1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………6
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………6
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………7
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………7
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………7
3.財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………8
(1)貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………8
(2)損益計算書 …………………………………………………………………………………………………10
売上原価明細書 ……………………………………………………………………………………………………11
(3)株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………………………12
(4)キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………14
(5)財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………16
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………16
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………16
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………17
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………18
1.経営成績等の概況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続いたものの、地政学的リスクの高まりや米国の政策動向の影響、金融政策の動向や物価上昇等により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展は引き続き加速しており、中堅中小企業においても業務のデジタル化とクラウド活用が進んでおります。そのような状況の中、労働人口の減少を背景として人手不足の深刻化により、ITを活用した業務の効率化、自動化による生産性向上へのニーズは一層高まっております。
また、テレワークの拡大により働き方も大きく変わり、クラウド化が進み、情報セキュリティ対策の重要性への認識が一層高まっております。
これらの環境変化などを背景に、企業の生産性及び信頼性向上に寄与する製品及びサービスを提供する当社の各ソリューションが属する市場は今後も以下のとおり、成長することが見込まれております。
(単位:億円)
(注)CRM(営業系)、メール配信プラットフォームマーケティング、マーケティングオートメーションの合計で
算定しております。
このような市場環境の中、「テクノロジーの力で、未来をつくる新しい体験を提供し、ひとりひとりが輝く社会 へ」というパーパスのもと、顧客の企業価値向上に資するべく、ITで経営課題を解決し、業務の生産性向上・信頼性向上を図るために、IT資産管理やセキュリティ対策等に対するソリューションを提供する「ネットワークソリューション」、名刺管理、SFA(※1)/CRM(※2)、MA(※3)、新規顧客開拓等の営業支援に対するソリューションを提供する「セールスDXソリューション」、AIOCR等によるデータエントリーに対するソリューションを提供する「AIデータエントリーソリューション」の3つのソリューションにおいて、ソフトウェアの開発及び販売を行っております。
その結果、当事業年度における業績は、売上高4,889,796千円(前期比103.9%)、営業利益834,695千円(前期比105.5%)、経常利益867,754千円(前期比104.7%)、当期純利益685,532千円(前期比110.9%)となりました。
(※1)SFA:セールスフォースオートメーションの略で、営業支援システムであり、営業業務の見える化、
効率化を図る仕組み、システムのことを意味します。
(※2)CRM:カスタマーリレーションシップマネージメントの略で、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を
管理し、顧客との良好な関係を構築・促進することを意味します。
(※3)MA:マーケティングオートメーションの略で、マーケティング業務を自動化、効率化する仕組み、
システムのことを意味します。
当社はソリューション提供事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりませんが、各ソリューションにおける状況は以下のとおりです。
ネットワークソリューションでは、パソコンやスマートフォン、アプリケーション、クラウドサービス等をセキュリティ対策などの観点からIT資産を統合的に管理するソフトウェアを「AssetView」シリーズとして開発・販売しております。また、IT資産を取り巻く様々な課題を統合的に解決するためのソリューションサービスや、運用支援サービスを「AssetView」とあわせて提供しております。
テレワークの普及に伴いパソコンが社外に存在することが常態化する中、サーバー管理に係る手間やコストを削減し、常に最新機能の利用ができるクラウドサービスへのニーズは高まっております。このような背景のもと、多くの企業でクラウドサービスの導入が進み、当社AssetViewのクラウドサービスの売上も好調に推移いたしました。
当事業年度においてリリースしたAssetView Cloud+の新バージョンでは、ChatGPTの送信ログを取得できる機能の追加により生成AIのガバナンス強化を図るとともに、ログ分析ツールとの連携を実現する外部システム連携オプションの強化、イベント監視ログアラート機能の追加など、セキュリティ強化に繋がる機能改善を行いました。さらに、脅威を検知・対応するEDR(※1)製品の「SentinelOne® Singularity™」(※2)とAssetViewのログを用いたMDR(※3)サービスの提供を開始しております。これからも機能強化や連携強化を行うことで、クラウドサービス売上のさらなる拡大を牽引してまいります。
その結果、クラウドサービスのARRは1,531百万円となり、前年同期比で32.4%増加しております。それに伴い、当ソリューションの売上に占めるクラウドサービスの売上の比率は、前期より上昇し43.3%となりました。また、オンプレミス環境で導入頂いている既存顧客の保守契約も堅調に推移いたしました。
クラウドサービスのARRとチャーンレートの推移は以下の通りであり、チャーンレートは低い水準で推移しております。
