複線化されたキャリアパスプログラム、各キャリアパスに応じた研修・教育体制の充実、業界最高水準の処遇、ならびに独立を後押しする支援制度の拡充を柱とする当社独自の新人事制度を策定・浸透させてまいります。
あわせて、2026年2月開業の「HRMT STAGE」を、若手人財が第一線で活躍するシェフから直接学ぶ人財育成拠点として活用してまいります。これらの取り組みを通じて、自らキャリアを選択し、自身の成長が可視化され、適正に評価される環境を実現し、優秀な人財の育成・活躍を図ることで、パーパス「美しい味を、未来へ。」を具現化する業界をリードする人財を輩出してまいります。
2.ブランド価値の再構築と進化
消費者価値観の多様化、インバウンド市場の回復・拡大、グローバル富裕層市場の拡大、ならびにデジタルチャネルを通じた体験消費の進展など、当社グループを取り巻く顧客・市場環境は大きく変化しております。このような環境下において、創業以来当社が培ってきた多様なブランドを次世代へ確実に継承しつつ、新たな顧客層との接点を拡大していくことが、当社グループの持続的な企業価値向上に向けた重要課題であると認識しております。
こうした認識のもと、当社は自社レストランブランド、海外提携シェフブランド、ホテルブランド、ブライダル事業等の多様なブランドについて、新たに創出した「HRMT」を含む各ブランドの位置付けと相互の関連性を体系的に整理し、ブランドポートフォリオの再構築を進めてまいります。あわせて、コアブランドのイノベーションを通じた象徴的なフラッグシップ店舗の開発を含めた首都圏での展開を強化し、トップラインの持続的成長を実現してまいります。
また、若年富裕層およびインバウンドを含むグローバル顧客との新たな接点拡大に向け、グルテンフリー・ビーガン等の食の多様化への対応、SNS等のデジタルチャネルを活用した情報発信の強化、ならびに地域文化・生産者との連携を通じた当社ならではの体験価値の創造を推進してまいります。これらの取り組みを通じてレストラン・ブライダル・ホテル各事業間の相乗効果を最大化し、当社グループの対外的認知の向上と各事業の販売機会の拡大および収益力の向上を目指してまいります。
3.成長投資と資本効率の両立
当社は、「中期経営計画2030」に基づき、新規出店、既存店改装および海外展開等の成長投資を本格的に推進しております。一方で、コロナ禍をはじめとする過去の外部環境変化への対応を通じて得られた教訓を踏まえ、財務健全性を維持しながら持続的な企業価値向上を実現することが、当社グループの重要課題であると認識しております。
こうした認識のもと、当社グループは、新規出店をはじめとする投資案件ごとに厳格な資本効率管理を徹底し、高収益モデルへの重点投資およびキャッシュフロー重視の経営を継続してまいります。あわせて、昨今の賃料相場や建設資材価格の高騰等の事業環境を踏まえ、新設および既存物件の活用を含む多様な出店スキームを機動的に組み合わせるとともに、運営形態の最適化を進めることで、投下資本に対する収益効率の最大化を追求してまいります。
さらに、新設店舗のみならず既存店を含む各収益拠点の収益力強化に向け、生産性向上の取り組みを継続的に推進してまいります。具体的には、業務プロセスの見直し、セントラルキッチンの活用やデジタル技術の導入、ならびに人員配置の高度化を進めるとともに、2026年2月開業の「HRMT STAGE」において導入したオペレーション改革については、その効果を検証のうえ、有効な施策をグループ全体に順次展開してまいります。
これらの取り組みを通じて創出される利益を着実な原資として、株主の皆様への利益還元を安定的かつ継続的に拡充してまいります。
4.海外展開および新規事業の推進
国内のレストラン・ホテル市場が成熟化する中、当社グループが持続的成長を実現するためには、海外市場および新たな事業領域への挑戦が必要であると認識しております。
こうした認識のもと、海外展開につきましては、台湾・香港・タイ等の東アジアを中心に、現地有力企業との提携・アライアンスを含む多様な進出形態を活用し、当社ブランドの海外展開を本格的に推進してまいります。
新規事業領域の拡張に向けては、2026年2月に設立した100%子会社「株式会社HRMI」を受け皿として、外食産業を中心とした関連ビジネスへの戦略的なM&Aを推進してまいります。2026年4月1日付で実行したイタリア・サルディーニャ料理レストラン「Tharros(タロス)」を運営する株式会社UNIVERSOの株式取得を皮切りに、出資後の経営支援を一体的に担うことで、M&Aを通じた成長モデルを確立してまいります。
また、当社が長年培ってきたブランドおよび運営ノウハウを活かし、ラグジュアリーブランドとの協業による店舗運営受託および店舗開業支援コンサルティング事業の本格展開を進めることで、事業ポートフォリオの拡張と収益機会の多様化を実現してまいります。
5.ガバナンスおよびサステナビリティ経営の強化
企業を取り巻くステークホルダーの期待が高度化する中、コーポレート・ガバナンスの強化およびサステナビリティへの対応は、当社グループの持続的な企業価値向上に向けた重要な経営課題であると認識しております。
こうした認識のもと、当社グループは、取締役会の実効性向上、コンプライアンス体制の強化、ダイバーシティの推進、ならびにリスク管理および内部統制の高度化を着実に推進してまいります。
あわせて、サステナビリティへの対応につきましては、「中期経営計画2030」に掲げる「食でつながる地方創生」を重要テーマと位置付け、地産地消を通じた地域の生産者および食文化との連携、フードロス削減等を通じた環境負荷の軽減、ならびに食を通じた地域社会への貢献活動を継続的に推進し、ステークホルダーとの信頼関係を一層深めてまいります。
また、サステナビリティのもう一つの重要テーマである多様な人財の活躍を推進してまいります。当社グループでは、ブライダル事業および本社部門において業界水準を上回る女性管理職比率を実現しております。一方、レストラン事業における女性管理職の登用は依然として課題と認識しております。今後も、女性の積極的な採用・育成およびライフステージに応じた柔軟な働き方の整備等を通じて、女性のシェフや支配人の拡充を進め、全ての職種における多様な人財の活躍を実現してまいります。