(注)1.ARR :Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益を指す。各四半期末時点のMRR(Monthly
Recurring Revenue=月次経常収益)に12を乗じた数値
2.チャーンレート:解約率を意味し、既存契約の月次経常収益のうち解約に伴い減少した月次経常収益
の割合の直近12カ月平均
当該割合は「当月に失った月次経常収益÷前月末の月次経常収益×100(%)で算定」
(※1)EDR(Endpoint Detection and Response):PCやサーバーなどのエンドポイントにおける脅威の検知
と対応を強化するセキュリティソリューション
(※2)「SentinelOne® Singularity™」:SentinelOne,Inc.が提供するAIを活用した自立型EDR・サイバー
セキュリティプラットフォーム
(※3)MDR(Managed Detection and Response):企業のセキュリティ環境を24時間365日体制で専門家が
監視し、脅威の検知、分析、対応までを提供するマネージドセキュリティサービス
その結果、当ソリューションの売上は3,138,936千円(前期比109.5%)となりました。
セールスDXソリューションでは、「営業を強くし、売上を上げる」をコンセプトに、法人営業の生産性向上と業務効率化を図り、企業の売上拡大を支援する「ホットプロファイル」及び「ホットアプローチ」の開発・販売ならびに運用支援サービスを提供しております。
企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資は引き続き堅調に推移しており、「ホットプロファイル」は、営業活動の可視化を通じた業務効率化や売上生産性向上といった市場ニーズを的確に捉え、事業は堅調に推移いたしました。
当事業年度においては、AI技術を活用した新機能の継続的なリリースに加え、企業データベースの大幅な拡充を実施いたしました。特に、複雑化するグループ企業構造や財務情報の概要を迅速に把握する機能は、顧客企業における営業戦略立案および意思決定の高度化に寄与しています。これらの取り組みにより、営業現場における情報活用の促進と提案活動の効率化が進み、「ホットプロファイル」は次世代型営業プラットフォームとしての地位を確立しています。
また、導入後の顧客支援体制の強化により、利用定着支援や個別課題への対応を推進して顧客満足度を高めた結果、チャーンレートは低い水準で推移しております。これにより安定的なストック収益基盤の強化が進んでおります。
OEM(※)提供による売上は減少したものの、既存顧客の更新及びアップセルが堅調に推移したことにより、OEMを除いたARRは順調に伸びております。
OEM製品を除くARRとチャーンレートの推移は以下の通りであります。
(注)1.ARR :Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益を指す。各四半期末時点のMRR(Monthly
Recurring Revenue=月次経常収益)に12を乗じた数値(OEM製品を除く)
2.チャーンレート:解約率を意味し、既存契約の月次経常収益のうち解約に伴い減少した月次経常収益
の割合の直近12カ月平均
当該割合は「当月に失った月次経常収益÷前月末の月次経常収益×100(%)で算定」(OEM製品を除く)
(※)OEM(Original Equipment Manufacturing):ある企業(委託者)が、別の企業(受託者)に自社ブラン
ドの製品の製造を委託することを意味します。当社開発製品を委託者に提供しております。
その結果、当ソリューションの売上は1,355,634千円(前期比99.6%)となりました。
AIデータエントリーソリューションでは、AI OCR(※)技術をベースとしたデータ入力業務効率化のソリューションを提供しています。
多くの企業や公共団体には、業務で使用される帳票の中に、データ化されていない様々な帳票が数多く残っており、その帳票を処理するための入力業務に多くの時間と労力が費やされています。労働人口が減少する中、バックオフィス業務のDX化を図り単純作業であるデータ入力業務における人手不足を解消するとともに、入力ミスを削減することが可能なOCR製品を利用する企業等が増えております。
OCRはAI技術の躍進とともに文字認識精度が高まり、対応可能なデータ入力業務の領域が拡大しております。これらにより、AIデータエントリーソリューションの事業領域は大きく成長する市場であると考えられます。当社においても継続してOCR技術の向上を図っております。
帳票設計が不要なクラウドAI-OCRサービスである「DX OCR」の導入は順調に推移しました。一方、オンプレミス製品の販売からクラウドサービスの提供への移行が進んだことにより売上は減少しました。また、ダブルAI OCRと当社の在宅ワーカーによるOCR結果の確認作業を組み合わせたクラウド型BPOサービスである「WOZE」については従量課金の処理量が減少しました。
その結果、当ソリューションの売上は395,226千円(前期比82.4%)となりました。
※OCR:オプティカルキャラクターリーダーの略で、手書きや印刷された文字をスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術を意味します。
売上原価は2,773,701千円(前期比104.9%)となりました。これは主にソフトウェアの減価償却費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は2,116,095千円(前期比102.6%)となりました。
販売費及び一般管理費は1,281,399千円(前期比100.8%)となりました。これは主に体制強化に伴う人材派遣費の増加があった一方で、役員退職慰労金制度の廃止に伴う役員退職慰労引当金繰入額の減少等により、結果として前期と同水準となったことによるものであります。この結果、営業利益は834,695千円(前期比105.5%)となりました。
営業外収益は33,842千円(前期比74.9%)となりました。これは主に前期に計上していた匿名組合投資利益及び助成金収入が当期は発生しなかったことによるものであります。営業外費用は783千円(前期比10.0%)となりました。これは主に前期に計上していた上場関連費用が当期は発生しなかったことによるものであります。この結果、経常利益は867,754千円(前期比104.7%)となりました。
投資有価証券償還益及び投資有価証券売却益の計上により特別利益は178,229千円(前期比305.4%)となった結果、税引前当期純利益は1,045,984千円(前期比117.9%)となりました。また、法人税等を計上した結果、当期純利益は685,532千円(前期比110.9%)となりました。
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ1,460,526千円増加し、5,345,528千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加1,574,890千円であります。