これらの経営課題に対応するため、当社は2025年1月14日に「中期経営計画2030」を公表し、「人財戦略」「事業戦略」「投資計画」の3つを重点施策として掲げております。初年度(2026年3月期)の業績が当初想定を上回って推移したことを踏まえ、2026年2月26日には数値目標を上方修正し、現在は施策の実行フェーズへと着実に移行しております。
本中期経営計画では、2030年度(2031年3月期)における財務目標として、連結売上高13,331百万円、営業利益1,333百万円、営業利益率10.0%、1株当たり当期純利益18.24円を掲げております。当社はこれらを単なる数値目標ではなく、顧客・従業員・地域社会・株主といったステークホルダーへの価値提供の結果として実現すべきものと位置付けております。
今後も当社グループは、変化の激しい外部環境に柔軟に対応し、強固な人財基盤と確かな事業戦略を両輪とする経営を通じて、持続可能な成長と企業価値の最大化を追求してまいります。そして、その成果を広く社会・顧客・従業員・株主の皆様と分かち合い、真に信頼される企業グループとしての地位を確立してまいります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性等を考慮し、当面は、日本基準で連結財務諸表を作成する方針であります。
なお、今後につきましては、外国人株主比率の推移及び国内外の諸情勢等を踏まえ、国際会計基準の適用について検討を進めていく方針であります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(資産除去債務の見積りの変更)
当連結会計年度において、賃貸借契約に伴う原状回復義務として計上している資産除去債務の一部について、退去時に必要とされる原状回復費用に関する新たな情報の入手に伴い、見積りの変更を行っております。
この変更により、資産除去債務残高が51,018千円増加しております。また、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は17,926千円減少しております。
当社グループの報告セグメントは、レストラン事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当社グループの報告セグメントは、従来「レストラン事業」と「ホテル事業」に区分しておりましたが、当連結会計年度から、「レストラン事業」の単一セグメントに変更しております。
この変更は、「ホテル事業」のMC契約への移行に伴い、譲渡日以降の売上が当社に帰属しなくなったため、「レストラン事業」の単一セグメントとすることが、当社グループの経営実態をより適切に反映するものと判断したことによるものであります。
この変更により、前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報の記載を省略しております。
(注) 1.当連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの希薄化効果を有しないため記載しておりません。
2.1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(株式取得による企業結合)
当社は、2026 年3月27日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社HRMI(以下「HRMI」)を通じて、イタリア・サルディーニャ料理レストラン「Tharros(タロス)」を運営する株式会社UNIVERSO(以下「UNIVERSO」)の全株式を取得することを決議し、2026年4月1日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
(1)企業結合の概要
①被取得企業の名称及び事業内容
被取得企業の名称 株式会社UNIVERSO
事業内容 飲食店の運営
②株式取得の理由
当社グループは、中期経営計画「中期経営計画2030」において、オーガニック成長に加え、M&Aを活用した事業ポートフォリオの拡張による非連続な成長の実現を掲げております。
このたび、当社の連結子会社である株式会社HRMIは、イタリア・サルディーニャ料理レストラン「Tharros(タロス)」を運営する株式会社UNIVERSO(以下「UNIVERSO」)の全株式を取得するため、2026年4月1日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
「Tharros」は、サルディーニャ料理という独自性の高いコンセプトを有し、食材・文化・ストーリー性を伴ったブランドとして評価されております。当社グループのブランドポートフォリオの拡充に資するとともに、今後の多店舗展開や関連事業への展開も見据えた成長が期待できるものと判断しております。
なお、本件は中期経営計画に基づくM&A 戦略の第1号案件として位置づけております。
③企業結合日
2026年4月1日
④企業結合の法的形式
現金を対価とする株式取得
⑤結合後企業の名称
名称に変更はありません。
⑥取得した議決権比率
100%
⑦取得企業を決定するに至った主な根拠
当社が現金を対価として株式を取得したためであります。
(2)被取得企業の取得原価
株式譲渡人が個人であることや株式譲渡人との合意により守秘義務があるため非開示としております。
(3)主要な取得関連費用の内容及び金額
現時点では確定しておりません。
(4)発生するのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
現時点では確定しておりません。
(5)企業結合日に受け入れる資産及び引き受ける負債の額並びにその主な内訳
現時点では確定しておりません。