固定資産は、前事業年度末に比べ481,275千円減少し、1,769,812千円となりました。主な要因は、売却に伴う投資有価証券の減少673,898千円であります。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ979,250千円増加、7,115,340千円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べ295,798千円増加し、2,555,404千円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加202,456千円、契約負債の増加213,409千円、買掛金の減少55,195千円であります。
固定負債は、前事業年度末に比べ196,720千円増加し、1,347,069千円となりました。主な要因は、長期契約負債の増加176,807千円であります。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ492,519千円増加、3,902,474千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ486,731千円増加し、3,212,865千円となりました。主な要因は、当期純利益の計上による繰越利益剰余金の増加559,351千円、有価証券の償還及び売却に伴うその他有価証券評価差額金の減少73,542千円であります。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ1,574,890千円増加し、4,740,874千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,619,457千円(前期は923,334千円の資金の収入)となりました。主な要因は、税引前当期純利益1,045,984千円(前期比158,781千円増加)、減価償却費642,163千円(前期比172,460千円増加)、法人税等の支払△263,126千円(前期比215,394千円減少)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は58,463千円(前期は366,648千円の資金の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入717,617千円(前期は売却による収入なし)、無形固定資産の取得による支出668,923千円(前期比108,189千円増加)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は123,950千円(前期は37,381千円の資金の支出)となりました。主な要因は、前期に発生した株式の発行による収入が当期は発生しなかったこと(前期比93,696千円減少)、配当金の支払額による支出124,872千円(前期比191千円増加)であります。
労働人口の減少に伴いDXによる生産性向上のニーズが高まっております。また、テレワークの定着やランサムウェア被害の増加等を受け企業におけるセキュリティ対策の強化やクラウド化が進んでおります。これらを背景に、企業の生産性向上及び信頼性向上に寄与する製品及びサービスを提供する当社を取り巻く市場は、引き続き拡大していくことが期待されます。
このような事業環境のもと、当社は、市場ニーズを的確に捉え、自社開発を中心に製品化し、提案していくというサイクルを高速で回すことにより、常に顧客ニーズを捉えた製品をスピーディーに提供してまいりました。今後も、新機能、新製品を開発・提供することにより事業領域を拡大し、新規顧客の獲得および既存顧客の契約継続率の向上を図り、持続的な成長を加速させてまいります。
ネットワークソリューションにおいては、クラウドサービスへのニーズも引き続き好調であり、安定的な成長を見込んでおります。セールスDXソリューションにおいては、OEM提供による売上高の減少も一巡し、成長軌道への回帰を見込んでおります。AIデータエントリーソリューションにおいては、クラウドサービス拡大による成長を見込んでおります。
各ソリューション別の売上の2026年3月期(実績)及び2027年3月期(計画)は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
以上の結果から、次年度の業績予想については、売上高は前期比108.1%の5,287百万円、営業利益は前期比105.9%の883百万円、経常利益は前期比103.6%の899百万円、当期純利益は前期比85.4%の585百万円を見込んでおります。
なお、この業績予想は、現時点で当社が入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提条件に基づいて作成したものであり、市場環境の変化等により業績予想の修正を行い場合が生じた場合には速やかに公表いたします。
当社は、配当は株主に対する利益還元手段として経営の重要課題であると認識しております。配当政策につきましては、今後の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、継続的に配当を実施していくことを基本方針としております。
上記方針に基づき、当期の期末配当金につきましては、1株当たり40円を予定しております。
また、次期の配当金につきましては、年間1株当たり45円を予定しております。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、国内向けの事業が主であること、株主構成が国内中心であることから、当面は日本基準で財務諸表を作成する方針であります。IFRS(国際財務報告基準)の適用につきましては、海外への事業展開の状況や国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であります。
3.財務諸表及び主な注記
(注) ※1 主な内訳は、次のとおりであります。
※2 他勘定振替高の内容は、次のとおりであります。
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社は、ソリューション提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
【関連情報】
1 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
(注) 1.前事業年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、当社は、2024年4月11日に東京証券取引所グロース市場に上場したため、2025年3月期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新規上場日から当事業年度の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
2.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
3.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
該当事項はありません。